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中国の経済を牽引しているのは不動産開発である。人口が強大な割に内需は少ない。不動産開発で融資を回している借金経済である。よって、不動産開発のための鉄の需要がすこぶる多い。なんと鉄鉱石の輸入は世界の75%を占めている。
しかし大量に輸入するわりに安く購入することはできない。鉄鉱石の価格決定は、生産側とメーカーが一堂に会し、個別交渉を行い、最初の交渉で決まった価格二なるという慣行であった。2003年頃から中国も参加したが裏工作をしたりしてルールを破り、さらに500もの製鉄業が乱立し、勝手に交渉をしたりした結果、足元を見られ価格が暴騰した。そこで現在はディーラーが石油同様、指数を決定することになった。それでも今も暴騰している。中国は自分で自分の首を絞めたわけだ。
主なる輸出国・オーストラリアは、現在牛肉やワイン、石炭などを政治的理由で中国に止められているが、この鉄鉱石の価格暴騰が補い、貿易収支は打撃を受けていないという。日本も、この中国による鉄鉱石価格高騰で迷惑を被っているわけだが、鉄鉱石ではなく、国内に蓄えられた鉄=スクラップを原料にすること、すでに開発が進んだ日本は中国のような鉄需要が少ないこと、さらには産出国の鉱山会社の株式を取得したりして、金融収支的には生産国側でもある。高騰による利益も享受しているわけだ。
ちなみに、このような理由から、オーストラリアや欧米企業は中国に鉱山の株式を売らないようだ。ではと、中国はブラジルやアフリカの鉱山を狙うわけだが、これもまた貿易はUSドルでの決済であるから、アメリカに首根っこを押さえられているといってよい。これに対抗しようと人民元の電子マネー化を推し進めているが、今のことろ、全世界が国際決済に利用しているSWIFTに勝てそうにもない。
中国が、この価格を不満として鉄鉱石の輸入が止めたとしたらだが、溶鉱炉は一度火を止めると再開するのに莫大なコストがかかる。そして鉄の生産が止まれば、不動産開発がストップし、中国経済は終わる。なんという恐ろしきアキレス腱であることか。
…秋田大学国際資源学部に進んだPBTの教え子たちは、日々こういうことを学んでいるかもしれぬ。実に面白いし、マレーシアのために大いに学んでほしい。つい先日、マレーシアは、一帯一路に肘鉄を食らわせたばかりだ。
https://www.youtube.com/watch?v=MVxs307KHhU
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