2013年3月21日木曜日

ケニアが産油国になる日

本当なら、今日は一次内示(転勤が判明する)の日だったのだが、全市的に延期になった。(教員になって33年、初めての事態である。)私自身はほとんど関係ないが、学校運営上、新年度の準備のスタートとなる重要な日で、予定していた全ての会議がぶっとんだ。来年度の持ち教科や校務分掌の最終決定も持ち越しである。というわけで、指導要録の仕事をひと段落させてから、有休を取って早めに帰宅したのだった。

さて、本題。ケニアのグレートリフトバレー(大地溝帯)の試堀井で原油が出てきたらしい。このへんの原油埋蔵量はケニアの国内消費の300年分。ウガンダではすでに原油生産が始まっており、南スーダンからもパイプラインが伸びて、ケニアのインド洋岸に集積される予定らしい。エチオピアの大地溝帯でも試堀が始まるとか。東アフリカは、今そういう活況の中にある。

うーん。ケニアはスワヒリ語を公用語としたことで、なんとか表面上は国民国家らしくなっているが、数多くのエスニックグループで構成されている脆弱な国家だと私は考えている。故ピーター・オルワ氏は、「スワヒリ語を子供らが、学ぶことがなにより大事やね。民族を越えて同じケニア人同士として語り合えるから。」と私に言ったあとで、「ケニアが平和なのは、野生動物以外何もないからね。ケニアは観光で生きていける。もし鉱産資源があったら、独立の時、内戦になっていたかもしれないね。マサイは数が少ないけど、強いのは誰もが認めるから、マサイが権力を求めて立ちあがっていたら、ケニアの歴史はきっと変わっていたね。」と述べていた。そう、このケニア=脆弱国民国家論は、ピーターの受け売りである。

マサイが立つかどうかはともかく、ケニアも「レンティア国家」になるのだろうか。ガーナでさえ、資源の呪いが民主主義を歪めた。(3月14日付ブログ参照)今回のケニア大統領選は静かに推移したとしても、これから先はわからない。原油生産の拡大。レントによる収入増。経済成長。しかし、それと同時に失うものも大きい。
多民族国家のケニアでは、エスニックグループの輪(和)がなにより大事なのだ。ピーターの言はそれを私たちに訴えかけている。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130321/mcb1303210500002-n1.htm

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