出所が凄い(笑)治安情報でもある。 |
第2章「資源開発がアフリカをかえる」のポイント
1.今、世界規模で起こっているのは、中国など新興国の資源需要の増大によって引き起こされた石油などの資源価格の高騰である。これは一時的なものではなく、「価格体系」自体の変化である。
2.アフリカの資源開発は、輸送インフラは整備が悪く、労働力・電力も不足している。また治安の問題もある。しかし資源開発の技術力が向上(海底油田など)したこと、上記1の理由で需要が高まったことなどから価格的に採算が合うようになった。
3.アフリカの経済成長は、まさにこの資源開発への投資によるものである。ちなみにアフリカの経済成長は石油価格に連動している。外から流入したオカネは、アフリカでは個人消費に使われており、それまで抑えられていた消費意欲が爆発している。その消費は輸入品(特に中国製品)なので、せっかく入ってきたオカネが、また外に出ていく。結局収支はトントンになっている。
4.資源開発による『レント』(2月26日ブログ参照)は、その国の通貨の価値を上げるので、輸出型製造業(この工業の発展が開発経済学では重要視されてきた。)に打撃を与えている。したがって、資源開発が進み経済成長するほど、製造業はしぼんでいる。
5.資源産業はそれほど雇用を生まない。経済成長の恩恵を多くの国民は受けない。したがって、経済格差が拡大する。今日の画像は、アフリカのジニ係数(経済格差を示す数値)である。このジニ係数が、0.4以上になれば騒乱や暴動が起こると言われている。現在のアフリカの経済成長は実に危ういのである。
6.上記のような『資源の呪い』をいかに克服するか、つまり、資源収入を、どのように国民全体の所得と福利の向上のために使うかという問題が最大の開発課題でなのある。
…今構想しているアクティビティはこうした理論(いかに「資源の呪い」を克服するか)をもとにしようと考えている。ところで、今日は前任校の卒業式である。昨年末のJICA関西出張の時の振り替え休をいただいている。弟分のU先生、妹分のR先生と1年の時教えた地理Aの生徒たちの顔を見に行こうと思う。
以前、何度かコメントさせていただいた「非常勤講師」です。すっかりFacebookが多くなり、ブログの更新が滞っていました(笑)
返信削除さて、「クーリエ・ジャポン」の編集者ブログでこんな記事を見つけました。http://goo.gl/Aa8lZ
この記事を読んでいて??な箇所があり、アフリカ関連のこの記事にコメントさせていただきました。
リンク先の記事ではガーナの有力部族であるエウェ族の王家に生まれたセファス・バンサーの話ですが、ガーナは共和国だったと思います。共和国制度と部族ごとの王政が並立していると考えてよろしいのでしょうか。
たいへん不躾で恐縮ですが、ご教授いただければ幸いです。
非常勤講師さん、久しぶりです。コメントありがとうございます。
返信削除京大の公開講座で拝聴するところでは、文化人類学的に、行政制度が共和国である場合でも、旧態依然のエスニックグループの階層社会が形成されているようです
民主主義が十分成熟しているとはいえないので、そういう集団で物事が決定されたり裁判が行われたりしているところもあるようです。その中心に『王』と呼ばれる人物がいるようです。もちろん血統であることも多いようです。一方で選挙で選ばれたり、長老会議で選出される場合もあったと思います。
ただ、このガーナの件に関して完全に当てはまるかはわかりませんが…。したがって、実質的にそういうエスニックグループ内での王制に近い社会構造が、民主主義で共和制のガーナに存在するということだと思います。
専門の方で、このコメントを見られて、回答に間違いがあれば、是非ともご教授下さい。
ご教授ありがとうございました。
返信削除ちょうど今、高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』を読んでいる所なので、アフリカ関連の記事に目が行ってしまったのです。
これからもよろしくお願いします。
非常勤講師さん、さっそくコメントありがとうございます。
返信削除そのソマリランドの本、面白そうですね。前から気になっていました。先日京大の講演会で松本仁一さんに、ソマリランドの話をしていたきました。ここでもエスニックグループ(ソマリアは単一民族なので氏族といった方がいいと思います。)の長老の会議が有名です。読みたいのですが…ちょっと高価で…(笑)。