2013年11月30日土曜日

ヨーロッパ近世の謎とき

メアリー1世
来週から期末考査である。ひさしぶりに世界史Bの授業についてエントリーしたい。今回はヨーロッパ近世が範囲である。大航海時代、ルネサンス、宗教改革それにイタリア戦争と絶対主義国家の成立が、ほぼ同時期に起こっているところがミソだ。つまり、それらが互いに連動している。

イタリア戦争の構図、フランスVSスペイン・神聖ローマ帝国・イギリスも、ヘンリー8世の離婚劇をめぐる系図が大いなる鍵となる。ヘンリー8世の正妃は、カザリンというスペイン王家の王女である。イギリスが参戦する理由は十分にある。英国教会成立後も、メアリー1世というカザリンとの娘がスペイン王・フェリペ2世と結婚している。父親のヘンリー8世には恨みをもっているので英国教会を潰そうとカトリックに改宗しているくらいだ。ただし、そのメアリの死後王位を継いだエリザベス1世はカザリンの侍女の娘である。カトリック=スペインには恨みがあるので、後にスペインの領土だったオランダ独立戦争ではオランダを支持、しかも無敵艦隊を破っている。凄いな。サスペンス・ドラマなみである。

このスペイン王というのが、ハプスブルグ家の血を引いているので、神聖ローマ帝国皇帝がスペイン王その人だったりする。フェリペ2世の父親カルロス1世である。彼は同時にカール5世で、「ローマの牝牛」と呼ばれた神聖ローマ帝国に、免罪符の販売部隊を引き込む。彼は南イタリアも支配してカトリックの総代みたいな立場である。フランスに免罪符を売れなかったのは、イタリア戦争がらみだし、何より免罪符販売のローマ教皇レオ10世は、ルネサンスの総本家メディチ家の出身。ルネサンスとルターの宗教改革は連動しているわけだ。そのイタリア=ルネサンスも、大航海時代のスペイン、ポルトガルにとって代わられ、さらには、カルヴァン派のオランダにとって代わられる。

最後のまとめで、全ての謎を明かすという授業をしていると、つい熱くなる。金曜日は、思わずふらっとしてしまった。低血糖状態である。授業後、チェルシーを舐めてなんとか治まったが、いやはや…。

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