家族づきあいをしているH城鍼灸院が、患者さんでPBL(問題解決学習)の指導をされているW先生の講演会を開くことになったのは、ほぼ1か月前のことである。(2月17日付ブログ参照)W先生は、大手企業で技術者として働き、ドイツにも駐在経験がある方で、社員教育のプロとしてPBLを極められた方である。大学で教鞭を取られたこともあるし、現在は大阪の有名私立高校で客員講師を務めておられる。…妻と共にこの講演会の手伝いをすることになったのだった。
今日は、「地頭力を引き出すつどい」と銘打った講演会だった。どっちかといえば、PBLというより、いかに学習効果を上げるかという教育熱心な保護者が泣いて喜ぶような話が中心だった。対象が小学生から高校生、保護者までと広いので、PBLを本格的に行うのは極めて難しいと思われる。そこで、PBLの土台となる「地頭」の力を引き出すメソッド(方式)を教授下さったのだと思う。
まずは、姿勢と呼吸法。なんでも西野バレエ団考案の呼吸法らしい。来年度の授業で使おうかな。(笑)これで、切り替えと集中力UPが得られるらしい。さて「地頭力」とは「答えのない問題を解く力」だという。なるほど。PBLの土台だ。これを高める方法は、まず①(将来の、人生の)目標をきっちりと定めること。②人間は忘れる動物である。授業終了後、休み時間に3分ほど学んだ内容を見直す、さらに4時間後に復習する。帰宅後復習する。復習を3回すると、記憶が脳の海馬から大脳まで移動し刻まれるらしい。③勉強量と成績は正比例の相関関係にはない。累積曲線を描く。ある日突然壁を打ち破れるものだ。だから、諦めてはいけない。④睡眠は長い方がよい。何故なら睡眠には、深い睡眠と浅い睡眠(レム)が交互に訪れる。レムの時に、学習などの記憶が固まることが科学的に証明されている。だから、睡眠時間が短いとレムの時間も相対的に短くなり、記憶力が減退するわけだ。⑤勉強時間が長ければいいというのではない。要は集中力だ。様々な自分なりのルーチン(イチロー選手が打席で見せるような一連の行動のようなもの。:くせ)をもつとよい。時間は有限だ。ルーチンで切り替えができるようにしたい。
W先生のこのような指導を活かした生徒や学生は、見事な成果を収めているらしい。なかなか勉強になった。
もちろん、PBLのワークも行っていただいた。国語力を高めるメソッドと、粘土をケーキに見立てて5等分するという算数のものである。参加者の子供たちも保護者の皆さんも盛り上がっていた。物差しや紙テープ、台紙も使って5等分するのだが、なかなか難しい。最後に解答をいただいたが、ブログで公表するわけにはいかない。(笑)
最後に、ペットボトルとカップを使ってまとめていただいた。カップに入ったお米をペットボトルに、一粒も溢さず入れるのは難しい。このお米が「学習内容」である。ではどうすればいいか。ちょっとした工夫で全て入る。W先生は、ハサミでペットボトルの飲み口に繋がる部分を切り取り、ロートのようにして改めて注がれたのだ。もちろん全てきれいに入った。この作業こそが、本日学んだことだ。「地頭力」を引き出すメソッドである。W先生、貴重なお話ありがとうございました。お疲れさまでした。
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