2026年3月3日火曜日

性的マイノリティと聖書

https://www.youtube.com/watch?v=mNKgYlsurRc
「宗教からアメリカ社会を知るための48章」(上坂昇著/明石書店)は、反トランプ的=リベラルな立場から描かれていることを先に述べた。その好例として、性的マイノリティ(=LGBTQ)と宗教の話が33章に書かれている。本日はこの件についてのエントリー。

旧約聖書の創世記の19章のソドムの物語やレビ記の18・20章には「G」について、また新約聖書のローマの信徒への手紙1章には「L」について禁止の文言がある。著者はもちろん否定的な見解を示している。

同性愛を認めるアメリカの教会についても詳しい。世界初の同性愛者の聖職者による同性愛者のための教会は、メトロポリタン・コミュニティ教会(MCC:画像参照)。1968年、ロス・アンジェルスで創設され、世界22カ国に教会(信者数4万3千人:米国内2万人超)があるという。

主流派教会としては、1957年にカルバン派の会衆派教会と福音改革派教会が合同して説された合同キリスト教会(キリスト連合教会:UCC)が最も寛大で理解があるとされる。1972年に「G」、1982年に「L」の聖職者を任命、主流派教会で初めて同性婚を承認した。「T」の聖職者も27人いる。但し、一枚岩ではないようだ、また、アメリカ聖公会(=英国国教会)も同性愛者を神の子として認め平等であるとしている。2018年からLGBTQの結婚儀式を行っている。

一方、批判的なのは、南部バプティスト教会(SBC:1600万人)歴史的な黒人差別には謝罪しているが、LGBTQには断固反対。聖書の言葉を忠実に守って生活している故であるが、門前払いはせず、再教育のために受け入れるという立場。2017年にLGBTQに批判的な福音派の教会が保守的な神学的立場を「ナッシュビル声明」を出したが、SBCはその中心となった。

プロテスタントで2番目に大きな合同メソジスト教会も、同性愛はキリスト教の教義と相容れないと明記しているが、2019年に、この問題で分裂した。アメリカ・カトリック教会(7000万人)は、同性愛行為は罪深い、許されない行為であるが、行為をしていない同性愛者は罪がなく受け入れるとしている。本家のローマ・カトリック教会は、同性婚は創造主の計画に合わないので祝福できない、同性愛行為は罪と断じている。

これらを読んでみると文脈のそこかしこに著者のリベラルなスタンスが、かなり強調されている。私はブディストとして、別にLGBTQの人々の人権問題を云々する立場にない(つまり仏教では、同性愛は罪という概念がそもそもない故)ので、フツーに通読したのだが…。

宗教からアメリカ社会を見る

「宗教からアメリカ社会を知るための48章」(上坂昇著/明石書店)を、聖セラフィムの本とともに学院の図書館から借りてきていた。このところ、イランの問題とかがあって、なかなか読めなかったのだが、いよいよ読んでいこうと思っている。エリア・スタディーズの一冊であるので、項目にしたがって興味のある箇所から読んでいけるという利点もある。

まずは、著者のスタンスから。著者は完全な反トランプである。「(長年アメリカを研究してきたが、)トランプ再選時に縁を切ろうかと考えた。」と、あとがきに記している。私は、民主党の方が危ないと思っており、とはいってもトランプ政権の正義を信奉することもない。冷静に歴史の評価を待ちたい、というスタンスである。よって、読んでいて違和感を覚えるかも知れない。しかしながら興味深い項目が並んでいるので、粛々と、書評を記していくつもりである。

2026年3月2日月曜日

イラン情勢と展望Ⅱ

https://mainichi.jp/articles/20250622/k00/00m/030/066000c
イランは、これまでのイラク、シリアそしてリビアと同様に、大混乱するだろうと昨日記した。だが、その大混乱は、これまでと違って周辺国を巻き込むと思われる。それが本日付記したい内容である。

北部のアゼルバイジャン人には、当然アゼルバイジャン本国が独立を支持するだろう。西部のクルド人地区には、トルコやイラク・シリアのクルド人がそれぞれ独立を支援に回るだろうし、トルコ自体はそれを畏れて介入してくる可能性が強い。南部のホルムズ海峡近くはアラブ人が多く、石油利権も絡んで、サウジやUAEなどの介入も考えられる。一方東部では、パシュトゥーン人が多いのだが、先日からアフガニスタンとパキスタンが戦争状態に入ったようで、不穏な状況である。この影響がある可能性が高い。中央部の多数派のペルシャ人たちは、革命防衛隊と経済的困窮の一般市民の間で揺れ続けることになるだろう。

ここに、シーア派とスンニー派の宗派対立が絡んでくる。世界全体のイスラム人口で見るとシーア派は10%だが、中東に限ればは50%を占める。湾岸諸国は王国や首長国でイスラム共和国の革命思想を嫌っていた中東の盟主・サウジにとっては、イランが勢力を失うのは喜ばしいことであるが、イスラエルが次に中東のライバル化することに頭を悩ませているだろう。イスラエルの悲願は、メシアが(キリスト教原理主義者にとってはイエス・キリスト)が再臨するとされる第三神殿の建立である。現在ヨルダンが管理しているエルサレムの岩のドーム(イスラムにとって第三の聖地)に代わって第三神殿を建てると言い出したら、全イスラム教徒を敵に回すことになるだろう。その時、サウジの立場はこれまでで最大に窮することになる。

イランの指揮系統はおそらく大混乱しているだろう。湾岸諸国の米軍基地だけでなく市街地にも攻撃をしている。これはますます敵を増やすだけだ。

2026年3月1日日曜日

イラン情勢と展望

https://sys-guard.com/post-16381/
多くのネットの情報を鑑みるに、ハメネイ師が側近とともに、自らの事務所で空爆を受けて死亡したことは間違いなさそうだ。もっと地下深くに潜んでいるのかと思ったが、意外にあっけない最後を遂げた、と感じている。

問題は、実質的に軍事も経済も握っている革命防衛隊の動きと、経済封鎖に耐えられなくなっている多くの民衆の動きである。最高指導者が変わっていくことは十分考えられる。革命防衛隊内部で論議されるだろう。当然後継者は、さらに強硬な言を吐くしかない。ただ、ミサイルやドローンがどれくらい残っているのか。湾岸諸国の米軍基地やイスラエルのテレアビブに報復しているようだが…。

アメリカとしては、短期の攻撃で終わりたいと思っているだろう。イランは、ホルムズ海峡の封鎖をアナウンスしており、多くの艦船が航行停止しているようだが、ここだけは、力で排除する可能性は高い。革命防衛隊の様々な軍事・経済施設には容赦なく破壊する可能性も高い。あとは、国民次第というシナリオではないかと私は思う。

ただ、昨日、ブルキナファソの国民感情(反フランス感情や、もっとひろく反欧米のラスタ思想)のことを記したが、イランの人々にも反アメリカ感情は強いはずだ。CIAも、イランの民主化には否定的であるようだ。経済封鎖を解くためには、アメリカの傀儡政権を受け入れなければならないとすれば、まさに「囚人のジレンマ」(画像参照)に陥り、大混乱の末に国家分裂の危機が訪れるかもしれない。

2026年2月28日土曜日

イランの影で…サヘルの現状

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_117.html#ad-image-0
ついにイスラエルと米軍のイラン攻撃が始まったようだ。3月に入ると砂嵐の季節がやって来るので、戦闘機等のジェット機の飛行に支障をきたす故、攻撃は2月中に始まるのではないかという予想がされていた。今はまだ速報段階であるので、イラン情勢のことは置いておいく。

本日は、日本ではあまり報道されないアフリカ・サヘル地方の現状について訴えるYouTubeがあったので、そちらのエントリー。https://www.youtube.com/watch?v=TvNQQg8sLUU

私がブルキナファソの北部サヘルの地に足を踏み入れたのは、かなり過去の話になってしまった。すでにブルキナファソの治安状況は、外務省の情報では、サヘル地方はレベル4・退避勧告になっている。首都ワガドゥグもレベル3・渡航中止勧告が出ている。あんなに平和で、治安など心配する必要がなかったのが嘘のようである。(画像参照)

YouTubeによると、ブルキナファソだけでなく、ニジェール・マリ・チャドといった旧フランス領の地域は、極度の貧困、天然資源の搾取(ニジェールはウランで有名。ブルキナファソも金の算出が増えている。)が要因となって、軍部によるクーデターで、反仏意識が向上し、フランス軍も撤退。そのあおりを受けてアルジャジーラやISIS系のイスラム武装組織が暗躍しているようだ。軍は、テロ組織を十分に抑えきれていないらしい。

ブルキナファソ事情を少しばかり知っている私は、当時の民主政府(といってもデモクレイジー的であった)は、やはりかなり腐敗しているように映った。もちろん、専門家としてJICAで日本に派遣された教育省のエリート官僚や、経済学を学んでいた学生さんなどは、真剣に国の将来を考えていたのだが、SONYという名の電化製品&ゲームの店に入ると、むちゃくちゃ高価な製品も並んでいた。(汚職で手に入れた金で得た)高級官僚などの家族向けの店とのこと。大統領が作ったという私的動物園の横を車で通過したこともある。一方で、日々の食を得るのに苦労している人々も、数多く見てきた。

一方で、青年たちは、反訪米的で”ラスタ”思想が強かった。ネスカフェ(現地ではコーヒーをみんなこう呼んでいた。)の空き缶を加工して土産物を作り、欧米人に売っていたのだが、「お前らの売りつけたもののゴミを持って帰れ。」というコンセプトだった。こういう国民感情があったのだ。一方、貧困家庭から口減らしで、首都に出てきた半分ホームレスの子供たちの多くは、コーラン学校の生徒だった。と、いっても仏教で言う乞食行(こつじきぎょう)のようなことをしてわずかな食を得ていた。極度の貧困の中、彼らがアルカイダやISISの組織に、飲み込まれても全く不思議ではない。ただ、ブルキナファソのイスラム教徒は穏健で、キリスト教徒徒と対立しているわけではなく、両者の混在した墓場を見て大いに驚いたこともある。わりとゆるいのである。

ちなみに、軍隊も警察もブルキナファソでは、教育を受けたエリートである。HDIでも世界最下層のブルキナファソでは、軍人になるのはそう簡単ではない。彼らが、国を憂う気持ちも理解できる。よって、軍事クーデターを批判する気は私にはないし、反欧米感情やラスタ思想にも理解できるところが大きい。これからも”アフリカ”留魂録としては注目していきたいところだ。

2026年2月27日金曜日

確定申告&国境なき医師団

今年も確定申告に行ってきた。私はスマホの操作が苦手なので予約も含めて、今回も妻にほとんど任せっきりであった。(笑)ところで、国境なき医師団にずっと毎月少額を寄付しているのだが、税務署の担当の方に、国境なき医師団のことを聞かれた。初めてこのNPOの存在に接したそうだ。

国境なき医師団は、フランスに本部がある国際的なNPO法人。紛争地域だろう何だろうと医師や看護師とスタッフを派遣し医療活動に携わることで有名。できる限りのことをするのだが、やばくなると逃げ足も早い。私のM高校時代の教え子が、この国境なき医師団にスタッフとして関わっっていたし、学院の卒業生で、いずれ国境なき医師団に関わりたいという希望を持っている生徒もいた。そんな組織である。

2026年2月26日木曜日

運転免許更新&拘禁刑

https://digital.komei-shimbun.jp/web-contents/newsword/imprisonment
5年ぶりに運転免許の更新に行ってきた。前回は、四国・八幡浜警察署での更新で、往路の国道197号線の坂道で、愛車のエンジン周りから湯気が吹き出して夫婦で大騒ぎになった思い出がある。八幡浜で応急修理して、地元・三崎で改めて修理してもらったのだった。免許証は即日くれたのだが、今回は、今の免許証の有効期限を長くしつつ、だいぶ先(3月中旬)まで待たねばならないことになった。免許を取って長いが、今回は、いろいろとデジタル化されていて時代を感じる。

私は「優良」免許証だったので、30分の講義を受講したが、その中で最も驚いたのだが、交通法規と直接関係ないのだが、「拘禁」という用語である。重大な過失を犯した場合、今までは、懲役・禁錮という刑なっていたが、調べてみると2025年6月の刑法改正で、この懲役(服役と作業)と禁錮(作業無し)が一本化されたのだという。禁錮でも作業をしたがる場合が多いところから改正されたらしい。これに社会復帰ための教育を加味したものである。(画像参照)政経の授業で、懲役と禁固の相違を話すことはあるが、これからは拘禁で教えなくてはならないわけだ。知らなかった。社会科教師としては、少し情けない話である。