2021年7月29日木曜日

秘伝 教材研究(世界史編)Ⅰ

https://kinarino.jp/cat8-
世界史の教材研究について、エントリーしようと思う。世界史はH高校時代に受験対応したことがあるけれど、専門ではない。これは、という内容だけ記しておこうかなと思う。

その是非はともかく、ヨーロッパ史が世界史の主軸となっている。ギリシア・ローマの古代史は、その変遷から学ぶことも多い。アテネの民主制は、王政から貴族政、ソロンの財産政治(財産を元に4等級に分けて、参政権と兵役の義務の分配)、僭主政治、その後の民主政治の確立(陶片追放、ペルシャ戦争・サラミスの開戦で無産市民が漕ぎ手として活躍、ペリクレスの直接民主制)、ペロポネソス戦争と衆愚政治と変遷する。どのような政体が良いのかの試行錯誤は、ローマでも同様で、貴族共和制から地中海製の覇者となり、下部構造の変化(奴隷経済化)と共に民主共和制も変化し、内乱の一世紀を経て、三頭政治、帝政となった全盛期(パクスロマーナの時代)、3世紀の危機があり、衰退へと向かう。

ここで問題になるのは、常に持てる者と持たざる者の葛藤である。様々な要因でこれらが変化していく。基本になるのは、持てる者は戦争に参加する権利があるという概念が一般化したことに注目したい。ローマ市民であるか否かは、戦争に参加できるか否かであった。(例外は、ギリシアのサラミスの開戦。ローマでは重装歩兵の没落の後、無産市民が傭兵化する。)

ギリシア・ローマの歴史は、ヨーロッパの「自由な個人vs不自由な共同体」という社会の二重構造誕生の歴史である。また、「法」という概念が一般化されたことも大きい。

しかも、ローマ帝国の領土であったか否かは非常に重要で、司馬遼の「街道を行く~愛蘭土編」に書かれていたと思うが、それ以外は、田舎であるという見方が今も存在する。(画像参照)

これに対して、エジプトやメソポタミアに始まり、広くアジアをも含んだオリエントの歴史は、専制の度合いがはるかに大きい。民主制を生んだヨーロッパとは社会構造が違うのである。ロシアは普通ヨーロッパに分類されるが、オリエントの要素というかアジア的なモンゴルとの関わりが強いので、専制的であるわけだ。これは、社会主義化したソ連でも、現在でも同様である。私は、こういうメタな視点を重視したい。

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