2011年4月6日水曜日

放出の喫茶店を渡り歩く

これまでの行きつけの京橋の喫茶店
転勤による生活の変化は、学校のことだけではない。通勤経路は、かなり短くなった。これまで6時前に起きて6:30くらいの電車に乗っていたのだが、そもそも早い電車に乗っていたのは、座って読書するためだった。それからモーニングに寄って、地下鉄に乗り換えると前任校には7:50くらいに着く。ちょっとした仕事の準備が出来る時間帯なのでちょうど良い。
自宅の最寄駅から本校最寄駅の放出(HANATENと読む)駅まで区間快速では、25分。これでは、あまりに早く着いてしまう。妻もゆっくり寝たらと言うので7:00くらいの電車で行くことにした。ところが、この時間帯になると座れない。まあ立っていても25分くらいなので問題はないのだが、ますますモーニングでもして、いっぺん座ってホッとしたくなる。学校まで15分くらい歩く必要があるから余計にそう思うのである。50を過ぎたおっさんの唯一の贅沢である。

今日発見した放出の喫茶店
本校初日、駅前の小さな喫茶店にモーニングしに入った。客は私一人だけで、陰気な感じの店だった。380円でトーストとゆでたまごは高い。これまでの京橋の行きつけの店は、同じメニューで350円だった。週に1回くらいは気分によってホットドッグにすると380円。しかもゆで卵の皮がうまく剥けない。これは致命的な問題である。うーん、と唸ったのだった。今日、この店に一応行くつもりで駅を降りたのだが、シャッターが下りていた。まさかつぶれたのではないと思うが…困った。もう少し行くと、新しい店を発見した。明るい雰囲気で、若い女の子が3人で接客している。「モーニングを。」と私が言うと、「パンはどれにしますか?」と聞かれた。「? トーストでいいよ。」と答えた後、良くメニューを見ると、トーストのほかに、サンドウィッチやロールパンなどもある。なるほど。しかもレーズントーストというのもあった。レーズントースト!なんと素晴らしい響きであろう。みんな同額であった。ただし、ゆで卵付きで400円。あちゃー。これは高い。しかし、彼女たちの明るい応対も値段のうちだろう。ミスタードーナツのマニュアル化された無茶苦茶丁寧な応対も悪くはないが、自然体で明るいほうが私は好きだ。(完全におっさんの理屈になっている。)
と、言うわけでこの店に当分通うことにした次第である。なんのこっちゃ。

さて、学校の方は着任した先生方(16人もおられた。)を代表して、僭越ながら職員会議で挨拶した。実は、再任用(定年を迎えられた先生方で、改めて任用される方式。給料は一気に低くなる。)の先生方を除くと、私が最高齢だとか。衝撃の事実である。もうアホはできんなあと思うのであった。

8日の始業式では、全校生徒の前でまた着任の挨拶をすることになった。うーん。授業はともかく、全校生徒となると、さすがの私も気が重い。

生徒会顧問としての初仕事は、特別活動部長のO先生と共に生徒会室でミーティングだった。みんな、なかなか元気である。楽しみだ。本校の執行部は変わっていて、生徒会の役職も定員もはっきり決まっていないらしい。会長は1人だが、後は適当に役職を決めて、チームとして役員選挙に臨むらしい。今は、会長1、副会長1、書記2、会計1、総務2という陣容だと説明を受けた。増えても減ってもいいらしい。やる気のある者に門戸を広く開く、なかなか面白いシステムである。

2011年4月5日火曜日

コートジボアールと関東軍

コートジボアールのPKO部隊
毎日新聞の夕刊によると、コートジボアールで、ついに旧宗主国の仏軍が軍事介入を開始したらしい。アメリカが主導権を握るのでは、という私の予想(4月2日付ブログ参照)は見事に外れてしまった。現地に駐留するPKFの任にあたっていた仏軍が4日、アビジャンの前大統領派の拠点を攻撃したもの。攻撃は現地のPKO部隊との共同作戦で「国連事務総長の要請に基づく地元住民や国連職員保護のための措置」だという。仏国防省筋によると、ヘリ4機で前大統領派の基地を攻撃したほか、装甲車や兵舎などを破壊したという。生々しい話である。

ブルキナでは、きっとアブさん(彼は長いことコートジボワールに居たらしい。)がIさんの「和が家」に新聞を持ってきて大騒ぎしているんじゃないか、と思う。ブルキナのTVもこの話でもちきりだろう。人心が動くと、危ない。ブルキナも治安は他国よりはるかに良いといっても脆弱な社会だからだ。F君、くれぐれも気をつけて。反対に貴重な空間にほりこまれている、ともいえる。よく観察しておいて欲しいと思う。

社会科準備室の私物
さて、今日は後輩のU先生の車と力を借りて、引っ越しをした。莫大な私の私物を前任校から本校へ運び出した。U先生はキャンプ用に自前のキャスターを持っていてまさに最高の引っ越しパートナーである。3階にある社会科準備室に2人で運んだが、さすがにくたびれたのであった。私の愛車には自宅に持って帰る本が100冊以上積み込まれていて、帰りの道では極めてハンドルが重かった。

関東軍の重大発表
コートジボアールの紛争解決の件は見事に予想が外れたが、大震災の原発事故への私の杞憂は見事にあたってしまった。(3月14日付ブログ参照)私は、こう書いた。『ただ、最悪の事態を常に想定した指示は必要だと思います。なんでもソフトランニングしていこうという日本的な責任の分散だけは、避けてほしい、と私は言いたい。』
自分で何とかすると言いながら、決死の職員の食事や寝場所、ガイガーカウンターさえ用意していない関東軍。関東軍の動きをつかめず、あやふやな説明を繰り返す参謀本部。これらを全くリードできない大本営。まさに責任の分散である。海に汚染水を流すというような世界中が注視する中での極めて重要な情報を、大本営でもなく、関東軍司令官でもなく、責任のない中堅の参謀が涙を流して発表するなど、グローバルスタンダードから見れば、全く考えられない。冷徹なマーケットは鉄槌を下した。関東軍の株価はストップ安で最安値を更新したという。当然である。大本営は、大政翼賛会を組織したいようだがうまくいかない。当然である。
なんという責任の分散。日本は、あの戦争からいったい何を学んだのだろうかと私は思ってしまう。

2011年4月4日月曜日

檄!教え子の友人 ブルキナ行

ワガの朝の喧噪
フランスにいるA君の友人、F君がブルキナへ旅立つというメールを今朝受け取った。パリ発の夜の飛行機だから、今頃機上の人かもしれない。ブルキナのIさんのコーディネートで、首都ワガドゥグで少し過ごしてから、10日間コムシルガというワガドゥグから30キロメートルのところにある村でステイし、小学校の様子や診療所の様子を直に体験するスタディツアー組んでもらったようである。彼はフランス語が堪能なので、通訳などをつけないということで格安のツアーになったようだ。
ところが、ワガドゥグの治安が悪化しているようなのである。外務省の最新のHPでは、次のようにある。
1.ブルキナファソにおいては、本年2月下旬以降、学生による抗議デモや軍関係者による破壊活動や威嚇発砲が各地で連続して発生しています。現地報道によれば、3月29日深夜から30日未明にかけて首都ワガドゥグ市で発生した軍による暴動では、治安当局、軍及び地方自治体の幹部自宅が襲撃され、負傷者も発生した模様です。今後も同様の事件が発生する可能性があり、十分な注意が必要です。なお、同30日夜に、午後9時から翌午前6時までの間の夜間外出禁止令が発出されています。
2.つきましては、ブルキナファソに渡航・滞在を予定されている方は、最新の治安情勢の入手に努めつつ、不測の事態に巻き込まれることのないよう、渡航の安全性を慎重に検討してください。また、滞在中の方は、デモや軍関係者による抗議行動等の実施が予定されている場所には決して近づかない、その他大勢の人が集まる場所にはなるべく近づかない等、自らの安全確保には十分な注意を払うとともに、万一、デモや軍の威嚇発砲等の現場に遭遇した場合は速やかに現場から離れてください。更に、状況が悪化する場合に備え、自宅や職場に一週間分程度の飲食物その他緊急用備品の備蓄をお勧めします。
まだまだ『注意喚起』にすぎない。他の国に比べれば、安全なのだが、それでも気をつけて欲しい。おそらく、ワガではIさんの『和が家』に滞在すると思う。1回くらいは、ガーナへ続く国道の屋台街まで連れていってもらうかもしれない。自転車で10分ほどかなあ。あの真っ暗なデコボコの夜道を私は死にそうになって運転した。(笑)排気ガスの中、ヤギの焼き肉を食べながらビールを飲み、国際協力を語り合った。子供達のインフォーマルセクター(物売り)が、のべつ幕なしにやってくる。でも、9時までに帰らないといけないんだ。ブルキナでも、軍はたしかに危険だ。従順なブルキナベも軍を極度に恐れている。十二分の注意を払って欲しい。我々は特に目に付く。若いからと無茶をしないように。
とはいえ、五体で五感でブルキナを感じてきて欲しい。きっとこれからの人生にとって貴重な体験になるはずだ。何を得るかは、F君次第である。

2011年4月3日日曜日

アフリカンモバイルの話 2

2月7日付のブログで、アフリカンモバイルの話を書いた。それに続く第二弾である。
今日のWEBニュースで、アフリカンモバイルが保健医療に利用されているという記事が出ていた。『モバイルヘルス』というシステムらしい。クリニックの予約サービスやHIVエイズの問題、緊急手術の手配など利用価値は極めて高い。非電化地域でのデータ管理も可能らしい。しかも患者1人あたりにかかる通信コストは約12円。凄いではないか。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2793829/7041722

アフリカンモバイルの利用価値は極めて高い。金融(銀行のかわり)、保健医療、農産物価格の情報源、生産性とくに流通の合理化…。アフリカの人々にとって、無限大のチカラとなるはずである。

ところで、このところ転勤のこともあって、OG達と会うことが多かった。学生である彼女たちの語る情報・通信の様々なアイテムの話に全くついて行けなかった。(笑)
私などは、PCのブログで発信するのみで、携帯はそもそも日常的にインターネットに繋いでいない。(基本的にもったいないと思っているからだが…)したがってツイッターやフェイスブックなどは別世界である。ただ携帯電話だけでも十分大きな可能性があることはわかる。大都会大阪では、電車の中でもみんな携帯をさわっている。ちょっと異常じゃないかと思うこともある。だが、モバイルは各人に無限大のチカラを与えているのだろう。

アフリカンモバイルにとって、なにより問題は識字率、とりわけ女性の成人識字率の向上である。モバイルヘルスを拡大するための障害は、患者がメールを読めるか否かである。日本にいると『識字率』は意識外にあるが、アフリカの現実はなかなかきびしい。
だが、私は、このモバイルヘルスのメールを読めるようになろう、という識字率克服の波が、やがてアフリカ、特に女性の間に起こってくるような気がするのである。

春の箏曲と毎日新聞社説

春の箏曲を聴いてきた。3月24日にわざわざ駆けつけてくれたS君との約束である。彼女たちOB・OG組は、13:00からの部で中島みゆきの「地上の星」を演奏してくれた。現役や今年のOGたちの演奏も見事だった。今年は震災の影響で、提灯もなく、高津の宮としても、寂しい桜フェスティバルになっていた。桜も満開とまではいっていなかった。とはいえ、なかなかいい時間を過ごせたと思う。ありがとう。演奏が終わった後「来年も絶対やりますから…」というS君に、「じゃあ、見に来るね。」と約束してしてしまった。きっと娘を持つ父親というのは、こういう気持ちなんだろうと思う。(笑)

さて、このところ、ブログで『G12で撮影』とかいうコメントを画像に入れている。魚眼風の写真もあったりするのだが、これは一眼レフではないが、ちょっと良いデジタルカメラ『Canon PowerShotG12』のことである。
今日の毎日新聞でついに「震災後の景気ー消費で日本を支えよう」という社説が載った。震災に対し、義捐金を捻出するのも重要だし、節電するのも重要だと思う。しかし、被災者のことを考えて我慢我慢と消費を押さえるのは、経済のダイナミズムを破壊する。このままいけば、経済は極めて縮小し、被災のための資金をつくれない。消費は美徳とまでは言わないが、消費を無理に押さえることは美徳でも何でもないと言えるだろう。

このカメラをWEBで買った(もう少し詳しく言えば注文した)のは震災の前だが、震災後にカバンも思い切って買った。非常勤講師さんもカバンを替えられたようだが、新しい気持ちになるにはカバンを替えるのが一番だ。私も転勤を期に気分一新したかったのである。
G12のストラップを購入するため、カメラのナニワ心斎橋店を覗いたときに、ナショナルジオグラフィックのカメラバックが気に入った。布地でセンスがいいのである。帰宅後、WEBで見ていると昨年新しいシリーズが出たとあった。それもNGアフリカコレンクションある。痺れてしまった。で、結局買ってしまったのだった。ちょっと義捐金に回した方がいいかなと思ったが、上記の経済学的な意味合いもあり購入に踏み切った次第。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100901_390558.html

アフリカを愛する私としては、このバッグを非常に気に入っている。軽いし、我がPCも持ち運べるし、JICAのセミナーでは、キャスター付の小スーツケースの上に、後ろに通すためのベルトがあるのできっちりとフィットしてくれるしで極めて重宝したのである。なにより、アフリカと共にいるようで嬉しい。

今日の春の箏曲は、アフリカコレクションのバッグを肩に、G12を駆使して何枚も写真を撮った。ブログに使う写真も常に必要だし、いつもG12を持って、こういう楽しみ方をしていきたいと考えている。

追記1:K市立外大のE君が4日、アメリカ留学に旅立つ。カリフォルニアである。頑張って欲しい。
追記2:Lily君がいよいよJOCV研修のため旅立つ。準備も進んでいるようだ。
追記3:3月31日付・ケニアの寒村から「豆」支援の記事へのアクセスが、今現在、3136件。あっという間に「コンゴのオナトラ船と猿論争」の総アクセス数2830を超えた。ちょっとビックリしている。

2011年4月2日土曜日

アビジャンに平和を

コートジボワールの情勢に変化が見られてきた。今朝の毎日新聞の朝刊・国際面には「元首相派、全土掌握」とある。「前大統領は孤立」とある。陸軍参謀総長も南アへの亡命の止めるなど、軍が離反しているようである。平和学では、紛争解決について、紛争が起こりそうな時に止めるのを最善策としている。だが、起こってしまった時、すぐに止めにはいるのは紛争に巻き込まれ解決のためにはよくない、次善策としては紛争の勝敗がある程度ついた時だとする。これがセオリーである。アメリカは、これを今だと見たのであろう。WEBニュースでは、アメリカが紛争解決のシグナルを送っていることを奉じている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011040100115

ワシントン時事】カーソン米国務次官補(アフリカ担当)は31日記者会見し、コートジボワールが全面的な内戦の危機にあるとして懸念を表明、大統領辞任を拒むバグボ氏に対し、主要都市アビジャンに暴力が拡大すれば責任を追及すると警告した。同次官補は、コートジボワールが内戦に突入した場合、難民流出のほか、シエラレオネやリベリアなどの周辺国に政情不安が飛び火する恐れがあるとの見方を示した。また、大統領選で勝利したワタラ元首相の支持勢力がアビジャンに迫り、軍高官の亡命も相次ぐ中、バグボ氏の立場は著しく弱体化していると指摘。「アビジャンでの広範な流血と権力奪取をめぐる戦いを回避して辞任する機会は残されている」と強調した。(2011/04/01-07:23)

このへんのアメリカの外交感覚はやはりたいしたものだと私は思う。最近のオバマのアメリカは、「世界の警察であること」に少し自嘲気味である。リビアへの攻撃に対しては最近EUの後方支援に回っているし、今回の大震災、自国の原発推進政策や普天間問題もあって「トモダチ」に徹しているのも、結局は国益に帰着するのだろうが、昔のちょっと怖い保安官よりはいいと私は思ってしまうのである。

それより問題は、コートジボワールである。誰がどうひいき目に見ようともバグボのわがままである。これ以上悪しきガバナンスの被害者をだしてはいけない。アメリカの紛争解決能力に、ここは期待したい。サルコジは自国の”原子力中華共和国”という立場を守るのに精一杯のようだから。

H高校初日の印象

H高校/今日から本校である
本日より、私の「本校」はH高校である。今日は新年度初日であり、H高校に新校長が赴任されるセレモニーがあった。H高校は運動クラブが盛んな学校である。放送で校内にいる生徒が正門前に集まった。およそ100人以上。新校長が校門をくぐられると、野球部の代表が歓迎の言葉を述べた後、全員で校歌を合唱したのである。私は大いに感激した。元気な良い学校である。
学校内を1人で散策したり、ラグビー部の練習を30分ぐらい見学したりしていた。スクラムマシーンにぶつかるフォワードの生徒達。天高くパントをあげるバックスの生徒達。見ていて飽きない。変なおっさんがいると思っただろうが、ちゃんと挨拶してくれる。なかなか礼儀正しい。

昼から新しい校務分掌の会議があった。私は、特別活動部というところに入った。生徒会の主顧問をやることになった。20代前半の頃以来である。正直嬉しい。生徒と真正面からぶつかることの出来る部署である。生徒諸君の持つ力を大いに引き出していきたいと思う。膨大な資料をいただき、説明を受けた。部長は旧知のO先生で非常にやりやすい。

先生方の様子を職員室でウォッチングしていると「俺・お前」の会話が流れている。もちろん女性の先生方も多いのだが、やはり体育会系の構造があって、私には過ごしやすい。H高校、なかなかいいではないか。そんな思いを胸に夕方、京橋に出た。

夕方から前任校の先生方有志で私のために送別会をもっていただいたのである。飲んで、食べて、歌ってこんな時間に帰宅したという次第である。有り難いことである。後輩の口の悪いI先生の提案で、最後はアカペラで前任校の校歌を歌った。「♪若人よ明るい理智よ…」

校歌で始まり、校歌で終わった1日であった。