世界史で感染症と言うと、農奴解放を推し進めた14世紀のペストが最も有名であるが、それ以外にもたくさんある。ペロポネソス戦争時のギリシア、五賢帝時代の最後のローマ帝国、6世紀のビザンチン帝国などである。いずれも大きな歴史の転換点になっている。
まだ全部読んだわけではないのだが、エントリーしようと思ったきっかけは、ホッブズのリヴァイアサンの有名な表紙の話が極めて興味深かったからだ。
イギリスでは、15世紀から17世紀にかけて、ペストが何度も大流行している。この頃ペスト医師はくちばし状の奇妙なマスクをつけている。くちばし状のところに、ハーブなんぞを入れていたらしい。(ちょっと怖い。)で、リヴァイアサンである。この表題のAとNの上に、このペスト医師のシルエットが描かれている。佐藤優によれば、ペストのパンデミックから来る無秩序と「万人の万人に対する戦い」というホッブズの自然状態を重ね合わせているのではないかという。…なるほど。
こういう蘊蓄が得られるから教材研究はやめられない。
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