JICAブルキナファソの理数科教育のセミナーにて |
なかなか有用な記事であると私は思う。ブルキナファソのHDI(人間開発指数:開発経済学で、貧困の度合いを示す。)が世界最底辺レベル(統計の出ている国の後ろから3番目くらい。)に位置するのは、HDIの主な三要素のうち、経済力を意味する1人あたりのGDPというよりは、教育と保健医療のレベルが極めて低いからである。私は、ブルキナファソに行った時、JICAのカウンターパートナーだった教育官僚と話したことがあるが、現在、6歳からの義務教育が無償化されていることに感動した。大きくブルキナの教育は進展している。
記事の中で、平川記者は夜間学校に公的支援を行う必要性を大きく主張している。その想いはよくわかるし、同感なのだが、いずれそうなるだろうと思う。政策には優先順位がある。まず適齢期の子供の教育が重要なのは間違いない。教員の資質向上も重要だ。JICAの専門家の意見では一様に教員の資質はひどいらしい。一気に改革が進むとは思えない。ジャーナリストとして、この問題を問いかける意義は大きいが、そういう必要不可欠な時間的側面もあるのではないか、と私は思う。
もうひとつ。ブルキナの人々の真摯な『あたりまえ』に働く姿が、クアラ・ジャンマリ氏の言に潜んでいる。学校に行けなかったことを彼はマイナスに捉えていない。実際、識字の必要性を感じてから、ワクワクして学んでいる。この前向きさ、ひたむきさ。まさに我々が学ぶべきアフリカの『あたりまえ』があると思うのだ。私は尊敬さえすれ、上から目線で彼の人生を見るべきではない。モシ語の「ソングレ」は、きっとスワヒリ語の「ハランベー」同様、互いに支え合うという意味合いの強い「助け」であると思うのだ。
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