2013年9月7日土曜日

ジェッソを買いに行く。

我がクラスの模擬店での装飾で、大小二つの招き猫をつくることになっている。大は屋根の上に。小は店の前に。担当の生徒が、現在様々な工夫をしながら「張りぼて」を作っている。特に、屋根の上に置く大の招き猫は重量が問題になるので大変だ。

招き猫の張りぼては、最後の彩色が特に重要。絵具をいかにうまくのせるか?重要な問題である。そこで、私はジェッソを購入することにした。ジェッソというのは、アクリル絵の具の下塗り材である。紙だけでなく、コンクリートや布などあらゆるものに絵具(もちろん相性がいいのはアクリル絵具だが…)がのるようになるスグレモノである。

生徒に探させたのだが、普通科の生徒は画材店との関わりがない。仕方ないので、私が今日購入したのだった。画材店はいい。高校時代はデザインをやっていたので、なつかしい。なんか創作意欲が湧いてくる。

小招き猫製作中
この招き猫。昔工業高校に勤務している頃作ったことがある。電気科の3年の悪童どもが、私の所に来て、「先生、有志で模擬店をやりたいので顧問になってください。誰も引き受けてくれません。」と泣きついてきたのだ。たしかに危ないメンバーだった。カラアゲの店をやりたいと言う。仕方なしに引き受けたのだが、なんとなく招き猫でもつくって、悪童どもを喜ばしてやりたくなった。使われなくなったバレーボールなんかを土台に紙ねんどをはりつけて、ジェッソを塗り、かなりリアルなものを作ったのだった。悪童どもは大いに喜んでくれた。当日は人が変わったように懸命に模擬店を頑張ったのだった。(笑)

さてさて、我がクラスには美術の心得がある生徒も多い。どんな招き猫が出来あがるか楽しみである。

2013年9月6日金曜日

模擬店は「海の家」 その3

屋根の組み立て実験中の男子
今週は、水曜日から3日連続で午後は団活動であった。今日は体育祭の団対抗の「棒引き」「綱引き」の予選があった。4団ずつでまず1位から4位を決定し、体育祭当日にそれぞれの1位対1位で8団全体の優勝と2位という感じで順位が決定するわけだ。我が青団は、棒引きは3位(当日は勝てば5位、負ければ6位)だったが、綱引きは1位(当日優勝か2位)を取った。なかなか盛り上がったのだった。

ところで、今日のエントリーは、朝のSHRでの事である。昨日も6時くらいまで我がクラスの生徒は、店の看板やサーフィンボード、大・小の招き猫など様々な製作をしていたのだ。6時の段階で、とりあえず教室に全てを押しこんで下校した。朝のSHRの段階では、授業に支障がないように言っておいた。ところが、黒板の前にサーフィンボードが置いてあったり、発泡スチロールの切り抜きが机上にあったりであった。いつも通り、クラス代表のO君に「たのむわ。」と私が言う。「起立」とO君が声を出す。毎日の始まりだ。「顔と体。」と私が言う。皆が私に注目し、「礼」となるのだが…。

今朝は、全員が集中したままで私はこう言ったのだ。「この状態で礼ができるのかぁ。」

一瞬クラス全員の顔色が変わった。「この後始末は誰がするんや。いつも自分の出来ることを見つけてやっていくようにと言うとるやないか。さあ、どうする?」と、怒鳴るでもなく言ったら、ドドドッと皆が駆け寄ってきて、様々なものを片づけだした。その眼差しは真剣だった。野球部の生徒も、剣道部の生徒も争って後ろの席から走って片づける。もちろん、ダンス部の女子も、部活をやっていない女子も、今自分ができることを一瞬で考えて動いたのだ。

嬉しかった。もちろんちゃんと片づけてあったほうがいいのだが、一瞬の生徒とのやりとりは、我がクラスが1つにまとまった重要な儀式であったような気がする。

今日の6限も誰一人遊んでいる生徒はいない。生き生きと自分の仕事を探してやってくれていた。放課後は部活で頑張る生徒も多いのだが、6時前には、どんどん集まってきて、掃除をしてくれていた。嬉しいなあ。担任はいいなあ。と改めて思うのである。

2013年9月5日木曜日

小松基地の航空祭ツアー予約

毎日気ばかり忙しい日々が続いている。歳をとったなあと思う日々である。今日も6時すぎまで、文化祭の準備で生徒に付き合っていた。今年は模擬店だし、大金を預かっているので机に鍵をかけている。机の鍵も自転車の鍵も自家用車の鍵も、自宅の鍵や社会科準備室の鍵もいっしょくたにしている私は、今日駅近くの駐輪場まで戻った時点で気がついた。ありゃ?鍵がない。結局もう一度学校に戻ったのだった。見えない疲れが、体を覆っているような感じである。ストレスかなあ。

ところで今夏は、体調不良の日々でほんと、何処にも行かなかった。(京都の「八重の桜展」くらい。)妻も同様で、どこか行きたいなあ、行きたいなあとぼやいていた。先日、妻が新聞の折り込みチラシに、小松基地の航空祭ツアーが小さく載っているのを見つけて、速攻でメールしてきた。「行ける?」「行ける。」では、と秒殺である。ブルーインパルスが来るらしい。「申し込んだで。」「おお~。」

文化祭が終わった後、北海道修学旅行が控えている。多忙な日々が続くのだが、その合間に大きな楽しみができた。うふふ。で、ある。

2013年9月4日水曜日

日本人に贈る聖書物語Ⅶ・Ⅷ

世界史Bで、フランク王国の話をしている。西ローマ帝国がゲルマン民族の大移動以後、まるで日本の室町幕府のように消えていくのだが、その後ローマ人はキリスト教を基盤に、ゲルマンの中にローマ文化を融合していくわけだ。その中核となるフランク王国がそれまでのアリウス派を捨てて、アタナシウス派に改宗したことが大きい。

このアリウス派は、イエスを神の被造物としている。アタナシウス派は、神とイエスと聖霊を同位とする三位一体をその教義の根本にしているのだが、この辺、ブディストである私にはなかなか理解しがたい。先日読み終えた「日本人に贈る聖書ものがたりⅦ・Ⅷ」で少しだけ理解できたような気がする。

なかでも理解しがたいのが「聖霊」という概念だ。イエスが様々な奇跡を起こしたのは、神と同位だから出来たとも言えるし、聖霊が奇跡を起こしたともいえる。聖霊が降りたとして有名なものは、ペンテコステと呼ばれるペテロの説教の時に起こった異言である。会衆が、当然しゃべれるわけがない様々な言語で語り出したという話だ。パウロも同様の会衆の異言を体験している。生徒への説明ではかなり有効だと思う。

日本人に贈る聖書物語では、ユダヤ人が何故異邦人のキリスト教徒の迫害を受けることになったのかについても、きちんと説明している。ユダヤ人のキリスト教徒は、他の地域に住むユダヤ人や異邦人に対してかなり寛容だったが、異邦人のキリスト教徒はユダヤ教徒に不寛容だったというのが結論である。なるほどと、膝をうつ場面が数多くあった。

いずれにせよ、8巻にもおよぶこの本、なかなかのお勧めである。

2013年9月3日火曜日

9日夜のEテレに教え子登場。

アメリカ研修旅行 姉妹校から秋のアイオワの風景
Eテレの「あしたをつかめ」という番組に私の前任校の教え子(3年間担任をしたOG)のY君が登場することになった。前々からお母さんのメールで知っていたのだが、いよいよWEBでも予告編が出て、楽しみにしている。

Y君は3年間女子バスケット部で頑張った子だ。1年生の校内球技大会。バスケットではなく、ドッジボールに出場したので、何故?と聞いたら、中学校の球技大会で悪口雑言を浴びて、もうコリゴリだと言うのだ。ところが、実際に試合を見てみると、みんなの温かい応援が凄いことを知る。この高校では素直に自分を出していいのだということを彼女は学んだようで、以後2年も3年もバスケットで出場した。そんな事を思い出す。当時のバスケット部は、K先生という体育館に立つと君子豹変すといった監督の熱心な指導が行われていた。私も顧問だったので、時々見に行ったが、K先生は、Y君には全く遠慮がない指導を入れていた。Y君は、本当にバスケットが好きで、いくら罵倒してもついてくるからだったのだろう。同様の仲間もいて、進学校だったが、なかなか強かった。その仲間も番組に登場するらしい。

Y君の思い出はたくさんある。彼女は今ツアーを企画する観光業についているらしいので、アメリカ研修旅行のことを1つだけ挙げておこうかなと思う。アイオワ州デモインから、R80をシカゴに向かってバスで移動した。ミシシッピの上流を通過してから、現地ガイドさんに、アメリカのトラック運転手にバスの窓から、右手を上下してフォンを鳴らすように依頼するという事を教えてもらった。運転手が、そのアクションを認識したら、良い人なら、フォンを鳴らして答えてくれるのだという。生徒たちは、並走するトラックの横で、懸命に右手を上下してフォンを鳴らしてくれるように祈った。何度かフォンが鳴らされて、みんなで大喜びしたのを思い出す。このアクションに大いに燃えたのがY君だった。その笑顔を私は忘れない。

<本日より来週の9日月曜までの限定WEBページ>
http://www.nhk.or.jp/ashitsuka/

2013年9月2日月曜日

「腰ぬけ愛国談義」を読む 2

九六式艦上戦闘機
宮崎駿監督が引退するとの報道が流れた。もう長編アニメ-ションは作らないらしい。半藤氏との対談集「腰ぬけ愛国談義」を読んでいると、何故だか、やっぱりそうかという気がする。

この本の中には、戦闘機や軍艦の話も出てくる。宮崎駿氏は私同様戦争自体は大嫌いだが、軍事マニアであることは間違いない。戦闘機や軍艦は、不思議な美しさを持っている。宮崎駿氏は、零式より九六式艦上戦闘機が一番綺麗だと述べている。(P62)紫電改の話も出てくる。この20ミリ機銃はよく筒内爆発した話だ。(P74)

紫電改
私自身は、ちばてつやの漫画の影響もあって、九六式や零式などより、4枚プロペラの紫電改が最も美しいと思うのだが…。

ところで、この本の中では隅田川など東京の河川の話も出てくる。その歴史を描く短編アニメーションを宮崎駿監督は作りたいらしい。(商業映画としての)長編アニメはもう作らないと言っているが、短編のアニメも作らないとは言っていないようだ。「風立ちぬ」を私はまだ見ていない。久しぶりに(ウン十年ぶりに)映画館に足を運ぼうかなと思ってしまう。そんな宮崎駿監督引退のニュースだった。

2013年9月1日日曜日

ジンバブエのディズニーランド

ジンバブエのハイパーインフレ時の超高額紙幣
NewsweelのWEBページによると、先日ジンバブエとザンビアの共同開催の国連観光機関総会でジンバブエ政府は、ビクトリアの滝の近くに「ディズニーランド」のような欧米的テーマパークを建設すると大風呂敷を広げたらしい。総会自体は、両国共催ということだから、当然ビクトリアの滝をはさんで開催されたに違いない。ビクトリアの滝は両国の国境となっているからだ。

「人よし・気候よし・治安よし」だった頃のジンバブエの遺産が、ビクトリア湖の観光資源である。今でも多くの観光客が訪れる。空港も近くにあるし、ホテルも完備している。ここだけは、現在の失敗国家ジンバブエらしからぬ場所であるそうだ。(ザンビアの方は、観光産業においては、様々な国立公園構想を推進しているものの、ジンバブエよりは完全に出遅れている。)

多くの欧米諸国の観光関係者は、ジンバブエのこの構想を白眼視している。まあ、当然である。今や、ムガベ大統領=ジンバブエである。国自体が信用できないので、成功するはずがなかろうという気分が蔓延している。どうも投資は呼び込めそうにないと私も思う。それほど評判が悪いのだ。

アフリカに旅をする人は、およそ2種類に大捌されると私は思う。非日常を求め、大自然の中で優雅に野生動物を見たいという、欧米の金持ち。さらにアフリカの国際協力に関わったり、超非日常の旅を求める人々。彼らは世界遺産や観光地が主目的ではない。どっちにせよ、観光客にとって欧米的なテーマパークはおよびでないのだ。

私は、このジンバブエの「ディズニーランド」構想、大統領の老害の賜物で、全く非現実的だと思う。そんなことにカネを使うべきではない。ジンバブエでは、そのカネを使うべき課題は山ほどあると思うのだ。
<Newsweekの記事>
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/08/post-3026.php