2013年5月9日木曜日

アフリカSDゲーム報告 その4

普通科の現代社会演習の授業で行っているアフリカSDゲームは、今日で第3セクションを迎えた。授業の進め方についてエントリーしたい。挨拶を終え、最初に毎回配布する報告書を配る。その後、各エントリー国に分かれ、SDボードと前回使わなかった資金の入った封筒を配布。

まずは、資源の国際価格の変化を決定する。これは私がサイコロを転がす。何故かというと、資源の国際価格は石油価格の変化に連動するという市場の原則があるのだ。サイコロの目が大きいほど価格はアップする。あまり変化するとゲームのバランスが崩れるので、最大でも±300simにしている。次に各国別の農産物価格である。これは各国の政府代表がサイコロを自ら振る。ゲーム性という観点から盛り上がる第一のヤマ場だ。(笑)これも目が大きいほうがいい。最大+300simである。しかし、1が出ると-500sim。今日は、ニジェールが1を出してしまい、普通でも農産物収入が低いのに悲惨だった。4で±0simというのは、まだまだ灌漑が進まず天水に依存するアフリカの農業の現状を加味している。

さて、報告書上で、この2つの収入と前回の残金をプラスしていく。「今回はキツイな。」とか言う声も聞こえる。(笑)さて、ここで、各国の企業社員がトランプを引く。アフリカで起こりえる様々なイベントを疑似体験してもらう。もちろん資金が入ることもあれば、資金を吐き出すこともある。トランプは、AからKまで13枚×4種類あるわけで、マニュアルには、それぞれのカードが意味するイベントの内容が書かれてある。最初、オリジナルでカードを作ろうと思っていたのだが、この方が準備が安易だった。報告書には、6つのエントリー国が何のカードを引いたかを書く欄も用意した。マニュアルに記されたイベントの文章には、太字の部分がある。それだけを報告書に書くよう指導する。もちろん、私も黒板に書くことにしている。今日は、ウガンダが、インフォーマルセクターのカードを引いた。ここで、ちょっと講義。報告書の重要なキーワードの欄にも説明を書かせる。資源輸出による通貨高騰などというかなり難しいキーワードも出てきたりする。ゲームの中で学ぶというコンセプトを毎回実践しているわけだ。

さて、6カ国全部がトランプを引いた。それぞれ収入増・収入減があるので、ゲーム性が高い。これも盛り上がる。2000sim儲けた国もあるし、折角の収入がほとんど無くなったと嘆く国もある。さて、悲喜こもごもで手に入れた資金を配る。各国で、その資金をどう使ってSDボードにある政策を選択するか討議の時間。

討議の結果をもって、代表がやってくる。「教育のレベル2と経済格差是正のレベル1をお願いします。」と、いう感じで資金と交換するのである。「糊もっていけよぉ。」「はーい。」という感じでカラーの政策カードを配り終えると、今日の授業も最終盤である。SDボードの今日の変化を書く欄を埋め、今日の感想などを書いているとチャイムが鳴った。SDボード、報告書、残金の入った封筒を回収して終了となる。

ある程度ゲーム性もあり、講義もあり、生徒どうしの討議もある。そんなアフリカSDゲームである。ちなみに、トランプで1度引かれたカードは、輪ゴムでくくり2度と使わないようにしている。52回÷6=8…4.セクションは最大8回にしようかなと思うのだ。

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