2023年10月4日水曜日

今回の倫理・中間考査問題

今、学園は中間考査週間である。2学期の中間試験は体育大会の関連行事もあって、曜日によっては、意外と授業日数が少ない。よって今回の範囲は、1学期とは雲泥の差があった。(1学期中間は西洋哲学ほぼ全般、期末は日本思想全般と膨大なものだった。)ロールズを中心とした社会哲学と、アマルティア・セン、フッサールの現象学とレヴィナス、アーレントといったラインナップだ。これに、これまでの学習内容の復習を組み合わせた内容にした。

たとえば、内田樹は「レヴィナスと愛の現象学」の中で、現象学を、素朴実在論者=夢中になって舞台を見ている観客、懐疑論者=しらけた観客、現象学者=演出家といった比喩を用いている。この文章の中で語られる素朴実在論者、懐疑論者は誰かと問うわけだ。正解は、デカルト以後の哲学(ハイデガー・サルトル以後を除く)ではヒュームである。また「フランス現代哲学」に収められているメルロ・ポンティの「知覚現象学」からは、「本質を存在へと連れ戻す哲学」という記述がある。これは、ハイデガーの哲学を意味し、現存在のことを言っている。さらに、アーレントの「全体主義」の要旨で、フランス革命批判があるのだが、彼女と全く正反対でフランス革命を賛美している哲学者は誰かという問題も作った。それは自由を求める絶対精神を説いたヘーゲルの歴史哲学である。

というわけで、これは今回の試験の一例。実際はもっとある。(笑)かなり難問であると思うが、それでも食らいついてきて、高得点を出している生徒がいるのが嬉しい。共通テストでも、きっと高得点を叩き出してくれるはずである。

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