2025年6月16日月曜日

これまでにない戦争である。Ⅱ

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1605125
イスラエルは、イランの心臓部である石油・天然ガス関連施設を続いて攻撃した。イランもテレアビブに引き続き報復攻撃をしている。互いに引けない状態に突入したといえる。

イスラエルは、イランに国外脱出を勧めると宣言したようだ。これは、核攻撃ではなく、各施設へのバンカーバスター攻撃による放射能被害を想定しての話だと私は思う。もし、イスラエルが核を落としたら、ほぼ全世界を敵に回すことになるだろう。

ところで、イランの十二イマーム派は、正統カリフ第4代のアリーの子孫を正統とみなす。ムアウィアーとの戦いに敗れた悔しさを、アシュラという苦行で再確認するような宗派である。いわば、隣国の「恨」に近いものがある。それ故に、イスラム革命で親米であったパーレビ朝が倒され、十二イマーム派の原点、宗教指導者が指導する国に戻ろうとしたのである。イマームの歴史をたどると、なかなかの人物が輩出されており、十二人目のイマームは隠れたままである。十二イマーム派の信仰心はかなり厚い。

イスラムで民主主義社会は形成されにくい。トルコのように完全に政教分離するか、マレーシアのように王政(スルタン制)下の立憲君主国化するか。アラブの春で、多くの共和国が批判され、それはある程度証明されてしまった。特にイランの社会体制では、民主主義は形式的でしかない。専制政治と揶揄されてもしかたがないが、それがイランにおける正義なのである。

欧米キリスト教諸国は、民主主義の限界を知りつつも、正義であるとしている。イランの価値観・正義を理解するのは難しい。トランプの得意のアメリカのプラグマティズム的「交渉」が、イランを必ずしも動かすとは思えない。すでにアメリカは、イラクやアフガニスタンで民主主義を確立しようとして見事に失敗している。

まずは、イランの側から見てみた。価値観の大いなる相違、恐るべしである。

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