2025年3月17日月曜日

経済で読み解く世界史

学園OBとの邂逅の後、尼崎駅の本屋で、「経済で読み解く世界史」(宇山卓栄著/扶桑社新書)を購入した。著者は代ゼミの世界史講師だった方である。受験の世界史の専門家だが、些末な歴史の知識より、本質を学ぶために経済から考えることを提唱し、本書となったようだ。

要するに、マルクスの唯物史観にある”下部構造が上部構造を規定する”という話であるが、本書では意外なことが書かれてあった。この下部構造・上部構造はマルクスが言った言葉ではなく、「経済学批判」の中で「経済=土台(Basis)」というテーゼをもとに演繹された言葉であるらしい。

エンゲルスも「マルクス回想」の中で、「人間は、政治、科学、宗教、芸術などと関わる前に、まず食い、飲み、住み、着なければならない。(中略)ある国民またはある時代の、その時々の経済的発展段階が土台(Basis)をなし、そこからその人々の国家制度、法律思想、芸術、また宗教的観念は発展してきた。従って、これらのものもまた、この土台(Basis)から説明されなかえればならない。」と述べているが、上部構造・下部構造という語彙は使っていない、というわけだ。

…昨日は尼崎まで、以前読んでいた「帳簿の世界史」を再読しながら向かった。中世・イタリアと簿記は関係性が深いので、イタリア留学をする商学部の学生である彼にプレゼントしようと思ったのだ。帰りは読む本がなくなったので、購入したという次第だが、また書評というか自学の記録として残そうと思う。

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