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2015年7月20日月曜日

奈良教育大学 ESD勉強会 本番

奈良教育大学に行ってきた。朝7時に自宅を車で出た。ゲームのボード(B3の大きさがある)を持っていくためである。およそ1時間強で着いてしまったのでモーニングをして時間つぶし。いつも奈良教育大学には早く着きすぎてしまう。(笑)中心者のG君が正門に到着したのとほぼ同時だった。なかなか幸先が良い。

すでに教室には参加する学生諸君が何人か集まってくれていた。ありがたいことである。気さくに話しかけると、これまた気さくに応じてくれる。講義の雰囲気をつかむためにも不可欠な作業である。今回の講義は、教員志望の学生さんなので、授業を楽しくするためのスキルをできるだけ入れることに決めた。将来の参考になればと思ったのだ。ときどきパワーポイントの内容から脱線しながら、時間通り10時から12時まで2時間ジャストで講義を終えた。プロフェッショナルである。(笑)意外に疲れなかったのは、さすが国立大学の学生さん相手だったからだろう。みんな、たいしたもんだ。

休憩の後、アフリカSDゲームを実際にやってもらった。これも1時30分から2時間。高校生なら絶対集中力がもたないだろう。ゲームに盛り上がるのは、高校生も大学生も同じである。やはり嬉しい。(笑)社会科教員を目指す学生諸君が集まったチームは、ガバナンスについて討議が盛り上がっている。もちろん、勝敗も大切だが、ゲームの最大のねらいはここにある。こういう盛り上がりは製作者として嬉しい。今回は、総合Pと27ある政策をどれだけ実施したかの2つで勝敗を争った。商品は、昔々ブルキナファソで買った版画である。あるだけ持っていったので、なんとか全員に行き渡った。意外に喜んでもらえて、これも嬉しい。

終了後も様々な現場の話をさせてもらった。私自身が、学生諸君に学ぶことも多かった1日であった。コーディネイターのG君をはじめ、スタッフ、参加者のみなさんに改めてお礼を申し上げたい。

追記:ひとつだけ気になっていたことがあった。本校野球部の三回戦である。またまた延長で私立のZ高校に勝利したようだ。22日に四回戦が組まれている。よしっ、応援に行くか。若さに囲まれる幸せは教師の特権である。

2015年7月1日水曜日

奈良教育大学 ESD勉強会 準備

今月の20日に奈良教育大学で行われる学生企画活動支援事業の一環としての「ESD実践勉強会」に講師として行くことになった。先日から、少しずつ準備をしている。すでに「高校生のためのアフリカ開発経済学テキストv6.02」はメールで送付し印刷・配布の段取りをしているが、午前中に予定されている講座については、パワーポイントで行うことにした。

2時間くらいの講義では、到底全てを語ることは不可能である。そこで、午後に行うアクティビティアフリカSDゲーム2014を行うにあたって、必要不可欠な基礎知識に絞ることにした。まずは、アクティビティの罠の話。何故、私のESDは学問的な正確さにこだわるかという話である。(10年2月26日ブログ参照)ESDの「開発」を教えるにあたって開発経済学の必要性をまず説くつもりだ。次に何故アフリカなのか?そして、開発経済学の基礎をなすアジアの開発モデルを語る。アジアの開発の成功はアフリカには当てはまらない。同時にアフリカの貧困の原因を探り、現在のグローバル化の中でのアフリカの経済成長の謎を解いていく。

私は、パワーポイントではめったにアニメーション機能を使わないのだが、今回ばかりはそういう手間も厭わず挑戦してみようと思っている。(笑)

2015年6月14日日曜日

国際理解教育学会 ’15 東京

国際理解教育学会研究発表大会の会場 中央大学
昨夜はPM11:20に夜行バスで立川北口へ向かった。高速京田辺の乗り場は物悲しく、しかも3列シートなのに太ったのかどうも寝苦しかった。AM7時前に、立川駅北口に到着した。すぐさまタバコ。だが、駅前は禁煙ゾーンらしく、各所に設けられた喫煙所へ。(笑)久しぶりにマクドで朝食をとった。どうも食いだおれの大阪人としては、東京の食に未だに疑いをもっているので、絶対安全マグドナリゼーションの平均性をチョイスしたわけだ。(東京人のみなさんゴメンナサイ。)ここから多摩モノレールで中央大学に向かう。面白い駅で、南向きに左が明星大学、右が中央大学になっている。毎度のことながら、早く着きすぎた。そして例年のごとく、年会費を支払い、パワーポイントの準備にかかる。研究発表は毎回2人目だ。(笑)

大学で購入したミネラルウォーター
今回は、久々にアフリカ三部作だった。最初はTさんというJ大のグローバル教育センターの方だった。日本人のアフリカのイメージの考察で、中学生・中学校の教員(社会・英語)のもつ地図感覚(世界地図におけるアフリカの位置など)や、イメージする語彙や、教科書におけるアフリカの項目の変化など、なかなか地道だが興味深い内容だった。ガーナを中心にアフリカをかなり回っている方なのに、こういう基礎的な研究をされているのだった。司会をしていただいたO先生から、「問題はこの研究成果をどう活かすかですね。」との指摘。…するどい指摘だと私は思った次第。

私の方は、いつもながら大阪的な笑いをとりながら、まずまずの出来。発表も7回目ともなると、20分という発表時間をうまく活かせるようになった。あまり多くを語りすぎるといい発表にならないのだ。今回は、事前学習(生徒にじっくりとアフリカ開発経済学を講義)を行ったうえでの、ゲーム性を高めたSDゲームだったが、生徒が裏技を発見し、ホテルや農地開発ばかりで増やしてポイントを上げることになってしまった。生徒自ら、こんな国はあかん、と言わしめたことが成功かもしれないという結論であった。途中、私の開発経済学のレベルの高さ(レイディングやオランダ病など)もちょっと伝えた。これがわかる聴衆の先生方も多く、うれしかった。O先生からは、「HDIなどの学びは如何。」という質問を受けた。当然、センの貧困論からHDIについては、人間の安全保障も含めてしっかり指導していると回答した次第。O先生にうなづいていただきちょっと誇らしい。

三部作のラストは、S大のU先生で、大御所である。三部作といってもスケールは極めて大きな話である。宇宙船地球号プログラムをつくりグローバルイシューの学びを推進され、最近はこれをグローカルイシューの学びへと推し進めておられる。ブルキナファソやタンザニアで、「水」についての環境教育を行っているという報告だった。意外にもタンザニアの小学校には生徒全員のPCがあったり、さらにブルキナの小学校でも国全体の水資源について考える授業が行われていたりした。私にはかなりの驚きであった。

…とりあえず、朝の研究発表を終えて下阪の途についた。予定どうり、斎藤哲夫の歌でなじみの吉祥寺で昼食を取った。東京のラーメンがどんなもんか食べてみたのだ。案外うす味でいけたのだった。(笑)大昔、私がまだ小学生の頃、東京タワーの近くで食べた醤油のなかに浮かんでいた「うどん」とはだいぶ違っていた。(笑)帰りは新幹線。たった2時間強で京都に着いた。京都駅で買った妻へのお土産の駅弁は、私のもあわせてすこぶる美味であった。やっぱり、関西味バンザイである。

<斉藤哲夫の吉祥寺 70年代の名曲一度聞いてみてください。>
https://www.youtube.com/watch?v=QQaOeFOwb-w

2015年6月9日火曜日

アフリカSDゲーム2014報告準備

国際理解教育学会の研究発表大会まで、1週間をきった。世界史Bの授業を、通常の2倍の速度で進めていることもあって、疲れが溜まっているのか、なんとなく発表準備が進まないまま今日まできてしまった。

さすがにヤバイ。ということで、今日は授業以外の時間、できるだけ職員室唯一パワーポイントの作成ができる共有PCの前で、発表資料作成に勤しんでいた。共有だから気を使う。30分ずつちょこちょこと作成するしかない。

ところで、わたしの机上には2台のPCがある。1台は私用のIBM。ここにはパワーポイントを入れてあるが、ネットにつないでいないので、(マイクロソフトに承認されていないので)、見ることはできても、作成はできない。もう1台の方は、上から与えられているPCだ。ここにもパワーポイントが入っているが、USBも使えないし、たとえ授業で使うにしても、鎖で繋がれているのでPC自体持って行って使えない。まったくアホかという代物である。何のためにパワーポイントを入れているのか、税金の無駄使いだとしかいえない。(怒)で、結局、学校でパワーポイントを作成するには、その共有PCしかありえないのである。

今日は、一気に進んだ。共有PCを独占して他の先生方に申し訳ないが、そうも言ってられない。(笑)明日、もう1日あれば、なんとかなりそうである。

2015年2月14日土曜日

アフリカSDゲーム2014 報告Ⅲ

政治経済の学年末考査で、アフリカSDゲーム2014について生徒に改善点を問うてみた。ゲームの発展のためにも有意な意見が多かった。昨日は、VTRも完成したし、これらを集約をしていたのだった。

全体的に多かったのは、実施回数について3時間(およそ9回ゲーム板を回る)が妥当ではないかという意見。実は、その辺を見込んで、6組・4・5組、1・2・3組の順に実施回数を増やして実施したのである。6組には実施回数についての意見はほぼなし。1・2・3組には特に多かった。

もうひとつは、ゲームの勝敗が、農業生産P-人口P+商工業P=総P数で決められたが、彼らは効率性を求めて、ホテル建設で商工業Pを、農地改良で農業生産Pをひたすら獲得したことを悔いていたのだ。たしかにゲームの勝敗はそれでいいかもしれないけれど、後で集計したら、道路などのインフラは不備だし、教育や保健医療にあまり投資していないことに気づいたのだ。こんな国はあかんやろう、というわけである。

だから、保健医療をしっかりやらないと人口が減少するルールや、格差是正やガバナンスのバランスなどの良さをPとして導入すべきだという建設的な意見がわりと出てきた。これは嬉しい。アフリカの開発経済学を学んだ上で実施した効果が十分認められる成果である。

ゲーム性の面では、ボードに分岐点を作ったりして(人生ゲームのように)複雑にしたほうがよい、とか、もっとドッキリカードやラッキーカードの位置をバラけたほうがいいとか、鉱産資源を3つGETした後は、スタート直後のマスは無意味になるので、GET後のマスを設定してはどうか、などの意見があった。なるほどと思う。

ドッキリカードが徐々に厳しい内容になることや、ブタサイコロを使用したことは好評で、不利になることは覚悟の上で、ブタサイコロを振りたかったという感想も多かった。

細かいところでは、格差ポイントをもうすこし厳しく設定しても大丈夫だという意見もあった。ディーゼル発電は安価でいくらでも購入できるので苦にならないという。乾燥地の格差拡大のマスやカードが多いが、森林や農村の格差はあまり拡大しなかったという感想も。(これは現実に即するとそうなってしまうのだが…。)

ともかくも、多くの生徒が真剣に取り組んでくれたことを実感したのだった。

2015年2月8日日曜日

毎日 赤道ギニアのサッカー騒動

Getty Images
毎日の朝刊・スポーツ面にアフリカの話題が載ることは珍しい。赤道ギニアでおこなわれたサッカーの試合の話だ。アフリカ選手権でガーナとの準決勝。「まるで戦場のようだ。」とツイッターでガーナのサッカー協会が伝えたような酷いことがおこったようだ。

前半、ガーナが2-0でリード。(そもそもガーナは強い。)ハーフタイムに、ガーナの選手に観客からモノが投げつけられ警察の盾に守られながら控室に戻る羽目になった。後半、30分にガーナが3点目を奪うと赤道ギニアのファンが、ガーナのサポーターに襲いかかった。安全地帯を求めたガーナのサポーターが観客席からゴール裏に降り、試合が中断。BBCによると、ピッチに投げ込まれた皿の破片や石などが散乱した。事態の鎮圧のため、警察のヘリコプターが競技場の上空を飛び、催涙ガスも用いられたという。結局、観客を追い出し、40分間の中断の後、観客のほとんどいなくなった競技場で残りの数分間を実施、ガーナが決勝に進むことになったというわけだ。

赤道ギニアは騒動により10万ドルの罰金と、30人以上出たと言われる負傷者への治療費負担をCFA(アフリカサッカー連盟)に課せられたという。

…赤道ギニアという国は、産油国で数字的には凄い経済成長率を誇っている。しかし、実際には多くの人々が一日$1.25以下の生活を強いられ、貧困にあえいでいるという、アフリカでも有数のガバナンスの悪い国である。実際、アフリカに行くと、子供たちはサッカーのナショナルチームのユニフォームを大事に着ている。貧困にあえぐ一般の人々にとって、サッカーは最大の娯楽である。思い入れも強い。まして準決勝である。強豪ガーナとの試合に、熱くなる気持ちもわからないではない。敗北が決定的になるとともに、日ごろの不満への爆発のスイッチが入ったのだろう。警察がヘリコプターといった最新装備を持っていたのも、赤道ギニア政府がどこに金を使っているかがよくわかる。

先日、アフリカSDゲーム2014の集計中に、鉱産資源のレントを利用して大いに経済発展をしながら、教育やインフラ整備を怠っていたチームに、「赤道ギニアかっ。」と指導したことを思い出す。次にこの国の名前を出すときは、良きガバナンスの例として使いたいものだ。

2015年1月18日日曜日

アフリカSDゲーム2014 報告Ⅱ

政治経済の授業でやっている新ゲーム、アフリカSDゲーム2014の方は、早いクラスで4時間目まで経過した。ゲーム性を高めるため、毎回ドッキリカードの内容を変化させている。ゲームボードのどっきりカードに入ったら、トランプを引く。Aから10までの数字によって、指示が書かれたペーパーを毎回配布している。

その中に、ブタ・サイコロを振れ。という指示のものを3回目から入れた。これは、どこだったか忘れたが、美術館のショップで手に入れたもの。5匹のブタのサイコロである。(画像参照)大統領の汚職が発覚・海外に亡命したという設定で、サイコロでその被害額が変わるという設定だ。

もちろんブタ・サイコロは1セットしかないので、ファシリテーターの私に申請することになる。だいたい、大声で「デェー!」とか「ブタが出た!」とかいう声が聞こえるのですぐわかる。(笑)

ふつうに振ると、ブタは横になる。時々四本足で立つ場合もある。あるいは仰向けや、まれに他のブタに寄り掛かるように鼻で立ったりする場合もある。1匹でも四本足やそれ以外であれば、被害額は減額される、という仕組みだ。

これは、案外ゲーム性を高めている。3回目は1/10の確率だったのでゲーム中2回(なんと同じグループが連続でブタを引いた。笑)、4回目は3/10にしたら、ゲーム中5グループがブタを引いた。なかなか盛り上がるのである。

詳細報告の方も、着々と進めている。各グループに集約報告書を提出できるよう用意をしているところ。どういう動きをしたか、各グループで考察させようと思っている。

2015年1月14日水曜日

アフリカSDゲーム2014 報告Ⅰ

政治経済で実施しているアフリカSDゲーム2014は、なかなか好評である。練習と質問に1時間、実際にスタートして、3つの選択クラスで2時間ずつ実施した。嬉々として、サイコロを振り、ゲーム版の指示を小まめに報告書に記録していく。

「つぎは5、頼むで。」「あちゃー、農村の格差がまた増えたで。」「やったー、石油ゲット!」などと大騒ぎしているが、決算で、ガバナンスボードを見ながら、討論も真剣だ。「まずは、農業ポイントをあげておくべきだ。」「いや、格差をなくしておくべきや。」などとやりあっている。

2時間目を終わった時点で、農業P-人口P+商工業Pを示す総合Pは、三桁に到達したグループが多い。やはり、レント収入が大きな位置をしめる。それだけ多くのガバナンスを実施できるからだ。中にはすでに油田を5つも開発しているグループもある。

1回目と2回目では、カードの内容を変えた。ゲーム性を高めるために、増減するポイントや金額も大きくした。詳細はまた、実際の報告書を整理したうえで行いたい。

2014年12月6日土曜日

アフリカSDゲーム2014

期末試験が木曜日から始まっているのだが、私の試験は最終日なので、ひたすら政治経済で実施予定の新ゲームの準備をしていた。夏休みにある程度、構成しておいた(本年8月14・15日付ブログ参照)のだが、微調整を繰り返していた。シミュレーション・ゲーム製作の最大の難しさは、数値設定である。今回はそれを克服するアイデアを思いついた。

今回のゲームのボード上には、人口P(ポイント)や農業生産P、商工業Pと、各地域(農村・乾燥地・森林)の格差Pが増減するようなマスがある。スタート時からあまり大きな増減があると、ゲームが成立しない。だが、今回は、何度もこのゲームで授業を進めていく予定である。後半戦では、ある程度その増減の数値を上げなければ、ゲーム性に支障をきたすだろう。そのジレンマを「ラッキーカード」「どっきりカード」の内容で変化させることにした。
本来なら、カードを一々作るところだが、Aから10までのトランプを使うことにした。ラッキーカードは、クローバーはハートなどの4種類の選択、どっきりカードは1から10の数字を選択し、授業ごとにその一覧表を変えるのである。この一覧表は、前回のSDゲームでも使用したアイデアである。細かなアフリカの出来事(砂漠バッタの被害が出たとか、遊牧民どうしのレイディングで被害が出たなど)が書かれている。Pの増減が示されているが、内容と共に変化させるのだ。

前回のSDゲームの最大の問題点は、ゲーム性であったと私は思っている。今回のSDゲーム2014は、同じ条件で各グループがゲームを進め、レント(鉱産資源の収入)をもとに、良きガバナンスを行いながら国家経営を行い、最も人口P-農業生産P+商工業Pが高く、各地域の格差が少ないチームが優勝ということになる。ほぼ生徒用のマニュアルも報告書も完成した。

情報処理のM先生に協力してもらい、A3の大きさでボード、B4でガバナンスボードを、それぞれカラー印刷してもらった。教務課のH先生にダンボールをわけてもらい、スプレー糊で貼り付けた。あと残る作業は、新しい札(やはりお札があるとゲーム性が高まる。鉱産資源のレントはM:マネーという仮想の通貨にした。)と報告書の印刷である。

新ゲームの名前は、迷いに迷ったあげく、ブログでの実践報告に便利(ラベルはアフリカSDゲームに同居)なので、「アフリカSDゲーム2014」とした。(笑)

2014年8月15日金曜日

アフリカ理解の新作ゲームⅡ

団活動の様子をリーダーたちの報告を受けながら、今日も一日中新作ゲームの調整に精を出していた。これまでのオリジナルゲーム製作の経験から、数値の設定がいかに重要か判っている。実際に頭でシミュレーションしながら、そう簡単にゲームオーバーしないよう、またある程度目標達成(今回なら資源開発で得たポイントを使って地域間の経済格差を克服する、また徐々にでもGDPを拡大する)できるように設定しなければならない。

まず、失敗国家(ゲームオーバー)の設定を改変した。人口ポイント-農業ポイント+商工業ポイント+鉱産資源ポイント>-50とした。昨日の時点での指標では-20だったが、案外、干ばつなど農業ポイントが減る場合が多いことに気がついた。人口支持力の原則で、開始時の人口100、農業ポイントも100だが、人口が減る機会(感染症など)は少ないし、難民の流入やモノポリー的なマス目の道の一周後に人口を+10とすると、-20では、かなり苦しい。およそ鉱産資源の収入や商工業のポイントアップの機会も増やしたのだが、このあたりが妥当な数値かなと思う。

ガバナンスで、地域格差を是正したり、GDPのポイントアップを行うマス目を、モノポリー的な開発している鉱産資源を増やせるマス目の後ろに設定した。ポイントを溜めてガバナンスを考えれるほうがより親切だ。地域も、ブルキナファソをモデルに北に乾燥地、南に森林を配置しなおした。

ガバナンスの政策は、前回のアフリカSDゲームのものを一部改良して使うことにした。地域格差(都市と農村・乾燥地・森林)是正に有効な政策、特に教育や保健医療、交通インフラなどは、各地域ごとに政策実現することにした。全体的なGDP向上に資するものもある。これらをポイント化していく。

まだまだ調整が必要だが、チャンスカードや、現代アフリカの学習も加味したカードの内容もおよそ、SDゲームの資産を転用しながら、「観光振興」も入れて、ポイント化して整理してみた。

ふと、気づくと15:30だった。クラスに行ってみると、男子が大道具、女子が団旗に分かれて頑張ってくれていた。例のCM隊も頑張っている。他のクラスもお盆なのに頑張っている。クーラー入れてやって欲しいなあ。

2014年8月14日木曜日

アフリカ理解の新作ゲームⅠ

今日作ってみたゲーム板のイメージ
夏休みは、団活動が出来なかった7月31日と8月1日、先日の親友の告別式の12日を除いてすっと学校に行っている。団活動の進展状況を見ながら、進学用・就職用の調査書を完成させたり、2学期の教材研究などをつらつらやっていたわけだ。それらが一息ついた昨日から、アフリカ理解・開発経済学の新ゲームの構想に取り掛かっている。

昨年実践したアフリカSDゲームは、具体的なレンティア国家が得た国富を、様々な政策に使うことを中心課題にした。学習教材としてはなかなか良い出来だと思っているが、ゲームとして勝敗がつかないことが問題だったと思っている。

今回の新ゲームは、同じくレンティア国家としてのアフリカを基盤にすえる。「その資源収入をどのように国民全体の所得と福利向上に使うかが課題である。」という平野先生の「経済大陸アフリカ」の結論部分を基本ポリシーとした。国内の経済格差をいかに克服し、治安を維持するかという問題は今なお、ナイジェリアやウガンダ、ケニアをはじめ多くのアフリカ諸国の大きな課題である。そこで、ゲーム版の中央に4つに区切ったエリアを設定した。都市・農耕地域・乾燥地域・森林である。実際にこのような国土になっている国は少ないが、経済格差という問題を際立たせるためには、有効だと思われる。(いっそブルキナファソをモデルに森林を南に、乾燥地帯を北にもってこようかなとも考えている。)

その周囲に、モノポリーのように、コマを進める道を作ってみた。チームで順にサイコロを振りながら、一喜一憂するのもゲームの醍醐味である。スタート直後に、鉱産資源開発(石油・天然ガス・希少金属・ダイヤモンド・金)のマスを設定した。ここに止まると、その鉱産資源の開発が開始され、それに応じた収入が決算時に入ることとした。後半には、ガバナンスのマスを6マス設定した。そこにかならず1度以上止まることになる。そこで、どの政策を打つか考えさせる。たとえば、保健医療を乾燥地帯に1つ、森林に学校を1つというふうにである。さらに、その後には、鉱産資源の開発単位(油田や油井、鉱山など)を増やすマスを設定した。うまく止まれば、収入が増えるしくみである。運がよければ、一国で、石油を3単位、希少金属も2単位、ダイヤを2単位というふうに収入増が可能である。

もちろん、一周する中で、投資によって商工業が栄えたり、干ばつ(農耕地域と乾燥地域に分けた)が起こって農業生産が低下したりするようにしてある。前回のゲーム同様、様々なアフリカの学習にかかわるイベントが起こるマス(今日のチャンスカード)も設定した。

今回は、これらを紙幣ではなく、ポイント制でゲーム進行する。私の熟慮したゲーム構成は以下の通りである。

ゲームの勝利は、失敗国家(経済格差で内戦にならないこと。人口が50%まで減少しないこと。)にならずに、いかに1人あたりのGDPを増やすか、で決定する。

基本設定 人口100(都市40・農耕地帯50・乾燥地帯5・森林地帯5)
       農業生産100(都市 0・農耕地帯90・乾燥地帯5・森林地帯5)
       商工業(都市20・農耕地帯5・乾燥地帯0・森林地帯0)
  鉱産資源(1単位):石油20・天然G18・希少金属25・金10・ダイヤ10

GDP=農業生産100+農業生産100+商工業25+鉱産資源(たとえば石油2単位:40)となる。

一周する中で、農業生産がプラスになったりマイナスになったりする。人口も、難民の流入や決算時に増えたりするし、感染症の流行で減少する。基本設定で人口と農業生産を100と同数にしたのは、人口支持力の立場からである。農業生産が人口より下がった場合は商工業や鉱産資源収入のポイントで輸入することになる。(1周の最終マスの決算時に、そのポイントを残していないと飢餓が発生するわけだ。)

したがって、多少の余裕を見込んで、人口P-農業生産p+商工業P+鉱産資源P>20を失敗国家のラインに設定した。

経済格差については、農耕地帯30、遊牧民の住む乾燥地帯20、少数民族の住む森林地帯20のポイントを設定した。格差が生まれる場合は、地帯を指定するので、ガバナンスで手を打たないと一気に失敗国家になる恐れがある。乾燥地の干ばつは+5、農耕地での先進国の農地買収は+15に設定している。

細かな点は、さらに詰めていくが、レンティア国家であることで、商工業は貨幣価値が上がる故に消費増以外に大きな進展は見込めない。それよりもいかに各地域の経済格差を是正していくかがこのゲームの大きなポイントになるはずだ。

2013年7月28日日曜日

ピーター会 in 奈良

奈良である。
昨日は、久しぶりのピーター会だった。ピーター会というのは、JICAの教師派遣旅行でケニアに行った高校教師の集まりだ。ピーターという名称は、旅行時のガイドであった故ピーター・オルワ氏から取られている。今回の集まりは、先の国際理解教育学会で、N女子大付属中等学校のM先生がスタディーツアーのパネルで、ツアー後の研修の持続性に否定的な意見が出た際、「私たちはよく集まって研修してますよ。」と発言したことに始まる。たしかに、1年毎くらいに集まっている。私も関西で行われる集まりには出来るだけ出るようにしている。

昨日は、午前中、奈良でWHE(世界遺産教育)を熱心に研究・実践されているH高校のY先生をゲストに迎え、興福寺と東大寺を視察した。さすがに詳しい。興福寺は元の姿に復元しようと頑張っている。かなり年月がかかりそうだけれど…。東大寺には新しく博物館ができていた。大仏殿は何度かの再建
によって、左右がちぢんでしまったことも知った。なかなか有意義なWHE研修であったわけだ。ところで、奈良にも外国人観光客が多い。中国語や韓国語、スペイン語やフランス語も飛び交っていたんだった。

昼食は、M先生の勤務校前の食堂。ここは、過去にピーター氏が来校した際大好物のかつ丼を食したという、我がピーター会メンバーにとっては意義深い文化遺産ともいえる食堂である。当然、かつ丼を食したのだった。

午後は、研修会。JICAのシニア・ボランティアで、理数科教育を指導し、ガーナから帰国した教授の講義、なつかしのピーターのビデオ、そして少し時間が余ったので、私のアフリカSDゲームの報告と、イスラエル考現学のパワーポイントを見てもらった。

M先生の勤務校玄関・ユネスコスクールのプレートがまぶしい
平成3年のJICA研修旅行から10年。今回は石川・静岡からも含め8人が集まった。それぞれの立場で頑張っているのだった。ところで、奈良から自宅に戻る時、西大寺駅で乗り換えに迷っている人のよさそうなお父さんを中心とした外国人観光客家族と出くわした。京都の宿に戻るらしい。久しぶりに親切な日本人役が回ってきたわけだ。聞くとマレーシアの人だった。このブログの常設ページにある「地球市民の記憶」は私の備忘録の意味合いもある。見ると意外にもマレーシアの人との関わりは始めてだった。先日のサウジアラビア人に続いて、カウントが増えたのだった。100カ国まであと少し。

2013年7月23日火曜日

アフリカSDゲーム報告 その7

鰻です。
先日参加した国際理解教育学会の研究発表の時、レジメを50部用意することになっている。私もこれまで、高校生のための開発経済学テキストを始め、莫大な印刷をして運び込んだ。しかし、実際には私の発表などは、参加者が少なく、50部も必要ないことが多い。何度もえらい目にあったので、今回はメルアドをパワーポイント最終画面に書き込んで、本当に必要とする方には添付ファイルで送りますと言ったのだ。特に今回は白黒印刷ではわかりにくい資料も多いので、そういう無作法をきめこんだのだが、本当にありがたいことに2件もメールがあった。

お一人は、「地球市民共育塾ひろしま」のNさんである。HPを見ると、DEAR(開発教育協会)と関わりのある団体のようで、熱心に広島で開発教育を進めておられるようである。もうお一人は、先日コメントををいただいたT大学大学院のKさんである。

予定通りメールで添付したのが、どうもうまくいかない。結局CDに資料を焼いて送付することにした。ところが、自宅のパソコンが不調。私と同じく血中酸素濃度が低いのかもしれぬ。で、今日学校で焼いて、近くの郵便局から送付したのだった。広島には明日、茨城には明後日着くそうだ。お二人には先ほどメールで、遅くなったお詫びを申し上げた次第。

ところで、表題とは全く関係がないのだが、体調が思わしくない。昨日またH城鍼灸院に行ったのだが、血中酸素濃度が91しかなかった。結局93に上げてもらったが、どうもボーッとしている。当番なので、PM5時前に生徒の下校を促す放送をしたのだが、しどろもどろ。今までこんなことはなかったぞ。かなりショックだったのだが、今日は土用丑の日ということで、妻が鰻を用意してくれた。(画像参照)これを食したので、なんとかエントリーできたというわけである。明日は、大阪府ベスト8を目指す野球部の応援に行くつもりである。(無理しない程度に)ガンバロウ。

<地球市民共育塾ひろしまのHP>
http://genshiroshima.web.fc2.com/index.html

2013年7月1日月曜日

アフリカSDゲーム報告 その6

アフリカSDゲームを実践した現代社会演習の期末考査試験が今日行われた。ゲームを終了してから、改めてアフリカ開発経済学を講義したのだが、その内容をもとに試験を作ったのだ。採点してみると、全体的に高得点(平均78点くらい/100点)であった。なかなかよろしい。(笑)
一方、次の日曜日に広島で、学会の研究発表大会がある。今回の発表では実践中だったSDゲームの内容を抄録に記して送付した。なんとも中途半端な文章になっている。5月に抄録を書きながら、パワーポイントを作成していたのだが、実践を終え、改めて手直しをしているところ。

20分と言う短時間に、SDゲームの実践方法を論じるのか、アクティビティがめざすところを論じるのか、難しいところである。結局、今回の発表では、6月のTICADⅤとの絡みで、アフリカ開発経済学の現在と、SDゲームの関わりを中心に論じることにした。

グローバリゼーションの中で、世界の工場・中国が資源をアフリカに求めたことと採掘技術の向上によって、世界中の目がアフリカに集まった。そのレントが経済成長率を向上させている。ゲームでは今注目されているレンティア国家を6カ国設定した。TICADⅤ前に日本が「資源開発促進イニシアチブ」として招へいした15カ国(5月15に付ブログ参照)と対比すると、ウガンダ以外の5カ国が全て入っている。ウガンダは別の意味で重要な国なので、5/6という確率は私にとって十分な数字だ。
TICADⅤでは、日本企業のアフリカ投資を推進するというスタンスが強かった。これもSDゲームのスタンスと同じである。平野克己先生の著作を始めとして、ここ数年の開発経済学の流れの中で設定した政策8項目は、およそTICADⅤと矛盾しない。そればかりか、現地の金融面や法律面の整備強化のために日本の専門家を派遣し、また日本でもアフリカの若人を人材育成するという打ち出しは、まさにゲームで設定しているところである。
生徒には、共通政策8項目の設定理由について講義した。
①HDI(人間開発指数)向上において、最も重要な教育・保健医療の2つの基本的政策。
②アフリカの食糧輸入が貧困の一因になっていること、それゆえの農業生産性向上。
③さらに農業では儲からないので、工業化を推進するために必要な方策としてのエネルギー・インフラ、金融・法律システムの整備をセットで講義した。
④さらに治安と経済格差の密接な関わりを講義した。コンパクトにまとめたので理解しやすかったようだ。とはいえ、発表まで、あまり時間がない。少しばかり焦ってきたのである。(笑)

2013年6月11日火曜日

アフリカSDゲーム報告 その5

アフリカSDゲームは、今日体育科・武道科で最後の授業を終えた。生徒には最終報告書を書いてもらった。今回のゲームに対する評価を書いてもらったのだ。詳細は、普通科の報告書と合わせて国際理解教育学会での発表で行うつもりだが、特に多かった意見を書いておこうと思う。

今回のゲームでは、まず各国のレントの国際価格変動を、私のサイコロ1つで決定するのだが、最も高くても300sim(通貨単位は仮想世界ゲームと同じなのでsimである。笑)増えるくらいで、反対にマイナスの場合も多かった。農産物価格の変化もマイナスなら、かなりきびしい。これに、企業マンがトランプを引くのだが、おおきくマイナスの場合(-1000simとか…。)も多い。要するになかなか収入が少ないのだ。

SDボードにある政策を実行しようにも、先立つものが少ないので、かなり苦労したようだ。これをなんとかしようと、後半戦は、2000simや3000simの賞金を大盤振る舞いしてクイズを実施、盛り上がった。(笑)もちろん、アフリカの開発やニュースに関わる内容だが、それでなんとか各チームとも一息つけたらしい。

だいたい7回の授業で、9項目のレベル2まで、およそ18政策はクリアできたようである。

「ゲーム自体の勝敗をもう少し明確にしたほうがよかったかなあ。」と生徒に聞くと、「毎回のトップ賞を設定するとかしたら、さらに盛り上がったかもしれませんね。」との答えだった。うーむ。なるほど。

2013年5月26日日曜日

アフリカ官民連携人材育成構想

大阪アベノの新しい高層ビル
高校の同窓会の日である。ほんと久しぶりに天王寺(阿倍野橋)にでた。金曜日の遠足の時に大阪駅の大きな変化に驚いたが、元近鉄あべの百貨店があったところにアメリカの摩天楼なみのビルが建っているし、その周辺もかなり明るく開発されていてビックリした。高校時代の私が愛したアベノは、もっと胡散臭かったと思う。(笑)

さて、25日付の毎日新聞朝刊に、TICADⅤに合わせて「日アフリカ官民連携人材育成構想」(仮称)の記事が出ていた。今後5年間で、現地にもうける人材育成センターで、セレクトされたアフリカの若者を1年で200名、計1000人を留学生として日本に迎え、卒業後は、日本企業(現地もしくは国内)で雇用するという計画である。外務省・経済産業省・文部省と現地日本企業、JICAを中心に運営するらしい。予算は約100億円だとか。

現在のJICAのスタンスと大きく異なる点は、「投資環境の整備に必要な法制度」などを学んでもらうという想定である。(記事には農業技術云々も含まれているが…。)要するに、日本からの投資環境の金融や法律に明るい人材を育成するということだ。このことは、ポール・コリアーの『最底辺の10億人』・『民主主義がアフリカ経済を殺す』から最終的に導かれる、投資を拡大する法整備と、信用度アップという観点と全く同じである。また、ODAなどよの社会資本投資より、民間資本投資の必要性こそが重要だという、ダンビサ・モヨ女史の『援助じゃアフリカは発展しない』の影響も大きいはずだ。今の開発経済学は、そっち(経済から政治・あるはガバナンス整備)の方向に向かっている。実は、私のアフリカSDゲームでも、この『投資のための金融と法整備』は、基本的な8つの政策の1つに入れてある。比較的安価で人材育成が出来て、地味だが経済発展に必要不可欠な政策だと私も考えて挿入したのである。

日本政府も、こういう開発経済学の成果を大きく実行しようというのだろう。これまでJICAは様々な工業技術や、行政関係の研修員さんが多かったようにと思う。それに対して、官民一体となって(日本株式会社として)金融・法律・政策といったビジネスをささえる人材を日本で育成し、日本企業に優秀な人材を雇用して現地のネットワークづくりにも乗り出すというわけだ。

現地の人材育成センターは10か所だと記事にある。先日エントリーした(5月19日付ブログ参照)レンティア国家の15カ国と、ケニア・ウガンダ・ガーナ、ナイジェリアなど地域の中心国と、フランス語圏のセネガルあたり(コートジボワールはまだ治安が完全回復していない。)からセレクトされるのだろうと私は思う。英語圏・仏語圏・ポルトガル語圏という公用語のくくりと、東アフリカの経済圏、南部アフリカの経済圏、西アフリカ経済圏、中央アフリカのセーファーフラン経済圏とその他の地域などの経済圏のくくりを止揚するかたちで決めていくのだと思われる。英語圏なら日本での研修・雇用は大きな問題はないが、仏語とポルトガル語圏の人々は大変だ。でもはずせないはずだ。モザンビークやマダガスカルなど重要な国がある。

この辺、日本の国益がどうしても見え隠れする。うーん、ちょっと、昔のアベノみたいに胡散臭いかな。

2013年5月22日水曜日

学会研究発表大会の話 2013

広島経済大学本館(HPより)
今年の国際理解教育学会の研究発表大会は、広島経済大学で行われる。先日、事務局から大会プログラムが送られてきた。今年も、第2日目・日曜日の午前中に発表することになった。第7分科会である。分科会の司会は、奈良教育大学におられた世界遺産教育の第一人者・T先生である。ちょっと緊張する。(笑)さらに緊張するのは、昨年暮れにJICA関西で久しぶりにワークショップをしていただいたY先生の後に発表することになっていたのだ。まさにゲゲゲ…。である。

Y先生の研究発表は「変容的学習としての開発教育」というタイトルである。いかなる内容であろうか、興味深い。今から楽しみである。私の研究発表は、ズバリ「アフリカSDゲーム 実践報告」である。今年の研究発表大会は、高校の実践者(現場の教員)の報告が比較的少ないように思った。Y先生と私の発表の後は、大学生や院生の発表になっている。
毎回思うのだが、事務局が、分科会の構成で大変御苦労をされていると思う。第二日目は、毎年実践者の報告が多いのだが、英語教育でくくったり、校種別でくくったり…。国際理解教育といっても、実に幅が広いのである。高校の実践者の発表でも、他の分科会に拡散していたりする。じっくりとタイトルを見ていくと、なるほどなあと思うのである。

以前D女子大学で発表した時は、私の参加した分科会は「アフリカ」でくくられていて、アフリカがらみの発表が続き、「アフリカ3部作」と評判になったのだった。(笑)今回はアフリカに関わっている発表は、東京大学大学院の方が、「消費者市民社会をめざす社会科教育」-コンゴの資源紛争と日本の消費生活のつながり-と題して他の分科会で発表されるようだ。おそらくタンタルなとの携帯電話の話かな?と思う。TICADⅤもあるのに、ちょっと寂しい。

広島へは、結局夜行バスで行くことにした。本校では、(インターハイや国体、強化合宿など体育関係の出張旅費が多く)出張扱いしてもらえないのである。要するに自費なのだ。新幹線や宿泊できるほど余裕はない。でも、できれば復路は新幹線にしたいな。もう歳だし…。(笑)

2013年5月19日日曜日

日本の選んだアフリカ15カ国

レソト大使館HPより
毎日新聞(19日朝刊)によると、18日、6月から始まるTICADⅤの前哨戦として、アフリカの資源産出国15カ国と閣僚級の会議を開き、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて、5年間で2000億ドルの資金を支援する、資源開発と経済発展につながるインフラ整備を支援、アフリカの資源開発を支える人材を5年間で1000名育成する、鉱山開発周辺の環境保全のための制度整備や技術面での協力と周辺地域の社会保障を支援する、といった『資源開発促進イニシアチブ』を発表した。

その15カ国は、アンゴラ、ボツワナ、コンゴ(共和国)、コンゴ人民共和国、ガボン、レソト、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、南アフリカ共和国、タンザニア、ザンビア、ジンバブエである。

この15カ国、微妙な趣がある。石油資源だけをとっても、中国がかなり食い込んでいる国(アンゴラなど)も一部含まれているが、治安に問題があるスーダンと南スーダンは入っていない。石油資源で日中全面対決というわけではなさそうだ。また石油大国ナイジェリアも含まれていない。EUに遠慮したのか、という様々な事情が見え隠れする。意外だったのは、レソト。南アに四方を囲まれた南アフリカのスイスという感じの国なのだが、ダイヤモンドが産出するらしい。日本が選んだ資源開発有望15カ国に入ったのだった。

タンザニア、モザンビーク、マダガスカル、ザンビア、ニジェールの5カ国は私のSDゲームのエントリー国である。ウガンダが入っていないのは意外だが、ケニアも含め資源と言うより全体的な支援で重要視しているのかもしれない。

こうなると、資源が無いとされる国は置いておかれるのだろうか。レンティア国家が続々誕生しているアフリカでは、さらなる格差が生まれていく。だが中央アフリカやチャドなど、ガバナンスが向上したら鉱産資源が新しく発見される可能性もある。鉱業における可採埋蔵量は時代ととも技術力の向上で変化してきたし、治安や自然条件も大きく左右する。要は採算である。安定陸塊のアフリカ大陸故、多くの国にまだまだチャンスがあるわけだ。

豊かになれるところから豊かになれ…か。うーむ。と、なんとなく腕組みしてしまう私であった。

2013年5月9日木曜日

アフリカSDゲーム報告 その4

普通科の現代社会演習の授業で行っているアフリカSDゲームは、今日で第3セクションを迎えた。授業の進め方についてエントリーしたい。挨拶を終え、最初に毎回配布する報告書を配る。その後、各エントリー国に分かれ、SDボードと前回使わなかった資金の入った封筒を配布。

まずは、資源の国際価格の変化を決定する。これは私がサイコロを転がす。何故かというと、資源の国際価格は石油価格の変化に連動するという市場の原則があるのだ。サイコロの目が大きいほど価格はアップする。あまり変化するとゲームのバランスが崩れるので、最大でも±300simにしている。次に各国別の農産物価格である。これは各国の政府代表がサイコロを自ら振る。ゲーム性という観点から盛り上がる第一のヤマ場だ。(笑)これも目が大きいほうがいい。最大+300simである。しかし、1が出ると-500sim。今日は、ニジェールが1を出してしまい、普通でも農産物収入が低いのに悲惨だった。4で±0simというのは、まだまだ灌漑が進まず天水に依存するアフリカの農業の現状を加味している。

さて、報告書上で、この2つの収入と前回の残金をプラスしていく。「今回はキツイな。」とか言う声も聞こえる。(笑)さて、ここで、各国の企業社員がトランプを引く。アフリカで起こりえる様々なイベントを疑似体験してもらう。もちろん資金が入ることもあれば、資金を吐き出すこともある。トランプは、AからKまで13枚×4種類あるわけで、マニュアルには、それぞれのカードが意味するイベントの内容が書かれてある。最初、オリジナルでカードを作ろうと思っていたのだが、この方が準備が安易だった。報告書には、6つのエントリー国が何のカードを引いたかを書く欄も用意した。マニュアルに記されたイベントの文章には、太字の部分がある。それだけを報告書に書くよう指導する。もちろん、私も黒板に書くことにしている。今日は、ウガンダが、インフォーマルセクターのカードを引いた。ここで、ちょっと講義。報告書の重要なキーワードの欄にも説明を書かせる。資源輸出による通貨高騰などというかなり難しいキーワードも出てきたりする。ゲームの中で学ぶというコンセプトを毎回実践しているわけだ。

さて、6カ国全部がトランプを引いた。それぞれ収入増・収入減があるので、ゲーム性が高い。これも盛り上がる。2000sim儲けた国もあるし、折角の収入がほとんど無くなったと嘆く国もある。さて、悲喜こもごもで手に入れた資金を配る。各国で、その資金をどう使ってSDボードにある政策を選択するか討議の時間。

討議の結果をもって、代表がやってくる。「教育のレベル2と経済格差是正のレベル1をお願いします。」と、いう感じで資金と交換するのである。「糊もっていけよぉ。」「はーい。」という感じでカラーの政策カードを配り終えると、今日の授業も最終盤である。SDボードの今日の変化を書く欄を埋め、今日の感想などを書いているとチャイムが鳴った。SDボード、報告書、残金の入った封筒を回収して終了となる。

ある程度ゲーム性もあり、講義もあり、生徒どうしの討議もある。そんなアフリカSDゲームである。ちなみに、トランプで1度引かれたカードは、輪ゴムでくくり2度と使わないようにしている。52回÷6=8…4.セクションは最大8回にしようかなと思うのだ。

2013年5月2日木曜日

アフリカSDゲーム報告 その3

いよいよアフリカSDゲームも、準備段階を終え、本番に突入した。今日は普通科で第1回目のセクションを行った。今回は、生徒たちが、選んだエントリー国の独自の政策と、その政策を含めた9つの政策の優先順位についてまず報告しておこうと思う。

各国別の政策は、外務省のODAのHPからの各国別資料を要約したものを用意した。本校のフツーの生徒の参考資料としてはある程度精選が必要だった。しかし、生徒もなかなかやるものである。あまり詳しく教えていなのだが、いいところを突いてきた。ウガンダは、真っ二つに方向性が分かれた。北部の内戦をまずなんとかしようとする普通科。現在頑張っている科学技術を伸ばそうという武道科・体育科。同じエントリー国でも発想が違う。また普通科のザンビアも、武道科・体育科のザンビアも両方とも『地方分権』を選択した。資料には、ザンビアはサブサハラの途上国の中でも、かなり発展が進んでいるという資料に即したもので、なかなかいいところに目を付けている。その他、様々な視点から、彼らなりに話し合い、選択したようだ。

ただの興味づけのアクティビティにはしたくないし、ガンガンに講義して規定化されたようなアクティビティにもしたくない。私の想いは、どうやら成功したような気がする。

一方、この各国別の政策を入れて、共通の8政策群も合わせ、優先順位を考えてもらった。整合性のあるもの、あまり感じられないもの、いろいろだ。正解は当然ないのだが、もし、私が総括的に講義したら、「教育」と「保健医療」は、絶対的な上位に位置したはずだ。この辺のずれも、なかなか面白いのだ。学びは、ゲームを通じて順々に得てもらおうと思っている次第。次回は、ゲームの進め方について述べたいと思う。