2016年6月1日水曜日

6月突入。ゴミの分別回収開始。

6月に突入した。といっても、マレーシアはただ暑いだけなので、気候に関しては全く変化がない。(笑)しかし、もうじきラマダンに突入する。イスラエルで、ラマダンの時期を少しだけ覗いたけれど、アラブの人は少数だったし、状況はよくわからなかった。今回はまるまるラマダンを隣で経験することになるわけだ。

ところで、6月からKLでは、ゴミの分別が始まると聞いている。今までは、なんでもかんでもスーパーのプラスチック・バックに入れてOKだったが、「紙類」「プラスチック類(ペットボトル含む)」「缶・ビン・金属類」と3種類になったようである。「なったようである。」と言うのは、日本ならこのような時、全家庭にそういうパンフレットのようなものが配布されるのが常だが、こっちでは、なーんにもなし。うーん、ホントに実施するのかなあという感じである。南国新聞には、違反した場合の罰金の額は書いてあったけれど、反対に言えば南国新聞を読んでいなかったら知らないかった、ということになる。TVや新聞などでキャンペーンをしたのかなあ?マレーシアのガバナンスは、まだまだ、というのが、今回のゴミ分別に関しての私の感想である。

そんなわけで、わが住処にも画像のようなゴミ捨て場がちょうど、B棟の入口付近に出現。おそらく各階にも、こういうゴミ捨て場ができるのではないか?と考えている。でないと清掃スタッフが大変である。日本人は、ついつい、こういうことを考えてしまうのである。

2016年5月29日日曜日

殊更に健康であろうと思う日々

プールサイドからB棟を望む
マレーシアに来て、早2ヶ月になろうとしている。いろいろなことがあったけれど、私は殊更に健康であろうとしている。と、いうのも、元気でなければ危険なのだ。

こちらでは、信号や横断歩道が少ないし、交通ルールは、自分の責任で行け。という感じ。歩行者優先などという原則はない。従って、道の横断ひとつにとっても集中力が必要なのだ。バスも運転はそこそこ荒い。乗客も多少バスが動いていても、バス停に着いたら飛び降りる人も多い。気をつけないとエライことになりそうだ。老人や妊婦さんなどに若者は席を譲るし、性格は優しいのだが、そういう自己責任を全うするということについては、当然の”掟”のような感じなのである。

また、こちらでは、わりと肥満体型の人々が多い。おそらく、町中にあふれるジュースを多飲しているのではないか?と私は推測している。私はできるだけ水を飲むようにしている。これは多分に経済的な要因もあるのだが。(笑)マレー系の料理は、だいたい辛いので、甘めのジュースとよく合う。中華系も辛いものがあるし、インド系もそうだ。日本と違い、食事と水分は別料金なので、好きな飲料をみんな買うのである。私は住処のフードコートでは、中国茶(RM0.7ほど)を頼むことが多い。冷たくて、これがお粥に良く合うので重宝している。だが、ジュースを注文している客の方が多い。でもこれが、ホント美味しいのだ。気持ちはわかる。

私は、糖尿病患者ではあるが、このところ快方(一般人なみ)に向かっているヒトである。(枚方のお医者さんの言)もちろん毎日薬を欠かしていない。先日も莫大な量の飲み薬を持って帰ってきた。私の想いとしては、このような薬を飲まないでいいような健康体になることなのである。そんな私にとって、すぐ汗をかく気候や、腹八分目の外食生活は意外に効果的なのかもしれない。まだまだだが、体重も減ってきている。今日はジーンズ用のバンドを少し短く切った。着実にウエスト・サイズも変化しているのである。

と、言うわけで、今日も少しプールに入った。ひたすら歩いて、時に泳ぐといった感じ。日曜日の運動不足を補うためのプールなのである。一人でプールというのもつまらないもので、早く妻と楽しみたいのだが、まあ仕方がない。とにかく健康であらねば、と殊更に思う毎日である。

平和主義者・オバマ氏の折り鶴

http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/28/sobama-origami-crane_n_10176516.html
オバマ氏が、原爆資料館に折り鶴を置いていった、というニュースが流れた。

G7本番では、我が国の首相は随分と評価を落としたようだ。結局消費税引き上げ回避のために、G7を議長国として深刻な経済危機だと訴え、国際会議を利用したのではないかという憶測が世界を駆け巡った。英国のキャメロン首相などボロクソだ。うーん、たしかにそういうふうに取られても仕方ないよなあ、と私も思ってしまう。策士、策に溺れるという感じ。日本の外交センスのなさが、またまた光ったわけだ。

それに対して、やはりオバマ大統領は格が違う。ヒロシマでの演説の全文を読んでも、明確な謝罪の言葉はなかった。私はアメリカの国益を体現する公人として当然だと思う。もし、謝罪すれば、大変な問題に発展しただろう。(これだけ抑えた表現でも、米国内では謝罪したと批判するむきもあるのだ。)

今回の、折り鶴を作って、資料館に寄贈したという話は、謝罪はしなかったものの極めて効果的なアクションであったと私は思うのだ。
http://www.asahi.com/articles/ASJ5X4TBKJ5XPTIL00Q.html?ref=nmail

広島の折り鶴の話は、アメリカでも有名で小学生のテキストなどに登場するらしい。(原爆投下を指示したトルーマン大統領の孫のジャーナリストの話にも出てくる。)アメリカ国内向けにも、平和主義者としてのスタンスをさらに明確にした、という意味で大いに有効だ。来年の大統領退任後、平和主義者・オバマ元大統領として歩む道が、さらに拓かれたと私は思う。(環境問題のゴア元副大統領どころではない。)
<トルーマン大統領の孫のジャーナリストの話>
http://www.asahi.com/articles/ASJ5W35VKJ5WUHBI00M.html

折り鶴を折るというのは、被爆者(それは日本人のみならず、朝鮮の人々も捕虜だった連合国の人々も含めて)の痛みを共有しているという、最もわかりやすいアクションだったからだ。もちろん、日本人への心情的な訴えかけは最大の効果を生んでいると言える。折り鶴は、日本の国是・平和の象徴的アイテムであるからである。それを大統領本人が「手伝ってもらいながらも」自分で折ったというのである。この説明、日本人的には極めて有効なのだ。手伝ってもらったと正直に述べているところが好感度をさらにUPさせる。日本人は鶴の折り方を熟知している。そんな簡単に折れるとは思っていない。だからこそ折ろうと奮闘している大統領の姿は容易に想像できる。日本人はこういうアクションに弱い。

さすがは、最大の効果を常に考え、常に最大の結果を求める”アメリカ”を体現する人物である。と、冷静に分析しつつも、私自身、なんか嬉しい。オバマ大統領の引退後の活躍にも大いに期待したいと思うのだ。

私の新しい住処 タマンデサ8

中国系の文房具屋さん 品揃えは豊富
先日ちょっとエントリーしたが、「クルアーンを読む」(中田考・橋爪大三郎/太田出版)は、実に面白い。だいたいバスを待つ時間や車中で読んでいるのだが、最近は中華粥を食べる時もフードコートまで持っていって、その待ち時間を惜しんで読むことも多くなった。しかし面白いといっても、基本的には学術書なので、重要な箇所には線を引いておきたいと思う。さらに重要な箇所はノートにまとめておきたいとも思う。ところが、線を引きたいと思った時に赤や青のペンがなかったりするものだ。探してみたが、土日の休日の我が住処には、黒のボールペンしかなかった。

ちょうどいい、散歩がてら、近くの文房具屋らしき店を探検に行こうと思ったのだ。

できれば、3色ボールペンみたいな方が嵩張らなくて好きなのだが、置いてあるモノは、どうもチャチな感じがする。ふとカウンターを見るとPILOTの文字が燦然と輝いている。やはり、日本製は別格らしい。分けて売っているのだ。で、結局赤と青のPILOTボールペンを買ったのだった。うーん、書きやすい。日本にいると全く考えが及ばないが、こうして外国で暮らしてみると、日本製の品質の良さ、信用の高さは群を抜いているということが、いやというほどわかる。(だからちょっと値段は高いけど…。)そう、たかだかボールペンと言うなかれ、である。

文房具屋の近くに日本食のレストランがある。当然、敷居(価格)が高いので入ったことはない。工業製品と、日本食レストランは同列に論ずることはできない、と大阪人の私は思っている。(これまでの経験上、海外の日本食レストランは極めて、ハズレの確率が高い。笑)

この店は、アタリかハズレかわからないけど…。一度くらい、妻が来たら、シャレで行ってみようかなと思う。

2016年5月28日土曜日

KLのイスラム美術館に行く。

Islamic Arts Museum Malaysia
私がクアラルンプールで、最も行きたいと思い続けていたところ、それは、レイク・ガーデンにあるイスラム美術館(Islamic Arts Museum Malaysia)である。実は、タマンデサからは、そんなに遠くではない。いつもの650番のバスで、KLセントラル駅まで行く。これまでに3度行ったので全く問題ない。(笑)その後、駅でKTMコミューターという鉄道公社が運営する近郊電車に乗り換える。これで、ひとつ向こうのクアラルンプール駅まで行き、そこから北西に徒歩10分である。(要するにミッドバレー駅から2駅なのである。複路はランチと買い物があったので直接ミッドバレーに戻ってきた。)
歴史のあるクアラルンプール駅・今はセントラル駅に多くの役割を譲っている。
ところが、これがなかなか大変だったのだ。クアラルンプール駅は、歴史のある駅で、だだっ広い。詳しい行き先看板など皆無なので、結局出るところを間違った。他の人について行って、レイク・ガーデン内には入れたものの、完全に迷ったのだった。(またまた、グーグルマップも役に立たなかった。笑)掃除のおじさんや屋台のお店の人に教えてもらい、なんとか国立モスクまでにたどり着いた。美術館はその近くだという。この辺は、いつもながらのマレーシアの人々・バンサイである。
美術館の窓から撮影した国立モスク
国立モスクはクアラルンプールの観光名所の1つらしく、外国人観光客らしき人々がウロウロしている。異教徒でもモスク内に入れるみたいであった。ただし、ムスリムの衣装を身につけて、というシステムである。昔々、NYでシナゴーグに入るのに共用のキッパを被らされたようなものである。(但し文字通り、大袈裟であることは間違いない。)さすがは、国立のモスクである。今日は、あくまでイスラム美術館に行くことが目的なので、モスク入場は次回(おそらく妻とともに…。)に回すことにした。
文字どうり、大袈裟・紫色のイスラムの服装で入場するみたいだ
イスラム美術館も、いかにも、といった外国人観光客が多かった。つまりは白人の人々である。館内は広々としていて気持ちがいい。展示も期待どうり素晴らしいものばかりだった。イスラムに集約された美術館であるから、当然、見ごたえのある素晴らしく美しいコーランがどどど~と展示されていた。ユダヤ系のトーラーもそうだが、こういう宗教書に投入された人間のチカラというか、その熱意が半端ではない。まさに圧倒的迫力である。
世界各地のモスクの模型展示から
わかりやすい展示だったのが、世界の代表的なモスクの模型群である。これは、もう理屈抜きに素晴しい。イスラエル博物館に、世界のシナゴーグの展示があったが、同様のものである。こういう展示、子供にも面白いようで、小さな子供たちが走り回っていた。岩のドームがあるのは当然として、マリのジュンネのモスクがあったりして…。こういう模型というのは、童心に帰って、なんか嬉しくなるのである。

さらに、イスラム文化の展示もなかなか見応えがあった。中国の回族が注文したのか、創ったのかわからないけれど、アラビックが描かれたチャイナ(陶磁器)を初めて見た。これはレアだと思う。イスラムの世界地図は当然メッカが世界の中心であるのだが、南が上で、北が下に描かれていた。有名なTO図に似ているけれど非なるものである。イスラムのタイルの設計図も凄い。(上の画像)幾何学文様の妙である。

ホント、なかなか見ごたえのある美術館であった。(興味のある方には超オススメ。)復路は、次回のために、慎重にクアラルンプール駅からの徒歩・最短コースを確認しながら帰ったのであった。(笑)

「アジア45カ国の国民性」書評Ⅲ

http://www.afpbb.com/articles/-/2871017
さらに、「アジア45カ国の国民性」書評の続きをエントリーしておきたい。

レバノンとくれば、キリスト教のマロン派となるのだが、国が公式に認めた宗派は18もあるらしい。「生きた宗教の歴史博物館」という別名があるくらいである。この宗教のバランスをとることは、政治のポストからサッカー・ナショナルチームの交代に至るまで複雑にからみあうとのこと。

イランには暦が3種類ある。イラン独自の太陽ヒジュラ歴。これは、ゾロアスター教の暦がベースで、新年の祭りなどイラン古来の季節的行事などに使われる。もうひとつは、イスラム圏共通の太陰ヒジュラ暦、それに西暦である。礼拝は、スンニ派の5回に対して、イランでは3回と回数は異なる。ラマダンも熱心に行われる。この期間中は、テレビなどでも食事のシーンや食べ物を映さない。人気の日本のアニメ・アンパンマンもモザイクがかかるそうだ。

クルディスタン、クルド人の住むイラク北部の自治区には姿のロバの銅像がある。(今日の画像参照)日頃のロバの貢献を称えたものだという。それくらい交通の便が悪いということらしい。

アルメニアには、とうふでできた教会、いやトゥフという火山灰が固まった石材で教会が建てられている。当然、アルメニア正教だが、ローマ帝国より早く国教化している由緒正しきキリスト教国である。アルメニアは、アゼルバイジャンとの紛争を抱えている。首都エレバンのコニャック工場には、この紛争が解決した際に開封することが予定された「平和の樽」があるらしい。

アゼルバイジャンは古くから石油で有名な国だ。19世紀末、ダイナマイトを発明したノーベルの兄が油田を開発、カスピ海で世界初のタンカーを運行させた。その名もゾロアスター号という。

ジョージア(グルジア)とくれば、スターリンの出身地だが、大粛清を進めた秘密警察のベリヤもここの出身。ちなみに、「風の谷のナウシカ」の住人の服装はここの民族衣装にそっくりだそうだ。

ロシア連邦南部のカルムイク共和国は、モンゴル系の国で、チベット仏教の寺院が並んでいるらしい。レーニンの曽祖父はカルムイク人だったとか。

タジキスタンでは、2009年男性教師のヒゲを禁じた。タリバンは、全員ヒゲを伸ばしているからだ。そういう進行熱心なムスリムを取り締まるためらしい。ちなみに隣国ウズベキスタンでは、ヒゲは即逮捕だったとか。

アジアは実に面白いのである。

2016年5月27日金曜日

LIVE オバマ大統領の広島を見る。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016052790181843.html
日本人会のロビーには、南国新聞が置いてある。久しぶりに読みたくなったので寄ってみた。すると、ロビーの片隅に古本が置いてあって、その代金を熊本の地震の被災者の方々に贈るのだという。何かないかな、と見てみたら、なんと内田樹先生の「日本辺境論」がRM3の値札がついて置いてあった。そもそも読んでみたかった本だし、喜んでRM3を募金箱に入れたのだった。で、戻ろうとしたら、TVをじっと見ている人々がいる。NHKの日本語放送(要するに本物)だった。

オバマ大統領がサミットを終えて、広島を訪問し、ちょうど被爆者のご老人と話しているところだった。もちろん何を語っているかはわからない。だが、何度もご老人と抱き合ったり、握手している。

日本人として、まさに歴史的な瞬間である。米国大統領が原爆を落とした地に立ち、少なくとも被災者と同じような感情を共有するというシチュエーションを、偶然私は、目にしたわけだ。しかもマレーシアという異国の地でである。

国際政治上のパフォーマンスだ、プラハから広島まで7年、今やレイムダックのオバマ大統領にとってのシナリオ完成、というクールな見方も私は所有しているが、実際のところ、この映像を見ていて感動した。こういうパフォーマンスが出来てこそ、米国大統領なのであろう。

政治家は、公人である。オバマ氏個人がどういう考えを持っていようと、米国の国益がまず優先されるはずだ。実際、岩国の米軍基地に着いて、かの地の兵士を激励している。三軍・海兵隊も入れて四軍の長たる大統領もまたオバマ本人なわけである。

メディアはいろいろ言うんだろうなあ。だが、どうあれ、現役の米国大統領・ノーベル平和賞受賞者のオバマ氏が広島に来た。原爆資料館も早足だけど入館し、平和公園に立ち、献花し、被爆者のご老人をハグして慰めた。そのココロの推測など、どうでもいいではないか。その現実を良しと私はしたい。