2024年6月18日火曜日

木綿のハンカチーフ

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昭和は遠くなりにけり、である。時折、昔のフォークや歌謡曲などを聞く事がある。歌謡曲は、TVの歌番組などで、なんとなく耳に入り、なんとなく歌詞を覚えてしまう時代だった。そんななかで、私が特に名曲だと思うのは、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」(1975 年)である。

この歌は、田舎で恋人同士だった2人の哀歌である。歌詞は、時間軸で変わっていく。「東へと向かう列車」という歌詞から、東京に就職したのであろう男性が、「華やいだ町で贈り物を探すつもりだ」と切り出すと、女性は、贈り物などいらないから「都会の絵の具に染まらないで帰って」と応じる。松本隆という作詞家は凄いなと言わざるを得ない。まさにプロである。”都会の絵の具”…凄いフレーズである。

結局、都会の絵の具に染まった男性は、もう帰れないと別れを決意する。これに対し、女性は最後の贈り物として「ねえ涙を拭く 木綿のハンカチーフ下さい」と応じる。極めて安価で普通で飾りのない”木綿”のハンカチではなく、”ハンカチーフ”である。…極めつけの凄いフレーズではないか。

今もなお、熱いものがこみ上げてくる歌である。あるYouTubeのコメントに「こういう歌を聞いて感動できる心はずっと持ち続けていたいもんだなぁ」とあった。まさに同感である。

https://www.youtube.com/watch?v=9uN1GdD4VCo

このような歌はもう作られることはない気がする。モノではなくココロ。時代と感性が違う。

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