2025年6月19日木曜日

「伝授!哲学の極意」書評Ⅰ

「伝授!哲学の極意」(竹田青嗣/苫野一徳 河出新書)を昨日購入した。苫野氏は竹田氏の弟子あり、対談によって「哲学の本質から考えるということはどういうことか」を明らかにしようとするものである。まだ読みかけてすぐなのであるが、興味深い記述があった。

宗教は「物語」で世界を説明する、宗教の「物語」の最も重要な役割は、共同体の「善悪」「聖俗」のルールを立てることで、神の名で命じること、神の威力で人々にルールを守らせる、そのことで共同体の秩序が定まる。(趣意)

キリスト教やイスラム教などの教義宗教は、その最終形態(崩壊せずに存続できたという意味)であるのだが、宗教にはどうしても共同体の壁を超えられないという問題があり、ここに哲学が登場した必然性がある。(趣意)

ヨーロッパのカトリックとプロテスタントの分裂について、宗教は「物語」でできているので、2つの宗教的「物語」の対立故に解決の道はどこにもなく、激しい宗教戦争になった。(趣意)

…本日は書評の初回であるので、あえてここで止める。現在のイスラエルとイランの戦争も、上記のごとく「物語」それも双方とも多分に悲惨な過去の「物語」である故に、解決の道は何処にもないような気がする。

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