2024年6月24日月曜日

コーランの中のキリスト教Ⅳ

https://media.ascensionpress.com/2017/04/10/reasons-confident-historical-jesus/
「コーランの中のキリスト教ーその足跡を追って」(J.グルにカ著/教文館)の書評の続きを再開したい。前述したが、この本は、キリスト教神学の「聖書学」の見地から書かれていることを確認しておく。

召命以前のムハンマドがキリスト教徒と接触していたことが知られている。ガブルという名のキリスト教徒の奴隷と談笑したり、(新約聖書が朗読される)典礼にも触れている。その新約聖書は、「ディアテッサロン」(マタイの福音書を主にして共観福音書の物語をヨハネの福音書の年代的な枠にはめ込んだもので、”4つのものから”の意。2世紀後半にアッシリア人・タティアヌスの手によって、ギリシア語・シリア語などで編纂されたもの。)や外典福音書(エピオン派福音書・ヘブライ人福音書・ナゾライ(ナザレ)人福音書)などであり、これらはユダヤ人キリスト教起源のものである。

著者は推測でしかないが、としてこれらのテクストをなぜムハンマドが優先させたのかについて、当時すでに、これらの内容が民衆に部分的に知られ、かなり人気があり、聖母マリア(マルヤム)への関心も高かったことは疑い得ないとしている。

イスラムの側からすると、クルアーンは全て、天使ガブリエルを介した神の啓示であるので完全否定するに違いない。

0 件のコメント:

コメントを投稿