2022年10月5日水曜日

ウェールズの話

https://twitter.com/Wales_in_Japan/status/1404823215877197829
ウェールズは、四国より少し大きいくらいのUKのカントリーである。ウェールズ語はケルト語に由来する。国内では、主要な看板にウェールズ語が併記されているが、英語とは全く違う。一部の地域を除いて話者は少ないらしい。13世紀にイングランドに併合されたが、独自性を保っていることと同時に独立運動もないことに、「世界まちかど地政学」の著者は戸惑っている。

その理由を著者は、そもそもウェールズとイングランドの間に山岳地帯があり、イングランドに侵入した民族(昨日のエントリーで前述)が、この地まで進出してこなかったこと、併合時に王室の皇太子が「プリンス オブ ウェールズ」を名乗ることとなり、ステータスを守ったこと、そしてそれら以上に「薔薇戦争」の最終的勝利者となったリッチモンド伯(後のチューダー朝のヘンリー7世)の母親が幽閉時に、執事と恋に落ちるのだが、その執事がウェールズ公の孫にあたるゆえ、リッチモンド伯にはウェールズの長弓隊が助力し、その結果勝利したらしい。また後に石炭を多く産出したウェールズは、産業革命の原動力ともなり、イングランドの形成・成功に大きな貢献をした。こういう歴史的事実が、ウェールズの独自性の尊重として働き、プライドを持てているとのこと。実に興味深い話だ。

…南アのジョハズの空港で、私はウェールズ人の青年と話したことがある。どこから来たのと聞くと、当然ながら、「UK」ではなく、「ウェールズ」と答えてきた。ルフトハンザ航空に乗る乗客が一直線に規律正しく並んでいるのを見て、「彼らはクレイジーだ。」と笑っていいたのを思い出す。

北アイルランドは「イギリス人であり続けたい人々が多数派の地域」故に、アイルランドとの間に齟齬が生じるのを覚悟の上でブレグジットに付き合わざるをえないのだが、ウェールズはブレグジットをめぐって独立するという動きもなく、イングランドのわがままに、お供することになったという感じらしい。

もう一つのUKのカントリー、スコットランドは独立志向が強い。三者三様なのである。

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