2021年1月19日火曜日

第1回共通テスト考

先日、第1回共通テストが行われた。読解力や理解力を重視した問題設定に変わった。まずは、私の専門の倫理を見てみる。資料となる文章を読み解くことが当然必要だが、そもそも倫理という教科は、暗記ではなく理解重視なので、そんなに大きく変化したようには見えない。とはいえ高校生にはかなり難解なフッサールの現象学についての設問もあったりして驚いた。

地理Bは設問方式が大きく変わった。地図やグラフを駆使してその読み取り能力と、地理の法則性を問う問題が多く、事前に予備校の発行した共通試験対策問題をやっていないと、かなり違和感があるほどの変化だと思う。

政治経済や現代社会の問題も見てみた。政治経済では「HDI(人間開発指数)」や「人間の安全保障」などが出題されていて、(マレーシアでの3年半も含めて、久しぶりにこれらの問題を確認したので)時代が変わったなあという感想をもった。私は10年以上前からこういうことを教えてきた。現代社会でも、ケニアのマータイさんの「MOTTAINAI」の精神をベースにした問題もあった。私の社会科は、時代的に少し早かったのかもしれない。(笑)

問題は、来年である。基礎をおろそかにして、共通テストのような応用問題は解けない。基礎は基礎として、しっかり学ぶ必要があるし、読解力や理解力をつけるためのトレーニングを常々はさみながら、さらに早めに教科内容を終えてから本格的なトレーニングをする必要があるだろう。そろらく進学校ではすでにそういうシステムが出来上がっているのではないか。まがりなりにも、共通テスト対策に関わる身として、どう対処していくべきか新たな試行錯誤が始まる。

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