2024年11月26日火曜日

マレーシアの国産車戦略

https://www.nna.jp/news/158228
地理総合では授業は大詰め。グローバル化のまとめを、先進国と途上国のそれぞれのメリット・デメリットから整理しているところである。途上国側からみると、グローバル化の自由貿易は、サプライチェーンの一部として第二次産業(+第三次産業も)の雇用が増えるという経済発展のメリット、技術力や経営のノウハウ取得というメリットもあるが、先進国の下請け的存在というデメリットから抜け出すのは難しい。今や、新植民地主義などと揶揄される現状もある。

国内産業を育成するには、歴史的な経験(ナポレオンの大陸封鎖やビスマルクの保護貿易政策、米英戦争による北部の工業化、さらには関税自主権を回復した日本の発展など)から保護貿易を行う必要性がある。今回は、マレーシアのマハティール首相の国産車戦略を話すことにした。現在、マレーシアの国産車メーカーのシェアは66%ほどであるらしい。もちろん、マレーシア独自では無理なので、三菱自動車やダイハツなどが深く関わっている。とはいえ、保護貿易、すなわち関税政策とルックイーストで国産車の発展を促したのは、ASEANの中でも先見の明であると言えるだろう。マレーシアが中進国になったのは、自動車産業を中心に第二次産業の裾野を広げたことが大きいと私は思う。

このところ、地理の授業では、様々な体験談を語ることが多くなった。人のグローバル化では、KLIA1空港で見た出稼ぎのインドネシアの人々からパスポートを集める様子なども話した。今、思えばマレーシアでは、貴重な教材的経験をさせてもらったと思う。

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