私は、プラットホームで木津行きの快速を待っていたのだが、その前の普通電車が出る直前だった。近くにいたお爺さんが、閉まる直前のドアに杖を突き刺した。昔、こういう場合ドアが一度開いたので、この普通電車に乗りたかったのだと推測する。しかし、杖はドアに挟まったまま動き出した。お爺さんは、付き添いの婦人に言われ、杖を離したのだが、私の前を杖が通過した。思わず私は引き抜こうと努力してみたのだが、なんとその杖は、先っぽを残し、残りの部分と糸で結ばれ、突き刺さった部分とそこから垂れ下がる糸、そして垂直に伸びた残りの部分となって、ちょっとシュールな光景で走り去っていたのだった。うーん、想定外。不思議な杖である。付き添いの御婦人がお爺さんを叱りつけていたのだが、そばにいた他のご婦人たちが、駅員さんにすぐ報告した方がいいと言ってくれて、御婦人は急いで向かった。お爺さんはポカーンとしていた。
もし、あのまま(杖がまっすぐ横に伸びた状態)だと、次の駅で人に当たっていたかもしれない。私の引っ張った努力は無駄ではないと思いつつも、どっちみち、次の駅できっと確認のため普通電車はストップし、快速も遅れるだろうなあと思っていた。案の定、そのとおりになったのであった。この「事件」のために、宝塚線、東西線、学研都市線は、夕方のラッシュアワーだというのに、5分くらい遅延したのだった。おそらく次の駅で、ドアが空いて、線路上に杖が落ちただろうと思う。線路の上に落ちていたら、どうなっていただろう。
高齢者がボケていくのは致し方ないのだが…。(本日の画像はイメージ。)
0 件のコメント:
コメントを投稿