2016年8月8日月曜日

マレーシアのポケモンGO

http://www.buro247.my/culture/news/pokemon-go-7
-places-in-malaysia-we-ll-go-catch-the.html
6日の土曜日から、ポケモンGOがマレーシアでも配信されたそうだ。昨夕、我がコンドでも、なんかそれらしき華人の青年がウロウロしていた。ポケモンGOをやっているのかなあと思っていたら、やっぱりそうだったのだ。

ところで、そのポケモンGOに、マレーシアのイスラム法評議会は、偶像崇拝を助長するとして、イスラム教徒がこれを使って遊ぶことを認めないとしたらしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H6A_W6A800C1FF8000/

なるほど。私はポケモンGOについても、宗教的にも全くの第三者なので、あえてコメントすることはないのだが、さっそく生徒に聞いてみた。

意外なことに、多くの生徒は、ポケモンをゲームボーイで子供の頃遊んだ経験があると言う。だから、このポケモンGOには少なからず興味を持っていたが、やらないと多くの生徒が答えた。さすがは国費生なのだが、我々異教徒が思っている以上に、イスラム教徒は自由度が高い。もし、地元の友人がこっそりやっていたとしても、あえて咎めることはしないだろうと。

ただし、モスクなどの宗教施設などに、ポケモンが設定されていて、これをゲットしようと異教徒が来たりするのは、問題だとする。USホロコースト博物館のクレームや広島の平和公園の件など、様々な問題が起こっていることを紹介すると、基本的に出現場所を制限することに賛成だという生徒がほとんどだった。

話題のポケモン禁止とされたマレーシアの現場からの報告である。

イチロー3000本の偉業を祝す

http://www.j-cast.com/2015/12/11253034.html
イチローがついにMLB・3000本安打を達成した。日米通算の記録はなにかといろいろ言われるが、これは文句なしの記録。イチローのファンの一人として、大いに喜んでいる。

イチローが3塁打を打って、ふと顔が浮かんだのが仰木監督だったそうだ。その思い出話もイチローは語っている。20年前のある負けた試合で、イチローが帰りのバスで暗い表情をしていると「試合の勝ち負けは俺にまかせとけ。お前は二塁打1本打ったじゃないか。それでいいんだ。お前は自分のことだけを考えろ。」と言われたらしい。普通、その反対の言葉を吐くものだ。仰天し、その瞬間から、この人のためにやりたい、と思ったそうだ。

「どんな人間かを察知する能力が確実にあって、それに応じて選手を操る。心の掴み方っていくつかパターンがあるけれど、仰木監督はその型が無数にあるように見えた。それがマジックかもしれないですね。」

その仰木監督に、酒の力を借りてメジャー挑戦を打ち明け、了解してもらった故に今がある。イチローは、その師の恩を忘れていない。

師とあおぐ存在を持てる人間は幸せだ。師のため戦った人間は幸せだ。確かな道筋を行くことができる。師を持つ私は、改めてそう思うし、私もそういう存在に一歩でも近づきたいと思うのだった。

2016年8月6日土曜日

リオの入場行進を偶然見れた。

http://www.thestar.com.my/news/nation/2016/08/06/olympic-games-rio-opening-ceremony-kicks-off/
生徒の進学書類の翻訳作業が進んでいないので、今日は休日をおして出勤した。いつも土曜日も出勤しておられるF先生が10時くらいに行かれるとのことで、私も時間を合わすため、ひさしぶりにTVをつけたら、偶然リオ・オリンピックの開会式の入場行進の中継をやっていた。

実は私は、この入場行進が大好きである。地理の教師でもあるから、国名や国旗には詳しいので、全部とはいかないまでもほぼ何処にあるか、どんな国かは答うことができる…と思う。(笑)マレーシアのチャンネル2であったが、中継はポルトガル語だったように思う。で、意外だったのが、アルファベット順のようで、アルファベット順でないのだ。そのココロは、ポルトガル語表記によるものだったかららしい。だから、日本よりアメリカが先だったのだ。日本はいつもどおりジャマイカの後、ヨルダンの前だったが…。

ところで、マレーシアの選手団もじっくり見た。マレーの民族衣装に身をまとっているが、華人やインド系の選手もいた。なかなか良い感じだった。生徒の話だと、バトミントンは強いらしい。是非メダルを取って、独立記念日が近いマレーシアを盛り上げて欲しいものだ。実は、8月に入ってから、KLの道には国旗がかなり立っている。多民族国家だからこそ、こういうオリンピックのナショナリズム高揚も国民国家的な意味あいから大事なのだろうな、と思ったりするのだ.。(一応の)単一民族国家の日本のナショナリズムの高揚とは少し違うかも知れない。それを感じてみたいと思う。

よく考えると、前回のロンドンの時も開会式は見たが、その後イスラエルを旅していて、オリンピックの競技の放送はほとんど見ていない。柔道で前任校のOG、杉本美香女史の銀メダルの試合も結局見れなかった。今度はマレーシア在住である。うーん。柔道の中継とかあるんだろうか?そんな杞憂もある。NHK国際放送は、オール英語だし、海外の人々に日本を紹介することが多く、あんまりオリンピックの日本の活躍を流すというコンセプトはないと思う。

マレーシアの選手団を見て、その後のマラウイの選手団を見て、そろそろかなと立ち上がったのだが、ふと、ジンバブエで出会ったマラウイ人のことを思い出した。彼は、マラウイは貧乏なのでサッカーのナショナルチームも弱いんだという話をしてくれた。たしかにオリンピックもそんなに選手を出していないようだが、どうしてどうして、立派なもんじゃないかと、彼に言ってあげたいと思ったりする。途上国の人々も共に応援し、楽しめるオリンピックになりますように、なにより安全な大会になりますようにと祈りたい気分である。

2016年8月5日金曜日

IBTの話(27) 運動会へ向けて2

マラヤ大学のグランド
昼すぎから、運動会の行われるマラヤ大学のグランドへ関係の先生方と下見に行ってきた。最大の懸案は、トイレの位置の確認と綱引きの縄の確認であった。今日は、日差しも少し強めで、半分熱中症みたいになったのだった。オデコだけが熱い。もちろん、Yシャツにネクタイ姿だったのでこんな羽目になったのだが…。当日は当然Tシャツに帽子をかぶる予定だ。とにかく大汗をかいたのだった。マレーシアで日中ウロウロするのは、かなりの重労働である。

マレーシアでの初めての運動会。想定外のことが多い。今日の会議でわかったことだが、水を生徒全員に配るらしい。それも1人1.5リットル。それでも足りないのではないかと予備ももっていく。またランチがつく。当然ハラルのマレー系のお弁当らしい。これにバナナが1本つくのだが、そのバナナの手配も大変である。300本弱の”青くない(食べごろの)”バナナ。(笑)バスの手配も大変で、計6台になるようだ。マレー系の男子生徒は、運動会の後、金曜日なので、そのままモスクに向かうことになっている。

いやあ、日本にいては絶対経験できない運動会になりそうだ。

2016年8月3日水曜日

IBTの話(26) 運動会へ向けて

8月中旬の運動会に向けて、すでに準備が着々と進んでいる。私は本部的な仕事をすることになっている。まあ、これまで体育祭などのイベントにはいやというほど関わってきたので、何の問題もないのだけれど、IBTの「運動会」(どうもこの呼び方に慣れない。笑)は、生徒の本分が明確なだけに、こういうイベントに対して十分な準備のための時間が取れないことがネックだ。

今日はそんな状況下で、生徒が準備する唯一の機会となった。8つに分けたチームで団長や役員やエントリーを決めてもらう会議の日である。放課後、5時30分から6時30分までが制限時間である。なかなか大変である。チームは、あらかじめクラスや学年をバラバラにしてある。A先生の見事な配分なのだが、マレー系の女子生徒の数、男女比などをきっちりとわけてある。なかなか大変だったと思う。ボール運びという競技の際は、マレー系女子→華人系女子→華人系男子→マレー系男子というふうに、マレー系の男女が隣り合わないように配慮しているのである。イスラムの男女分離の原則を守っているからだ。このあたり、マレーシアの運動会らしいところだ。

とにもかくにも、各チーム(団)の団長が決まり、職員室で団の色を抽選で引いてもらった。前任校の団抽選会とは比べ物にならないが、それでもみんな楽しそうである。宿題に毎日責められて、勉強・勉強の毎日。たまにはこういう息抜きがあってもいい。

ところで、今朝、今回の総括・渉外の主担のK先生がKLの日本人学校から、長縄を借りてきていただいた。女子生徒の縄跳び競技のためである。授業中に、こそっと本部の係3人で、IBTのものと比べ長さを確認、調節した。こういう隠れた仕事はいいなあ、と思う。今日の画像は、各団の会議の様子も撮影したのだが、結局生徒の写っていない、その”長縄”になってしまった。(笑)

2016年8月2日火曜日

IBTの話(25) クルドとチェチェン

http://matome.naver.jp/odai/2138025309858983201
総合科目では、今週は国際関係、それも各地の紛争について語ることになる。
日本では話したくてもなかなか時間が取れなかったところだ。EJU(日本留学試験)では、十分範囲に入るのでしっかりと教えておきたい。
ケベック州の独立問題、北アイルランド問題、ベルギーの言語の問題、バスク人の独立問題(カタルーニャの話もプラスする。)そして、クルド人問題、チェチェン紛争…。

クルド問題もチェチェンの問題も、今のシリア内戦と深く関わってくるので、歴史的背景も含めて、じっくりと講じてみた。クルド人の問題は、やはりオスマントルコ崩壊後のイスラムの共同体の崩壊=カリフの不在が、やはり大きな影を落としている。英仏にいいように分割されて、ある意味最大の被害者かもしれない。チェチェンもまた、スターリンの被害者だと言える。山岳民族が強いことは、中世以来のスイスの傭兵の話(今なお、バチカンの警備はスイス人だ。)、あるいはネパールのグルカ兵(マレーシアの警備担当者はマレー人かネパール人と法律で決まっているらしい。)などで実証済みである。チェチェンも強いわけだ。しかも「血の掟」をもっている。そんな話をしながら、政府軍・反政府軍・ISの三つ巴に、米英仏露土とシーア派のイラン・イラクを入れて、大まかにシリア内戦の構図を描いてみた。(ISの詳しい話は、またあとでする予定にしている。)

目を輝かせて聞いている生徒が多い。その多くは国際関係の大学に進学を希望している生徒たちである。おそらく、全く初めて聞くシリア内戦の「解説」なのだと思う。彼らにとって私は「池上彰」(どっちかというと、露出度の多い今の池上彰ではなく、昔NHKで”週刊・こどもニュース”をやっていたころの池上彰)である。(笑)

今日の最後は、両クラスとも、ルワンダのジェノサイド話をしていた。ツチとフツの話である。ここは、ベルギーによって植民地支配のために、少数派として作られたツチという民族が、多数派のフツ(ツチとほとんど変わらない)を支配する構造が作られた。南アのアパルトヘイトも、支配者のイギリスが、少数派白人のオランダ系のアフリカーナに多数派の黒人を支配させた。これがアパルトヘイトである。現在のシリア内戦もフランスが、少数派のアラウィー派のアサド政権に多数派のスンニーを支配させる構図から始まった。こういう社会科学的な法則性のある「少数派を使った支配の構図」を発見することにも大きな意味があると思う。

2016年8月1日月曜日

IBTの話(24) 公民権運動

モントゴメリーの公民権運動の原点となったバス http://www.asahi.com/car/gllery/120302ford/16.html
8月1日である。8月の別名はいくつもあるのだが、1年中夏のマレーシアにあっては「壮月」くらいしか、フィットしないなぁなどと考えている。日本では夏休みなのだろうが、こっちは全くフツーの授業日である。(笑)

今日は人種差別について、公民権運動やアパルトヘイトについて語っていた。マレーシアでは、こういうコトはあまり教えていないらしい。みんな興味深く聞いてくれたのだった。

私は、一時アメリカの研究に取り組んでいた。公民権運動についても、だいぶ調べた上で、南部へ公民権運動の足跡を探る旅を計画していたこともある。ただ、夏休みにしか行けないし、この時期はハリケーンが来る可能性が高いというリスクもあって、結局行っていない。このハリケーン恐怖症は、8月のちょうど今頃、サウスダコタ州のモーテルでTVの気象情報専門チャンネルを見ていて、刻々と報告される南部のえげつない風雨の様子が脳裏に染み付いているためだ。とはいえ、やはり行ってみたいという思いは消えない。バス・ボイコット事件の起こったアラバマ州・モントゴメリー。今も、黒人差別は時々全米を揺るがしている。公民権運動の原点の街…。そこの空気を吸ってみたいと思うのだ。

よく考えてみると、南アのアパルトヘイトはかなり世界的に批判されたが、アメリカの公民権運動以前の状況と比べてみてもあまり変わらない。公民権運動とアパルトヘイト、両者を講じて生徒も強くそれを感じたようだ。

壮月。まだまだ草花が盛んに生える月という意味だそうだ。この1ヶ月、総合科目の範囲をどどどっと進んでいこうと思う。EJU(日本留学生試験)本番まで2ヶ月半。