2024年5月28日火曜日

アフリカ哲学への招待

https://webgenron.com/articles/article20240527_01
中間考査の採点がひとまず落ち着いたので、学院の図書館で哲学の本を2冊借りてきた。この書評はまた後日にするとして、帰宅後たまたまネットで、「アフリカの哲学への招待ー他者の哲学から関係の哲学へ」(中村隆之/前・後編)という記事を読んだ。ものすごく端的にまとめてしまうと、前編では、欧州の人間による他者からみた人類学的な民族哲学の紹介から始まったアフリカ哲学とその批判の系譜が語られ、後編は、奴隷貿易によるカリブ海や北米にディアスポラしたアフリカ系の人々の関係性を問いかける哲学の新たな構築について語られている。

アフリカを愛してやまない倫理の教師である私としては、実に興味深い記事だった。ここに登場する邦訳された書籍も是非読みたいと思っている。幸い、今回借りてきた哲学とは関係が深いようだ。まずは、そこから、というつもりである。

…アフリカの哲学というと、私がまず浮かぶのは、利己的な個人主義ではない、どちらかというと集団主義的な社会思想かなと思う。ケニアのハランべ―(助け合い)もそうだし、情の経済もそうだ。血縁や地縁のギブ アンド テイクの親密な関係が極めて濃い。土地についても、個人ではなく村の所有であって、村長は管理者。たとえば未亡人が出来したら、村として土地を分け与えて、生業を助けるのが当然といった感じである。この裏には利己的なスタンスに対しては、呪術的な報復への恐れのようなものも存在する。意外に日本人には理解しやすい。また以前、京大の公開講座では、在来知という概念を教えてもらった。アフリカから学ぶことは多いと私はずっと考えている。こういうジャンルがあることを知って、新たな知への探求を進めたいと思った次第。

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