2022年10月29日土曜日

「戦争は知らない」に嘆息す。

https://www.youtube.com/watch?v=BJeeGkKd0Es&ab_channel=akinolemmo
最近、THE ALFIE の坂崎幸之助のYou Tubeを見て楽しんでいる。フォークソングにむちゃくちゃ詳しいギター芸人という感じ。元フォーククルセイダーズのはしだのりひこと「戦争は知らない」を歌っているのを聞いて、あらためて嘆息した。

♪野に咲く花の名前は知らない だけど野に咲く花が好き

 帽子にいっぱい摘みゆけば なぜか涙が涙がでるの

♪戦争の日を何も知らない だけど私に父はいない

 父を思えばああ荒野に 赤い夕日が 夕陽が沈む

♪戦さで死んだ 悲しい父さん 私はあなたの娘です

 20年後の この故郷で 明日お嫁に お嫁に行くの

♪見ていてください 遥かな父さん いわし雲とぶ 空の下

 戦知らずに 20才(はたち)になって 嫁いで母に 母になるの

嘆息した理由は今読んでいる「深海の使者」の影響である。いったい何人の人が戦死したことか。この小説にのめり込み、戦死というものを今かなり身近に感じているからであろう。

ところで、この寺山修司の詩からは、海軍ではなく、陸軍兵として死んだ父が想起される。野に咲く花とは、大地に倒れた無名戦士(位の低いその他大勢の戦死者の一人なのだろう。)、だから名前は知らないで始まる。そして野に咲く花は、この娘さんにとって父の化体なのだろう。それゆえ思いが募って涙が出る。荒野に沈む赤い夕陽、戦死されたのは満州あたりであろうか。いわし雲は秋の季語なので、この娘さんは秋に結婚するようだ。最後の母になるという結句は、父の血を受け継ぐ子を生むという、彼女にとってて最大の親孝行をしたいという願いなのだろう。

なんか現代文の授業みたいなエントリーになったけれど、感動を与える反戦歌である。初期のフォークソングでは反戦歌がいろいろ歌われたけれど、私はこの歌が最高だと思うな。

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