2026年7月23日木曜日

イランの最終戦争論 考

YouTubeで、非常に興味深いイランからの亡命者である在米政治学者・バリ・ナスル氏のインタヴューを見つけた。https://www.youtube.com/watch?v=ezi8vIgseD0

ヨルダンの基地に攻撃を受け米軍兵士が2人死亡。アメリカが業を煮やして、この10日間ほど攻撃を続けているが、イランは絶対に折れないという論旨である。バリ・ナスル氏は、イラン革命前にシャーの側近だった聖職者の父親とともに亡命してきた人物であり、その立場はアンチ・イスラム共和国であるといえる。しかし、彼の洞察はイランという国の本質を率直に伝えている。

イスラエルとアメリカが民衆蜂起を好機と見て、イランを攻撃したわけだが、イランは決して『ルサンチマン』ではない。今や、蜂起していた市民も、その多くが革命防衛軍を支持している。長期戦に向けて決して折れないだろうと氏は言う。

イラン革命後の49年間、イランはアメリカの経済制裁を受けてきた。この恨みは、隣国の『恨』(ハン)のようなルサンチマン的なものではない。欧米の影響力を排除した革命後のイランは、十二イマーム派に導かれている強者であるという強い自負がある。よって、最後まで戦おうとしている。ここには合理性も打算もない。

このインタヴューの中で、私が最も興味深かったのは、「ハメネイ師は、イスラム教において核兵器は禁止されている。」というファトワを出していた。(2003年/AIで作成した画像参照)ただシーア派では死んだアヤトラのファトワは無効になる。後継のモジタバ師と聖地コムの聖職者しか更新することはできない。イランは安全保障上の理由から核保有を必要としているのだが、この20年間の戦略は過ちだったと認めている。IAEAの査察を受け核を持つ意思がないと証明しようとしたことが間違いで、インドやパキスタンのようにすべきだったと考えているという話。

アメリカは早期決着を図りたいところだが、イランは最終戦争を決意している。イランを屈服させるためには、トラ氏が言うように全国の発電所への攻撃を行い、一気に一般国民を疲弊させることくらいしかなさそうだ。だが、これは”殺す側の論理”による無差別な一般市民を巻き込む”コロシ”に他ならない。国内外の世論を納得させることが出来るかどうかだと思う。

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