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Af(熱帯雨林気候)は、マレーシアで3年半住んでいたので十分に話ができる。スコールや植物の生育の早さなどを面白おかしく語ることが出来る。その他にも、アマゾンのピラニアの話をすることが多い。これは旅行人という雑誌に載っていた話だが、ピラニアは入れ食いで良く釣れるそうだ。これを刺身にして食した日本人旅行者がいたそうで、その後手にふくらみが出来、それが頭部に向かって毎日移動するという恐怖の話である。医者に駆け込んだら、ピラニアを生で食べただろうと言われ、淡水魚の寄生虫の怖さが伝わる話になる。あるいは、マラリアを運ぶ蚊は、夕方以降、足首しか狙わないこ、12回刺されると免疫ができる話など、これはアフリカで聞いた。ブルキナファソで、仏製のマラリア予防薬を買ったのだが、フツーなので、インパクトが全くないので見せることは少ない。(笑)それより、オオトカゲがマレーシアの道に出てきた話などのほうが面白い。ところで、Amという、AfとAwの中間型の気候区があることをここで教える。最も大きな違いは、高低差が激しい熱帯雨林に対し、Amのジャングルは、高さが揃っているくらいだ。よって、熱帯雨林=ジャングルではない。
Aw(サバナ気候)は、ケニアで体験した。雨季と乾季の差が激しいことを法則的に理解させる。もちろん、サバナ(熱帯草原)のことは重要。野生動物サファリの話も出す。乾季の轍(わだち:車の通った後)は、かなり凸凹でサファリで話をしていると舌を噛んでしまう。それほど過酷な気候であるわけだ。
Cw(温帯冬季少雨気候)は、何と言っても香港である。夏の香港は湿潤というには過酷で、数分歩いただけで、パンツまで汗でびしょびしょになった。カンフー映画などで、香港の人々がほとんど開襟シャツ姿なのを想起させる。私の知る限り、香港映画でコートを着ていた男が登場するのは少林サッカーだけである。Cwは香港映画の世界なのだ。
Cs(地中海性気候)は、イスラエルやオーストラリアのパースで経験した。温帯で夏乾燥するということは、乾燥帯に近い気候区であることを理解させたい。トマトなどは、水をやりすぎるとよくない。少ない水を実に溜めていく。これは、鉄腕ダッシュの今は無きダッシュ村で城島が失敗した話で、ブドウにしても同様、水が少ない方がいい。Csの気候は、トマトやブドウに適しているわけだ。意外にスペインの奇祭トマト祭りのことを生徒は知っていたりする。すでに地中海性農業の話になっていくのもいい。Csの小麦生産は硬質小麦になる。勘のいい子は、ここでパスタを連想してくれる。ピザの生地もそうだ。イタ飯は美味いよねえという話になる。
Cfa(温帯湿潤気候)は日本の北海道以外の気候区なのでいつも割愛する。四季が明瞭なのが特徴なのだが、夏夏夏夏ココッナツのマレーシアと比較すると面白い。マレーシアの学生たちには、「諸国民の春」「プラハの春」「アラブの春」といった「~の春」という世界史の語彙が分かりにくいのである。
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Df(冷帯湿潤気候)とDw(冷帯冬季少雨気候)の違いは、北海道の人々の”しばれる”という表現から入る。寒いという意味だが、雪が降っているときと、降っていない時では、どちらが”しばれる”のだろうという質問をする。正解は、雪が降らないほうが”しばれる”のである。では、DfとDwでは、どちらが寒いか?意外に、この質問は難しいらしい。生徒の頭の中には、f:1年中雨がフルフル/w:冬に乾燥というテーゼが刷り込まれているので、降水量=雨オンリーに考えてしまい、混乱するのである。冬は雪やろ。Dwは、雪が少ないという意味で捉えれば容易にこちらの方が寒いことがわかる。植生などはタイガ(針葉樹林帯)が中心で、あまり差はない。時間があれば、シベリア鉄道の話などをする。シベリア鉄道の暖房は電源車を連結していても絶対石炭ストーブ。万が一にも凍死しないための配慮である。ちなみに、北海道がDfであることは、絶対確認しておくべき事項である。…つづく。
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