2024年10月24日木曜日

落語的授業 「ガ」な人

https://afri-quest.com/archives/7372
世界の言語に関する授業での話である。 最近はパワーポイントを使うことが多く、いわゆる落語的な話術で勝負する機会がめっきり減ったのだが、今日はジンバブエでの話で盛り上がった。

ジンバブエは当時、ムガベ大統領の白人(農園主)追放で、経済が混乱していた。ハイパーインフレになる少し前に私は行ったのだが、帰路の南ア行きの夜行バスで、隣席のスーツを着た人物と、ムガベの政策をどう思うか聞いた。彼はビジネスマンらしく、「白人を追放するべきではなかった。ジンバブエの経済は崩壊寸前だ。」と言っていた。ちょうど斜め前に民族衣装を着た人物がいて、私たちの会話に入ってきた。「ムガベの政策は正しい。君はアフリカ人としての誇りはないのか。」と喧嘩を売ってきたのだ。英語での会話であり、ここまではなんとかついていけたのだが、民族衣装君が、「君は何処から来た?」と聞いた。「ガーナだ。」とスーツ君は答えた。「なんだ同胞ではないか。どこの人間(エスニック・グループ)だ?」「ガ(民族)だ、」「何?俺もガだ。」と、ここからは、『ガ語』による会話に変化したのだ。ガ―、ガ―・ガ―。私には全く理解できない会話であったのだが、だんだん英語の単語が混じってきた。そして英語の会話に戻った。『ガ語』にはない語彙(財政とか、融資とか、生産性とかいった語彙)については、ガーナの公用語である英語を使わないと自分の意見を語れないのだった。

ケニアでも、各民族語やスワヒリ語の語彙だけでは、中等教育以降はできないので、全て英語での授業となる。おそらくマレー語でも、英語の語彙を借りずに高等教育はできないのであろう。途上国における言語は、こういうカタチをとらざるをえないというオチである。まあ、最近は日本でも妙に長いカタカナ語(アドミッション・ポリシーなど)が挿入されているが…。(笑)ちなみに今日の画像は、ガーナの民族衣装。喧嘩を売ってきた『ガ』の民族衣装君に敬意を表して…。

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