2021年1月15日金曜日

マレーシアの非常事態宣言

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-malaysia-king-idJPKBN29H0GR
去る12日に、国王がマレーシア全土の非常事態宣言を出された。10月にもムフディン首相がその要請を出したようだが、国王は拒否されたようだ。ただ、現時点でのコロナ禍は厳しく、1日当たりの感染者は3000人を突破し、11日現在の累計で138000人が感染、死者は555人と、人口を考えると日本以上である。

この連邦憲法に記載されている非常事態宣言は、国会を停止し、首相・閣僚が議会の承認なしで法律を制定できるという、三権分立を一時的に停止することになり、たとえは悪いがナチの全権委任法に近い。マレーシアにいる時、マレーシア憲法を学んでいて、かなりの権限が首相に集まることに驚いた。国教のイスラム教以外の宗教においては、この非常事態下では集会は禁止されていたはずだ。ヒンドゥー教の奇祭タイプーサムが1月28日に予定されていたはずなので、これも自動的に中止になるはずだ。私も一度参加したが、あの混雑は巨大クラスター以外の何物ではない。また2月に中華系の旧正月となる。緊急事態宣言はそれらを念頭に置いたものという気がするのは私だけではないだろう。

政治基盤の薄い現首相には政治的な理由も十分ありそうだが…。

一応8月まで非常事態宣言は続くらしい。今のロックダウン状態と、どう変わるかはわからないが、短縮もありうるとの首相の発言があったことには注目したい。

何より心配なのが、L君をはじめとした在マレーシアの教え子たちのことである。日本に来れる日がまた遠のくのだろうか。また、PBTはどうなるのだろう。様々な不安が脳裏をよぎるのである。一刻も早い非常事態宣言の解除を望みたい。マレーシアの医療関係者も大変だろうが、頑張ってほしいところである。ふと、タマンデサの病院の人々を思い出した。英語が不自由な私をよく助けてくれたようなあ。頑張れ、マレーシア。

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