2024年10月3日木曜日

聖ヨセフの憂鬱

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「名画で見る聖書の世界<新約編>」(西岡文彦/講談社)には、聖ヨセフのことも詳しく書かれている。神学書ではほとんどふれられることのない、聖母マリアの夫である。聖人に加えられたのは19世紀後半。すでに5世紀に神の母として認定されたマリアとは、えらい違いである。

外典である「ヤコブ原(げん)福音書」によれば、マリアが14歳になった時に、天使のお告げでユダヤの独身男性に招集がかかる。おのおのが枝を一本持って集まるように命じられ、亡くした先妻との間に息子もいたヨセフも独身者であるが故、神殿への招集に応じた。無数の独身者の中で、ヨセフの枝にだけ花が咲き、神の意にかなった男性とされ、婚約者になったというわけだ。…出来杉君であるが、面白い。

ヨセフは、かなり年上で、「正しい人」とされ、アブラハムのひ孫にあたるともされている。とはいえ、名画での描かれた方は、不機嫌そうな老人であることが多い。聖人になったのは、描かれた以後だし、画家たちにも遠慮がない。(笑)

この画像は、ロベルト・カン・ビンの「受胎告知」の右側に描かれたヨセフ。ネズミ捕りを作っている姿が描かれていて、完成品が窓のところに描かれている。うーん、…ネズミ捕りを作る養父ヨセフとは…。もちろん画家のイメージによる創作だろうが、あまりに可愛そうであると私などは思うのだが…。

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