2026年7月10日金曜日

地図で読むアメリカ10

https://www.huffingtonpost.jp/2017/01/25/dakota-access-pipelines_n_14380380.html
「地図で読むアメリカ」(J・M・Vardaman著/森本豊富訳/朝日新書)の書評、第10回目。第6章は、ハートランド地域である。副題は、ルイジアナ購入で得た広大な牧草地帯。今回も教材研究重視でエントリー。

この地域は、西経100度で二分されるのは、高校地理の常識であるが、外で働く男たちの帽子で見分けがつくようだ。西側は牧畜を象徴するカウボーイ・ハット、東側は農業機械会社や肥料メーカーから無料配布される野球帽である。

またこの地は、ネイティブインディアンの強制移住の地でもある。南部やアパラチア地域から「インディアンテリトリー」へ強制移住させられたたし、度々虐殺も行われた。公民権運動の時代は、ネイティブ・アメリカンも抵抗した。1975年に「アメリカ先住民自決権及び教育援助法」また1978年の「宗教自由法」(ネイティブアメリカンの神聖な場所へのアクセス、神聖な物の使用、伝統的儀式による崇拝の自由等を認めた)などが定められたが、2012年の国勢調査ぶよると年収は平均よりかなり低い。貧困率も30%。アルコール依存症や失業、ホームレスも多く、乳児死亡率も高い地域もある。州税や住民税は免除されているとはいえ、彼らの犠牲の上に成り立っていることは否定できない。

この地域は、スイング(左右に揺れる)地域と呼ばれる。都市部と農村部の違いも大きい。連邦政府に疑念を抱く人々も少なくないようだ。

また近年、ノースダコタ州(ND)とモンタナ州(MT)のシェール開発で天然ガスは、発電の34%を占めるようになり、石炭の30%を凌駕した。機械工、溶接工などのブルーカラーの雇用は増えたが、カナダのアルバータ州(AB)からテキサス(TX)の湾岸に伸びる「キーストーンパイプライン」(画像参照)とともに、環境問題や、農村・ネイティブアメリカンの居住区への影響も出ている。

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