2025年7月8日火曜日

学院の人権学習について 2

https://www.y-history.net/appendix/wh1703-092.html
学院の人権学習・本番の日である。S先生からサポートを頼まれていたので、かなり登壇者と接する機会があった。1コマ目は、前回話題にしたユニクロの”届けよう 服のチカラ”であった。H高校でのハランべー・プロジェクトから10年。出前授業も、昔JICA大阪で学んだ「難民のアクティビティ」も取り入れられていた。もしあなかたが難民となった時、何を持っていくか?というものである。JICAの高校生セミナーでは、時間経過とともに持って行けるものが、どんどん減っていき、精神的にもしんどいものだったが、今回はいくつかから1つ選ぶという簡素化されたものだった。パワーポイントの途中、難民になる原因の1つが「人種」となっていたのだが、高校地理の学習では、人種という概念がすでに消えていることを伝えておいた。「民族」の方がはるかに適切だと思うとも…。

さて、2コマ目は、近くのカトリック教会で難民の支援を行っている方が、実際の難民申請中の方を連れて来られた。クルディスタンの男性であった。あまり細かなことは個人情報なので書かないほうが良いと思うが、私にとっても初めてのクルディスタンとの邂逅となった。貴重な経験である。ちなみに私の「地球市民の記憶」(ブログの常設ページ)は109カ国・地域になった。

日本の難民申請は先進国の中でも極めて厳しい。私は、ただ単に批判する立場にはない。日本語という言語の学習が、共存の鍵だと思っている。そんな話を講演後に応接室でしていた。彼は独学で日本語を学んでいるらしい。難民申請中故に日本語学校にも行けないようだ。マレーシアでの日本語学校での経験と照らし合わせても、日本語の習得はそう簡単なことではない。

クルディスタンの難民申請中の彼は、まさに「民族」的な問題で日本に来たのである。ナイスガイなので、是非難民申請が通って欲しいものだ。3年生には、民族問題でクルディスタンについても授業で話している。彼の地域のクルド語の文字はアラビックであるとのことだった。こんなことを3年生に質問してほしかったが、2階席だったので皆臆してしまい残念。(笑)

2025年7月6日日曜日

三沢にB1ーBが4機来ている

https://www.kotatv.com/2025/04/03/south-dakota-air-space-museum-is-open-2025-season/
日米で使っている青森の三沢基地に、B1ーBが4機駐留しているそうである。ベトナム戦争時の嘉手納にB52が駐留して以来のことで、グアムやオーストラリアにも駐留しているが、日本にも置いておこうということらしい。

B1ーBは、私にとっても思い出深い爆撃機である。サウスダコタとワイオミングを旅するにあたって、AAA(アメリカのJAFのような会社)が発行していた州ごとの観光案内本(もちろん全て英文である。)をチェックしていて、サウスダコタのラピッドシティ空港から、バッドランズ国立公園を目指す途中に、空軍基地と航空博物館があるのを見つけた。そこは、”戦略”空軍基地であったので、ICBMなども配置されている基地だったが見学可能となっていた。今から思えば、英文の記事をよく翻訳したと思う。必要に迫られてのことだったが、ネットのない時代というのは、こういう苦労と喜びもあったのだ。

残念ながら、ちょうどケニアのアメリカ大使館が攻撃され、星条旗は半旗となって掲げられており、期待していたICBM基地のツアーは中止になっていた。幸い、航空博物館は見ることができた。戦略空軍基地らしく、B-29やB-52などの爆撃機が多く展示されていた。そんな中、凄い爆音と超低空での離陸、ならびに超低空飛行のB1ーBと遭遇したのである。とんでもない爆撃機である。あの衝撃は文章化できないほどのものであった。(上記画像は、航空博物館近くを離陸するB1ーB)

このB1ーBは、核攻撃ができないようになっているが、B52以上に爆弾を積めるし、なにより速度がめちゃくちゃ早い。ステルス性もあり超低空を一気に目標まで向かうことができる。巡航ミサイルも多く積めるし、とんでもない性能であるのだが、可変翼機なので整備にコストがかかり退役も近い。

とはいえ、三沢にB1ーBが常駐(スパンは未定らしい)しているということは、大きな抑止力である。三沢には、米軍のF35もいるので、かなり強力な基地となったのは間違いない。ただの抑止力であることを祈るが…。

2025年7月5日土曜日

学院の人権学習について

https://www.kyoiku-press.com/post-205454/
火曜日に、学院では中高で人権学習が組まれている。主担はS先生で、懇意にさせてもらっている。私はこの日授業はないのだが、成績処理のため登校することを生徒諸君にはクラスルームというGoogleのアプリで伝えてある。

というのも、1コマ目は、ユニクロの”届けよう、服のチカラ”プロジェクトで、S先生にお話を伺って、懐かしさが込み上げてきた。2013年というから、10年前、奈良教育大学のユネスコスクールの大会時に知ったこのプロジェクト、H高校で”ハランべー(スワヒリ語で助け合い)プロジェクト”として立ち上げたものだからである。(本ブログの右側のラベルを見てもらうと13回エントリーしていることがわかる。興味のある方は是非見て下さい。)

問題は、”子供の服”を集めることである。高校生は意識は高いが、子供服を集めるとなると大変で、たくさん段ボールを送ってもらったのだが、なかなか難しかった。学院には、幸い小学校から幼稚園、保育園まであるので、協力してもらえればかなり集められるのではないかと思う。送られる先は、難民キャンプなので、地理総合の授業でも少し後押ししていこうと思っている。

期末考査と1学期の評価 考

https://www.hira2.jp/quiz/quiz-gaidai-20151022.html
期末考査の採点と1学期の評価が、昨日今日でほぼ終了した。昨日は、同僚のO先生と前々から約束していた京橋での懇談の日で、久しぶりにアルコールを注入した。(笑)O先生の話は、非常に独創的で勉強になる。

ところで、最近の受験事情については、二分化する傾向にあって、年明け(共通テストや一般入試)まで頑張る受験生と、指定校推薦や自己推薦入試などで年内に合格を決めたい受験生である。

1学期の評価は、後者にとっては実に死活問題である。特に指定校推薦を希望する生徒にとって校内の競争がある故に熾烈である。

受験における選択肢を論じるつもりはないし、各人各様に成長してくれればそれでいいのである。K外大(本日の画像参照)のチェコの留学生がLHRで3年生に伝えてくれた「勉強は未来への自分へのプレゼント」というテーゼは実に正しいと思う。(6月27日付ブログ参照)

2025年7月3日木曜日

期末考査の採点考

試験最終日1限目。私の地理総合の試験が終わった、すぐに集まった解答用紙をスキャンしてPDFに変えてYou Markという採点ソフトに入力。生徒の出席番号をクラスごとに入力していよいよ採点開始である。それまでの事前準備にも1時間以上を費やすのだが、7クラスの採点を行うゆえに不可避の作業である。今日は、職員室でほぼ3時間、根を詰めて採点した。1問1問、正解ならmを押して◯、間違いならxを押して✗をつけていく。

このソフトを使う利点は、採点時間がかなり短縮できることと、正解と間違いの再チェックを1問ずつ一気に行えるので、採点間違い防止にきわめて有効であること。アナログで採点すると点数計算のミスが出てしまうが、さすがコンピュータ、そういう煩わしさがなく正確であることの3点だと思う。

2025年7月2日水曜日

日本人の宗教観について

https://www.nippon.com/ja/features/h00226/
期末試験後の授業準備のため、日本人の宗教観について改めて調べてみると、様々な統計データがあって困惑する。

文化庁のデータ「宗教年鑑」(2021)によると、神道系48.5%、仏教系46.4%、キリスト教系1.1%、その他4%で、人数で換算すると人口の1.5倍になる。これは宗教法人からのデータであるからで、アンケート調査では、何らかの信仰を持っている人は2~3割という結果が出ることが多いらしい。

現代の日本社会は、どの宗教・宗派を信仰しているかは、さほど重視されず、無信仰を自認する場合も含め信仰を意識することが少ない。NHKの調査(ISSP国際比較調査/宗教2008)では、無宗教49.4%、仏教34%、神道2.7%、その他1.1%、プロテスタント0.7%、カトリック0.2%で、宗教を信仰していると答えた人は38.7%であった。

神の存在については、①神の存在を信じない/8.7%、②神の存在はわからないし方法的に明らかにできない/19.2%、③神がいるとは思わないが超自然的な力はあると思う/23.2%、④神の存在を信じるときもあるし信じない時もある/32%、⑤疑問に感じるが神は存在すると信じている/1.9%、⑦神の存在に疑いを持たない/4.3%となっている。

時と場合によっては人知を超えた宗教的な存在を肯定する意識を持つという③④が半数以上を占めている。また多くのものに神の存在を感じたり、祀ったりする気持ちについて、理解できる/25.9%、どちらかといえば理解できるが52.9%で汎神論的な感覚も多数となっている。前述のように宗教を信じない=無宗教が49.4%であっても、単純に無神論者・不可理論者が半数とはいえないといえる。

ギャラップ社による2017年の調査では、日本は29%が無神論者で中国についで2位になっている。これは、一神教世界の欧米から見た場合であり、ここまで記した「神」が一神教の神というよりも、日本神道的八百万の神や仏教の諸天なども含むものとして見たほうが妥当であると思われる。授業で扱っている世界価値観調査も同様であると思われる。

まあ、基礎的な資料としてはこれくらいかと思う。

2025年7月1日火曜日

大谷選手と間柄的存在

大谷選手の人間性が、アメリカで話題になって久しい。その逸話については挙げればきりがないのだが、その根底に和辻哲郎の「間柄的存在」という日本の倫理観があると私は思っている。アメリカは、極めて個人主義的でプラグマティズムの価値観が強い。その対極的な大谷選手の振る舞いに驚きを隠せないのであろう。

先日、少しエントリーしたが、大谷選手のHRを父親が取りそこね、泣いていた子供に、試合後サインボールやバットを送った話だが、私は直感的に大谷選手の行動を予想できた。野球選手とファンという間柄の中で、そういう行為が理想的だからだ。

常に社会(他者と言い換えても良い)との関係性の中で我々は生きている。大谷選手なら、ドジャーズ、MLB、アメリカ、日本などといった社会との間柄的な関係性の中で生きているわけである。だから、彼がDHという立場で、ベンチに長くいる故に、プレイヤーのための飲料を用意するのも十分理解しうるし、スランプに悩むメンバーに声をかけるのも、足を痛めたフリーマンにスパイクに敷く中敷きをプレゼントするのも、パドレス戦で死球を受けて、仲間に来るなというポーズを取って収めたのも、間柄的存在から見て妥当かつ理想的な行為なのである。

期末考査が終わって、夏季休業までに2コマずつの授業がある。日本の価値観について語るつもりだが、やはりメインは和辻哲郎、そして挫折感を味わった本居宣長かなと思う。