2024年6月23日日曜日

クルアーンに登場する預言者

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PBTの教え子から貰った私が所持しているクルアーンと同じ画像
「コーランの中のキリスト教ーその足跡を追って」(J.グルにカ著/教文館)の書評を続ける前に、クルアーン(=コーラン)に登場する預言者(神によって選ばれ、言葉を授かった人々=ナビ―)について述べるべきだと考えた。クルアーンには、およそ25人の預言者が挙げられている。中でも五大預言者は、ノア(アラビア語ではヌーフ:以下同様)、アブラハム(イブラーヒーム)、モーセ(ムーサー)、ナザレのイエス(イーサー)、ムハンマドである。

それ以外の預言者は、アダム(アーダム)、エノク(創世記に登場:アダムの子=カインの息子/イドリース)、エベル(創世記に登場:ヘブライ人の名の由来/フード)、サーリフ(詳細は不明)、ロト(創世記・ソドムの伝説に登場する/ルート)、イサク(アムラハムの子/イスハーク)、ヤコブ(イサクの子/ヤアクーブ)、ヨセフ(ヤコブの子/ユースフ)、リウエル(詳細は不明)、ヨブ(ヨブ記のヨブ/アイユーブ)、エゼキエル(エゼキエル書で知られる/ズルキフル)、アロン(モーセの兄/ハールーン)、ダビデ(旧約のサムエル記・列王記に登場するイスラエルの王/ダーウード)、ソロモン(ダビデの子/スライマーン)、エリヤ(モーセ以後の最大の預言者とされる/イルヤース)、エリシャ(エリヤの弟子/アルヤサア)、ヨナ(旧約ヨナ記に登場/ユーヌス)、ザカリア(洗礼者ヨハネの母/ザカリヤ―)、洗礼者ヨハネ(ヤヒヤー)である。

キリスト教(新約聖書)に関わるのは、イエスと洗礼者ヨハネ、その母ザカリアの3名のみであることがわかるだろう。ムハンマド以外の他の預言者は、ほとんどが旧約聖書に登場する。ペテロやパウロは入っていない。

イスラム教は、ユダヤ教・イスラム教の伝統の上に存在しているが、ユダヤ教の選民思想、キリスト教の三位一体を否定しており、イエスは神の子ではなく人間としている。面白いのは、クルアーンは聖母マリア(マルヤム)の受胎告知と懐妊を認めているが、アダムの創造と同じ、神の創造的天意である、としている。

「コーランの中のキリスト教ーその足跡を追って」は、キリスト教神学の聖書学からのアプローチであるので、イスラム側の論理と完全に一致はしないという前提で、さらにエントリーを進めていきたいと思っている。

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