2012年5月22日火曜日

新自由主義がアフリカ農業に牙

「資本主義のシステムそのものには、自力で均衡に向かう傾向はない。資本の所有者は自分たちの利潤を最大にしようとする。放任しておいたのでは、彼らの資本の蓄積は、事態の均衡が崩れるまでつぢけられる。」これは、今私が読んでいる佐藤優の『帝国主義の時代をどう生きるか-知識を教養へ、教養を叡知へ』(角川oneテーマ21)に出てくる引用である。(P101)
誰の引用だろうか?マルクス?フランシス・フクヤマ?それとも宇野弘蔵?いえいえ、私もびっくりしたが、ジョージ・ソロス(超有名なアメリカの投機家:出典は『グローバル資本主義の危機-危ぶまれる開かれた社会 1998年』)なのである。

WEBでアフリカの情報を検索していたら、思わず「あかん、あかん、こんなことアフリカでしたらあかん。」と叫んでしまうようなページに出来くわした。AGCOという農業機器の会社が先日紹介した、アフリカの食糧危機を改善するために世界銀行経由で出資するぞぉと言っていたG8(5月17日付ブログ参照)で、プレゼンした内容が書かれていたのだ。<勇気のある方は是非読んでみてください。>
http://www.zaikei.co.jp/releases/45129/

吐き気をもようすようなプレスリリースだ。南アはともかく、ザンビアやエチオピアでこんな農業をやったら、多くの人々が新自由主義の波に巻き込まれ、次々と溺れていくことは間違いない。土地を失い、現金収入の奴隷になってしまう。彼らの育んできた「アフリカの生業」「アフリカの知」が効率性の名のもとで死に絶えていく。

佐藤優は、引用の後、こう書いている。『ジョージ・ソロス氏の指摘は正しい。新自由主義の病理に社会が汚染しつくされないようにするためには、国家による「政治的な介入」が行われなくてはならないのです。』
ここで佐藤優に国家と名指しされているほどの力をアフリカの政府は持ち合わせていない。世銀の言いなりになってはいけない。目先の援助にくらいついてはならない。焦らずじっくりと取り組むべきだ。私は声を大にして言いたいと思う。

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