https://www.fourin.jp/report/STATISTICS_NENKAN_2022.html |
次に、自動車産業の話に移る。G7や先進諸国の、同じく輸出額の多い品目を並べると、機械類とともに自動車が目に付く。実際には、エンジンを始め、純国産で自動車を生産できる国は、アメリカ・日本・ドイツのみ。純国産的生産(一部他国の部品が必要)なのは、英(ジェットエンジンについては世界最高峰なのに不思議だ。)、仏、伊、それにスウェーデンといったところ。韓国も日本企業のエンジンを積んでいる。これらのメーカーは有名なのでQ&Aにした。学院は男子の数より女子のほうが圧倒的に多いので、果たしてメーカーを挙げれるだろうか?不安なので、PowerPointで画像を見せることにした。(笑)その後、世界的な自動車生産台数を示すと、中国やメキシコ、インド、タイなどが食い込んでくる。これらは先進国の自動車メーカーの工場があり生産拠点となっているわけだ。これもグローバル化の象徴的な事実である。
ところで、このグローバル化、最近大きな変化が見られる。中国は国策としてEV車の生産を奨励し、雨後の筍のように多くの企業が補助金を受けて生産を開始した。EV車はガソリン車より技術がいらない故であるが、信じられないような過当競争を行い、付加価値や技術ではなくダンピングによる値下げ競争に突入してしまった。SDGsの環境重視のヨーロッパに安価な中国EV車が輸出攻勢をかけ、EUはたまらす高関税をかけている。この時、EU内でドイツは反対した。なぜなら、中国でVW(フォルクスワーゲン)などが生産を大々的に行っており、これらのVW車の高関税の対象となるからである。そこ影響は、VWの本社工場の閉鎖にまで発展し大騒ぎになっている。コロナ禍やウクライナ戦争の影響で経済が停滞しているヨーロッパに新たな中国EV禍が降り注いでいるわけである。
こういう事実を踏まえて、次にグローバル化の背景について語る。冷戦後のアメリカ一強とEUの結成、WWⅡの遠因となった保護貿易(英仏のブロック経済、ケインズの修正資本主義の米のニューディール、ケインズの有効需要を軍需におきかえた日独のファシズム)から自由貿易への変化、交通・通信などの発達も含めて説いていく予定である。
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