2012年8月13日月曜日

エレサレムのシナゴーグを見る

【イスラエル-(超)多文化共生(強制)の地を覗く-その12】
ヘブライ大学のシナゴーグ
イスラエルに来たかぎりは、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)を見たい。私はこれまでニューヨークで2か所、神戸で1か所見た経験はあるが、もっともっと見たい。ユダヤ教の多様性を知るにつけ、少しでも多く見たい。この辺は、息子と完全に方向性が一致する。彼もまたシナゴーグの看板を見つけると、開いてないか、入れるかというセンサー装置が働くようである。さすが研究者のはしくれ。(笑)その息子が、エレサレムで是非とも見せたいシナゴーグとして、3箇所紹介してくれた。

1つ目は、ヘブライ大学のシナゴーグである。このシナゴーグは、ちょっと変わっている。普通正面には、トーラー(モーセ五書)を収めた祭壇があるのだが、ここは窓なのだ。左右の祭壇に挟まれたその窓から見えるのは、「神殿の丘」(嘆きの壁や岩のドームがある丘)なのである。思わず、おおっと叫んでしまった。最初の最初に、息子は我々夫婦をここに連れてきたのだ。うーん、なかなかやるな。ヘブライ大学は神殿の丘の北東にあるスコーブス山麓にある。実はここは戦略上の要地で、イスラエル建国前に、ここに大学が作られたのだ。いかにもユダヤ人らしい発想である。アインシュタインが教鞭をとったヘブライ大学の核は、この神殿の丘を望むシナゴーグにあるらしい。ところで変なものをこのシナゴーグで見つけた。取っ手が二つあるコップである。「何に使うのか?どうやって使うのか?」と息子に聞くと、「安息日の食事の時に大家さんが教えてくれるだろう。」との返事。「これ教材に欲しい。」と言うと、後でユダヤの宗教用具の店で購入の手はずをしてくれた。

グレート・シナゴーグ
2つ目は、イスラエルのシナゴーグの総本山にあたるグレート・シナゴーグである。新市街にある。その名の通り、大きなシナゴーグである。ステンドグラスが美しい比較的新しい建物である。面白いのは、このシナゴーグの建設に資金出した人々の名前が記されているのを見たら、アメリカ在住のユダヤ人が多かったことだ。アメリカのユダヤ人は、イスラエルに対して強い想いを抱いている。この辺については、案外イスラエルに住むユダヤ人は淡白である。イラン出身の大家さんの言。「アメリカのユダヤ人が想っているほど我々はアメリカを想っていない。そんなにイスラエルが好きなら、ここに住んでみろと多くのイスラエル人は思っている。」…なるほど。重い言葉である。

シャガールのステンドグラス ヘブライ大学付属ハダッサ病院のシナゴーグ
3つ目は、息子たちも初めて訪れるという、シャガール作のステンドグラスがあるシナゴーグである。エレサレムの西端にあるヘブライ大学の別のキャンパス付属ハダッサ病院にある。なかなか遠い。シャガールは、我々夫婦も大ファン。以前兵庫県立美術館に見に行ったくらいだ。そのシャガールがイスラエル12部族をテーマに作ったステンドグラスがあるのだ。3枚ずつ天井の四方を取り囲んでいる。美しい。まさしくシャガール。6日戦争の時爆撃され4枚が破損したが、シャガール本人がさらに新しいもの制作し、寄贈したという。小さいが素晴らしいシナゴーグだった。

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