要するに、マルクスの唯物史観にある”下部構造が上部構造を規定する”という話であるが、本書では意外なことが書かれてあった。この下部構造・上部構造はマルクスが言った言葉ではなく、「経済学批判」の中で「経済=土台(Basis)」というテーゼをもとに演繹された言葉であるらしい。
エンゲルスも「マルクス回想」の中で、「人間は、政治、科学、宗教、芸術などと関わる前に、まず食い、飲み、住み、着なければならない。(中略)ある国民またはある時代の、その時々の経済的発展段階が土台(Basis)をなし、そこからその人々の国家制度、法律思想、芸術、また宗教的観念は発展してきた。従って、これらのものもまた、この土台(Basis)から説明されなかえればならない。」と述べているが、上部構造・下部構造という語彙は使っていない、というわけだ。
…昨日は尼崎まで、以前読んでいた「帳簿の世界史」を再読しながら向かった。中世・イタリアと簿記は関係性が深いので、イタリア留学をする商学部の学生である彼にプレゼントしようと思ったのだ。帰りは読む本がなくなったので、購入したという次第だが、また書評というか自学の記録として残そうと思う。
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