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ヘーゲルと言えば、まずは弁証法である。矛盾が見えない段階(正)、矛盾が見える段階(反)、矛盾が調和・統合される段階(合)の三段階の連続で発展するという図式、これも様々な例を挙げて説明する。これも滑らない話の1つに数えてもいいかもしれないが、我が家の焼きナスビ事件をいつも例にとる。私は焼きナスビが大好物なのだが、妻の作った焼きナスビは料亭などで出される皮をむいたもので、私が期待したスライスしたものではなかったので喧嘩になった話である。付き合って5年、結婚して1年、それでも矛盾は内在しており、露わになるという例である。この弁証法は、すぐにマルクスで再登場するのでよく理解させておきたいところである。
この弁証法の中で、高校生にとっては止揚(aufheben)の意味をしっかり押さえたいと私は考えている。この辺だと、他にも概念とか命題とか、これまで使わなかった語彙が増える。こういう語彙を普段の文章化の中で使っていく姿勢こその倫理の学習の効用であると思う。
ところで、このヘーゲルで近代哲学は一応の完成と見る。ヘーゲルで、西洋哲学の木の幹の部分(近代哲学)は終了。これ以降は現代哲学で、この理性、理性のヘーゲルに反対する方向性を示す。主な枝は、マルクス、そして生の哲学(ショーペンハウエルとニーチェ)、さらに実存主義(キルケゴール、ヤスパース、ハイデッガー、サルトル)となる。
さらに構造主義(レヴィストロース、ソシュール、フロイド)、ポスト構造主義(フーコー、ドゥルーズ、デリダなど)が枝を伸ばすことになる。これらは、この西洋哲学の木自体への反動になっている。
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