https://jp.reuters.com/world/ukraine/CT4EMUDT3BJQVLC6SXZ6YM6KOE-2023-09-28/ |
(ポーランドの)政策金利は2022年10月に6.75%まで急ピッチで引き上げられてきたが、それでもインフレは止まらず、さらにウクライナ紛争が起こり、D100万人以上のウクライナ人が入国してきたので、需要の増加が起こり、インフレが起こることは容易に想像できる。Eエネルギー価格の高騰もインフレに影響したが、紛争前からロシア依存を減らしていたのでドイツほど悲惨ではない。インフレについては2023年2月に前年比+18.4%がピークで、8月は前年比+10.1%まで下がった。一方F利上げの影響で経済成長率も下がってきた。2022年第4四半期(ドイツやロシアは1月-12月が会計年度なので、10月~12月と推測される)までは、+2.3%とプラス成長を維持していたが、2023年第1四半期は-0.3%、第2四半期は-0.6%に落ち込んだ。中央銀行はインフレが徐々に落ち着いてきたので、今度はG経済成長を下支えするために、金利を0.75%引き下げた。しかしH市場が予想したよりも大幅な利下げで、急速に通貨安が進んだ。利下げ前は、€1=4.45ズロチだったが、4.7ズロチにまで急落した。
下線部の文章と最も関係が深い記述を選ぶ問題。DからHまでの正解の記述は、次のようになる。D:デマインドインフレである。E:コスト・プッシュ・インフレである。F:信用創造にストップがかかった故に設備投資が鈍化したからである。G:信用創造を増やし、マネーストックを増大することで設備投資や雇用を活性化しようとしたのである。H:通貨も市場の需要と供給で価値が上下する。この場合、ズロチが売られた。
実際には、文章の下線部はLまであり12問。解答欄には13の記述。難問である。さらに記述問題。先日の国連総会の演説で、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ポーランドを名指ししなかったものの強く批判した。ポーランドは、ウクライナ紛争で、武器援助を最も積極的に行ってきた友好国であるのに、である。というのも、ウクライナは世界有数の穀物生産国(ポーランドも農業国)であるが、これまで黒海経由で、中東地域やアフリカへ輸出していたのだが、ロシアの黒海封鎖によって海路で輸出できなくなり、ポーランドなどへ陸路で輸出した。これにポーランド政府は激怒して、今後ウクライナへの武器支援を止めると発表した。なぜ、ポーランド政府は激怒したのだろうか?今回の学習内容をもとに推測しなさい。正解は、至極簡潔。農業国であるポーランドに、ウクライナからの大量の安価な穀物が輸入され、供給過剰となって、ポーランドの穀物価格が下がり、大打撃を受けたからである。さてさて、2年生の解答は如何。楽しみである。
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