現在の倫理の教科書では、この語は出てこない。青春期の特徴としての「第二の誕生」だとか、アイデンティティの確立だとか、欲求の問題なんかで、正直私などはピンとこない。だから長い間倫理の授業をしながら、共通テスト(旧センター試験)に際しても、この学習内容は、読めばわかる、いわゆる暗記モノとして無視してきた。だが、今回は、時間に余裕がったので、さらっと流しながらも、「Sturm und Drang」についてはちゃんと語ったのだった。
思えば、私の高校時代も大学時代も、Sturm und Drangとしか言いようのない時期だった。様々なことで悩み、苦しみ、立ち上がっては倒れして過ごした貴重な時間であった。授業であまり細かいことは言っていないが、なんとなく伝わったように思う。
学園では、一般入試突破組が中心で、推薦系の入試を受ける生徒は少数派なのだが、志望理由書などでアドバイスをしてほしいとか、小論文や面接指導などもやっている。まあ、頼ってきてくれるのは嬉しいし、やり甲斐もあるので対応している。結局、この時点での各生徒のアイデンティティを確認させる作業になる。おそらくさらに「Sturm und Drang」の中で再構築されていくと思うのだが、いい機会ではあると思うのだ。
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