2013年1月11日金曜日

英国メシは何故まずいのか史

代表的英国料理 スコッチ・エッグ
朝日新聞の朝刊に『なぜを訪ねて』という連載コラムが載っていた。ロンドン支局の伊東記者のテーマは「英国メシ美味革命」である。要するに、英国のメシはまずいという評判であるが、最近変化してきたという話であった。私は英国に行ったことはないし、まして食事したことはない。だが、嫌と言うほど英国メシのまずさについては聞かされた。アメリカでも「たいがいやなあ。」という経験は何度もしたが、それをはるかに超えるらしい。

記事の方は美食化の現状報告なのだが、私が注目したのは「英国の食をめぐる出来事」という小年表である。

1066年 仏ノルマンディー公が英国を制服→仏料理を食べるように
1649年 クロムウェルの清教徒革命→ぜいたく禁止が食文化にも影響か?
18世紀後半~ 産業革命で都市人口が半数以上に→伝統的な農村生活が失われ、「食」も衰退
19世紀 全寮制学校のジェントルマン教育で、社会的訓練としての粗食が美化される
1940年~50年代 肉、小麦粉、卵などが配給に→「質より量」に
第二次大戦後 イタリア、ポーランドなど欧州諸国から移民。カリブ諸国からも→食が多様化
90年代後半 ジェイミー・オリバーさんの料理番組スタート

この年表から、英国メシのまずさの原点が清教徒・クロムウェルであることがわかる。人はパンのみに生きてはならない。だから粗食であるべきだ。しかも都市化が進み、スローフードの伝統もしぼみ、粗食の美学が確立したというわけか。こういう世界史的な異文化理解、実に面白いと思うのだ。ちなみに、画像の英国料理/スコッチエッグは、スコットランドの名物料理ではなく、ロンドンのデパートで考案されたものらしい。(笑)

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