妻と京都に出て、「もしも猫展」に行ってきた。わが夫婦は、歌川国芳の大ファンであるから、当然の行動であると言わねばならない。今回は国芳を主軸に据えて、江戸期から明治にかけて、本人だけでなく弟子たち、さらにその後継者が、人間を猫に擬人化した浮世絵を中心に、他の動物(鶏や牛、鼠、雀その他)も含めた擬人化浮世絵シリーズといった展示会だった。
なかなか見ごたえがあり、実に面白かった。私が最も感じ入ったのは、これらの作品が世界手に評価されている日本のサブカルチャーともなった漫画やアニメのルーツであるということである。すでに、江戸時代に挿絵と文章というカタチで冊子が発行されており、大好評だったようだ。もっと古い「鳥獣戯画」があるが、巻物に収められており一般化はしていない。しかし、これらの作品は版画として販売されているだけでなく、コミック化されていることに驚いたのだ。(上記画像参照)特に「おこまものがたり」という猫おこまの一代記が面白い。敵討ちをしたり、三味線になったりと意外な展開を見せる。このような冊子を作り販売できるという文化は、日本の識字率の高さに支えられていることが明白で、実に誇るべきことだと思う。
今回の京都行でも外国人観光客が必ず視界に入るほど多かった。この展覧会にも来ていたのだが、残念ながら解説は日本語のみで、ただ単にその面白さや美しさを感じることしかできないだろうと思うと、英訳の解説も用意しておいて欲しかったところ…。(だが、かなり日本文化、特に江戸文化への造詣が深くないと英訳しても難解だと思う。)
京都文化博物館にて。11月12日まで。(月曜日休館)一点のみ写真撮影不可。https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20230923-1112/
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