2013年7月1日月曜日

アフリカSDゲーム報告 その6

アフリカSDゲームを実践した現代社会演習の期末考査試験が今日行われた。ゲームを終了してから、改めてアフリカ開発経済学を講義したのだが、その内容をもとに試験を作ったのだ。採点してみると、全体的に高得点(平均78点くらい/100点)であった。なかなかよろしい。(笑)
一方、次の日曜日に広島で、学会の研究発表大会がある。今回の発表では実践中だったSDゲームの内容を抄録に記して送付した。なんとも中途半端な文章になっている。5月に抄録を書きながら、パワーポイントを作成していたのだが、実践を終え、改めて手直しをしているところ。

20分と言う短時間に、SDゲームの実践方法を論じるのか、アクティビティがめざすところを論じるのか、難しいところである。結局、今回の発表では、6月のTICADⅤとの絡みで、アフリカ開発経済学の現在と、SDゲームの関わりを中心に論じることにした。

グローバリゼーションの中で、世界の工場・中国が資源をアフリカに求めたことと採掘技術の向上によって、世界中の目がアフリカに集まった。そのレントが経済成長率を向上させている。ゲームでは今注目されているレンティア国家を6カ国設定した。TICADⅤ前に日本が「資源開発促進イニシアチブ」として招へいした15カ国(5月15に付ブログ参照)と対比すると、ウガンダ以外の5カ国が全て入っている。ウガンダは別の意味で重要な国なので、5/6という確率は私にとって十分な数字だ。
TICADⅤでは、日本企業のアフリカ投資を推進するというスタンスが強かった。これもSDゲームのスタンスと同じである。平野克己先生の著作を始めとして、ここ数年の開発経済学の流れの中で設定した政策8項目は、およそTICADⅤと矛盾しない。そればかりか、現地の金融面や法律面の整備強化のために日本の専門家を派遣し、また日本でもアフリカの若人を人材育成するという打ち出しは、まさにゲームで設定しているところである。
生徒には、共通政策8項目の設定理由について講義した。
①HDI(人間開発指数)向上において、最も重要な教育・保健医療の2つの基本的政策。
②アフリカの食糧輸入が貧困の一因になっていること、それゆえの農業生産性向上。
③さらに農業では儲からないので、工業化を推進するために必要な方策としてのエネルギー・インフラ、金融・法律システムの整備をセットで講義した。
④さらに治安と経済格差の密接な関わりを講義した。コンパクトにまとめたので理解しやすかったようだ。とはいえ、発表まで、あまり時間がない。少しばかり焦ってきたのである。(笑)

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