大阪アベノの新しい高層ビル |
さて、25日付の毎日新聞朝刊に、TICADⅤに合わせて「日アフリカ官民連携人材育成構想」(仮称)の記事が出ていた。今後5年間で、現地にもうける人材育成センターで、セレクトされたアフリカの若者を1年で200名、計1000人を留学生として日本に迎え、卒業後は、日本企業(現地もしくは国内)で雇用するという計画である。外務省・経済産業省・文部省と現地日本企業、JICAを中心に運営するらしい。予算は約100億円だとか。
現在のJICAのスタンスと大きく異なる点は、「投資環境の整備に必要な法制度」などを学んでもらうという想定である。(記事には農業技術云々も含まれているが…。)要するに、日本からの投資環境の金融や法律に明るい人材を育成するということだ。このことは、ポール・コリアーの『最底辺の10億人』・『民主主義がアフリカ経済を殺す』から最終的に導かれる、投資を拡大する法整備と、信用度アップという観点と全く同じである。また、ODAなどよの社会資本投資より、民間資本投資の必要性こそが重要だという、ダンビサ・モヨ女史の『援助じゃアフリカは発展しない』の影響も大きいはずだ。今の開発経済学は、そっち(経済から政治・あるはガバナンス整備)の方向に向かっている。実は、私のアフリカSDゲームでも、この『投資のための金融と法整備』は、基本的な8つの政策の1つに入れてある。比較的安価で人材育成が出来て、地味だが経済発展に必要不可欠な政策だと私も考えて挿入したのである。
日本政府も、こういう開発経済学の成果を大きく実行しようというのだろう。これまでJICAは様々な工業技術や、行政関係の研修員さんが多かったようにと思う。それに対して、官民一体となって(日本株式会社として)金融・法律・政策といったビジネスをささえる人材を日本で育成し、日本企業に優秀な人材を雇用して現地のネットワークづくりにも乗り出すというわけだ。
現地の人材育成センターは10か所だと記事にある。先日エントリーした(5月19日付ブログ参照)レンティア国家の15カ国と、ケニア・ウガンダ・ガーナ、ナイジェリアなど地域の中心国と、フランス語圏のセネガルあたり(コートジボワールはまだ治安が完全回復していない。)からセレクトされるのだろうと私は思う。英語圏・仏語圏・ポルトガル語圏という公用語のくくりと、東アフリカの経済圏、南部アフリカの経済圏、西アフリカ経済圏、中央アフリカのセーファーフラン経済圏とその他の地域などの経済圏のくくりを止揚するかたちで決めていくのだと思われる。英語圏なら日本での研修・雇用は大きな問題はないが、仏語とポルトガル語圏の人々は大変だ。でもはずせないはずだ。モザンビークやマダガスカルなど重要な国がある。
この辺、日本の国益がどうしても見え隠れする。うーん、ちょっと、昔のアベノみたいに胡散臭いかな。
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