2021年1月5日火曜日

スーダンとイスラエル国交の話


まさに、たまたまだが、YouTubeの越境3.0チャンネルにアクセスした。昨日エントリーしたイスラエルとアラブ諸国の国交樹立の話がテーマだった。アフリカ留魂録としては、実に興味深い。何故スーダンはイスラエルと国交樹立したのだろうか?

ムサムハンマド・オマル・サイードという元スーダン共和国特命全権大使(ムサさん)が東京、石田さんというこのチャンネルを主催している方がハルツームという面白いシチュエーションでの対話を楽しませてもらった。

本音でいえば、これは政権間の問題でしかないようだ。スーダンの一般人は、パレスチナ問題を解決しないといけないと考えており、私たちがイスラエルのITを駆使した灌漑農業などの協力を求めるのではないかなどという話はないようだ。ムサさんは、ガザを「世界最大の刑務所」と呼んでいたのが印象的である。

…私はイスラエルの味方でもアラブ諸国の味方でもないのだが、イスラエルに行ったとき、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸に入った経験がある。といっても、かの有名なベツレヘムである。威圧的な壁が生誕教会より印象深かった。出入国には当然パスポートが必要であるが、イスラエルに帰る時、イミグレで若い女性が足を投げ出し、対応していたのには驚いた。職業にプロ意識を持つ我々日本人には理解不能である。上海空港の両替窓口の「没有(メイヨー)姉」以上にひどかった。この選民意識から波及している他民族への侮蔑感を強く実感した。ガザを「世界最大の刑務所」と呼ぶ心情は、このような経験から理解できる。

…ここからは私の推測である。スーダンは長くアメリカにテロ支援国家扱いされてきた。南スーダン独立の際も、セルビアよろしく悪者扱いされてきた。まあ、ウサマ=ビン=ラディンがアフガニスタンに行く前に潜伏していたこともあるからだが、このテロ支援国家扱いを解除してもらうのが国交樹立の条件だったのではないか。そんな気がしてならない。本来は豊かな地であるスーダンが良きガバナンスをもって、発展していくことを願うばかりである。このムサさんの話、UAE批判とか金の産出の話とか、かなり面白いので興味のある方は是非覗いていただきたい。

https://www.youtube.com/watch?v=gATWQsPoZIQ

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