2014年12月28日日曜日

ラジオから流れてきた「花嫁」

一昨日、車のラジオから流れてきた「花嫁」について今日はエントリーしたい。ピンとくる方は間違いなく私と同世代以上である。小学生のころ、フォーク・クルセイダーズというグループが突如現れた。「帰ってきたヨッパライ」が大ヒットしたのだ。加藤和彦、北山修、はしだのりひこ。この「花嫁」ははしだのりひこの作った2つ目のグループのヒット曲である。久しぶりに聞いて涙がでそうになったのだった。

♪ 花嫁は 夜汽車にのって 嫁いでいくの あの人の写真を胸に 海辺の町へ
  命かけて燃えた 恋が結ばれる 帰れない 何があっても 心に誓うの

♪小さなカバンにつめた 花嫁衣装は 故郷の丘に咲いてた 野菊の花束
  命かけて燃えた 恋が結ばれる 何もかも捨てた花嫁 夜汽車にのって

いいなあ。なつかしいという感傷とともに、まだまだ豊かではなかった日々を思い出すのである。まず、今の日本には「夜汽車」が存在しない。直角の中国でいう「硬座車」の夜汽車。もし、今なら夜行バスを高速で行くのだろう。あるいはLCCかもしれない。あの人の写真は、スマホに画像が入っているはずだ。花嫁衣装とされる野菊の花束も、考えられない。せいぜいスマホに画像として入れていくだろうな。などど考えていたのだ。

この「花嫁」、北山修の詩なのだが、フォークル(フォーク・クルセイダーズ)の歌で同じく花嫁が出てくる「戦争は知らない」という曲がある。寺山修司の詩だが、ここにも「野に咲く花」というコトバが出てくる。つまり、「野菊」も「野に咲く花」も、貧困というか、反権力というか、庶民というか、そういうものの語彙を含んでいる。夜汽車もそうだ。おそらくは、胸に忍ばせた(白黒の)写真もそうだろう。

今の日本に、そういう語彙を含んだコトバがあるのだろうか。それを使った「歌」がつくられるのだろうか。歌は世につれ、世は歌につれ…か。

https://www.youtube.com/watch?v=CU0UqJKg7aw

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