2013年1月19日土曜日

ESDのための仮想世界ゲーム5

第3セクションまで進んだ仮想世界ゲーム。ここらでひと休憩したかった。途上国の生徒たちが自国のPRSP(貧困削減戦略文書)を仕上げてくれたのだが、もうひとつ深みがない。せっかくなので良いものを望みたい。再提出とした。と、いっても、それだけでは面白くない。ここで、開発経済学のイロハを語り、PRSPのためにワークショップの時間をとったのである。

貧困について短時間で一気に語った。1人あたりのGDP、HDI(人間開発指数)、人間の安全保障、そしてアメルティア=センの貧困の概念。さらに、開発経済学の基礎中の基礎「生産性の向上と資本の蓄積」について語った。ここまでで20分。高校生への講義としては無茶苦茶駆け足である。

PRSPのためのワークショップ。テーマは、「資本蓄積」。投資を進めるため、必要なコトをダイヤモンド・ランキングで考えるワークショップである。

たとえば、タンザニアは、今PRSPを書く上で、何を良くすれば先進国の投資が進むかを考えさせる。彼らは、外務省作成のおそらく日本語で書かれた最も詳細なタンザニアの資料を持っている。だから、それなりのコトは書ける。その上で、今先進国が投資したくなるようにもっていくには、港湾設備なのか、ビジネスを進める上で必要な法律の整備なのか等の政策の優先順位を考えるのだ。生徒は面白がってワイワイ討議していた。

今回、ダイヤモンド・ランキングで討議するために作った政策のカードは以下の通り。
治安・教育・港湾施設・市場規模・通貨の信用度・交通インフラ・法律整備・エネルギー・政治的安定・技術力・労働力・やる気・原料供給。(もう少し精査する必要があると思っている。)

先進国には、その立場から投資する上で重視する項目をダイヤモンド・ランキングさせたのだ。だから、およそ討議がすんだ頃を見計らって、7カ国それぞれのランキングを見てくるように指導した。面白かったのは、途上国の生徒がどどっと日本ランキングを見に行ったことだ。現在、日本はかなりの資金を持っている。その資金を狙ってのことのようだ。(笑)

夢中で授業していたので、カメラを持参するのを忘れた。雰囲気を出して自宅で再現してみたのが今日の画像である。

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