2023年10月16日月曜日

エジプトの蹉跌

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今回のハマスとイスラエルの戦争とウクライナ紛争で、エジプトが窮地に置きこまれそうだ。エジプトは、ナイルの賜物と言われていたのは過去の話で、エチオピアが電力供給のために上流でダムを建設し、水量が大幅に下がっているらしい。現在では食料自給率が45%ほどに下がっており、ロシアやウクライナから小麦を輸入していた。ロシアからはともかく、ウクライナの小麦が輸入できなくなっており、食の安全保障が危機にさらされている。

エジプトに、ガザからの難民が押し寄せる可能性が極めて高い。イスラエルは、まず北部の壊滅を目指しているが、南部が以後も無事であるわけがない。エジプトも難民の受け入れを公式発表したようだが、その影にIMF(=アメリカ)の影が見える。経済的に行き詰まっているエジプトはIMFの支援を受けているのだ。断れば支援を止められるはずだ。

もちろんイスラムの大義もあるだろうが、実は複雑である。アラブの春で、ムバラクが退陣した後、ムスリム同胞団が選挙で勝利した。このムスリム同胞団からハマスが生まれている、ムスリム同胞団を押しのけた現政権としては、ハマスは政敵に等しい。経済不安に加えて、治安の悪化も予想されるわけだ。

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