2021年7月15日木曜日

秘伝 教材研究(地理編)3

ブルキナファソのサヘルへの途中に寄ったモスク 気候区分はBSとBWの中間地帯 ちなみに雨季で緑もある
BW・BS・ET・EFは無樹木気候である。これらは、大文字+大文字で表される。

BW(砂漠気候)については、私はブルキナファソの北部、サヘルに行ったこともあるし、カリフォルニア州とネヴァダ州のモハーヴェ砂漠をドライブしたこともある。経験談としては、サヘルの村で野宿(ベッドと蚊帳は用意してもらったが…。)する前に、持っていた全ての衣服を着こんだことを話す。昼間はかなり高温だが、夜はぐっと気温が下がるのがBWだからだ。気温の年較差より日較差の方が大きいのである。たしかに朝方はかなり冷えた。ガイドのオマーン氏やドライバーは、そういう事実を全く無視して、カーペットの上にそのままでごろ寝だったけれど…。(笑)アメリカでは、給油に立ち寄ったガスステーションで不意にボンネットに手を当て火傷しそうになったこともある。

だが、BWの話で最もセンセーショナルな話は、砂漠における死亡事故の最多原因である。生徒諸君は、だいたい水分不足とか、熱中症とかだと考える。しかし、正解は水死である。砂漠にはワジと呼ばれる枯れ川がある。ここは、ラクダに乗った隊商にとっては、絶好の道でよく利用される。しかし、砂漠の怖さはここにある。遠くで豪雨が降った場合、鉄砲水となってこのワジに押し寄せるのである。砂漠の雨は、意外に降る時は降るのである。

BS(ステップ気候)は、BWの周囲に展開する。一番イメージしやすいのはモンゴルの草原だが、これに限定しない方がいい。ある程度の降水量があり、ブルキナファソのサヘルへの道などでは、雨季ゆえに草も生えていた。ただ、農業は厳しい。土壌がかなり乾燥しているので、日本で考えるような耕すという行為は難しい。家畜は羊やヤギが多かった。ウクライナのように、黒土のBS地帯もある。水さえ確保できれば農業ができる。それがBSである。

ET(ツンドラ気候)とくれば、地衣類やコケのみの植生で、これらを餌にするトナカイの放牧ができるくらいである。私はたとえ夏であっても行きたいと思わない。理由を生徒に考えさせる。ヒントは、この辺は冬の寒さが厳しく、雪解け水が豊富な湿地帯が多いことである。正解は、蚊が無茶苦茶多いことである。湿地帯でボウフラが繁殖するのである。以前グレートジャーニーというTV番組でツンドラ地帯を移動する場面があったが、養蜂家のような恰好が必須であった。また、Csのオーストラリア・パースで蠅が多くて難儀したので、妻が網つきの帽子をかぶっていたことがある。蠅と蚊を比較したら、やはり蚊のほうが嫌だと私は思う。

グリーンランドのET地帯では、小さな渡り鳥を虫取り網で採りまくり、穴に入れで発酵させるとうこともTV番組で見た。この鳥、凄く臭いらしいが、実に美味らしい。(臭い=美味?)イヌイットの海獣の取り方や海獣の骨でつくったけん玉の話もしたりする。

EF(氷雪気候)については、あまり面白い話はない。(笑)…つづく。

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